ライカ Leica Z2X

ライカ Leica Z2X


Leica Z2Xは、35mmフィルムを使用するオートフォーカス式コンパクトカメラです。

1997年ごろに登場したモデルで、Leica Wikiの製造番号資料でも1997年からZ2Xの生産記録が確認できます。

最大の特徴は、

LEICA VARIO-ELMAR 35-70mm F4.0-7.6

という2倍ズームレンズを搭載していることです。

ライカの取扱説明書では、このレンズを6群7枚構成とし、35mm広角寄りの画角から70mm中望遠までを1台でカバーすると説明しています。

そのほかにも、

  • 35mmフィルム
  • 35-70mm電動ズーム
  • パッシブAF
  • 最短撮影距離0.6m
  • 中央重点測光
  • プログラムAE
  • フォーカス・露出メモリー
  • +2EV補正
  • 内蔵フラッシュ
  • 赤目軽減プリ発光
  • スローシンクロ
  • 最長99秒の長時間露光
  • DX自動感度設定
  • 自動装填
  • 自動巻き上げ
  • 自動巻き戻し
  • 途中巻き戻し
  • 10秒セルフタイマー
  • CR123A電池

と、1990年代のAFコンパクトらしい機能を一通り備えています。

操作はかなり簡単です。

フィルムを入れる。

電源を入れる。

ズームする。

被写体へ向ける。

シャッターを押す。

撮影後はカメラ自身がフィルムを送ります。

つまりLeica Mのように距離計像を合わせたり、シャッター速度と絞りを手動設定したりするカメラではありません。

「ライカブランドで楽しむ90年代AFズームコンパクト」

という性格のモデルです。

この記事では、Leica Z2Xのレンズ、AF、露出、フラッシュ、フィルム操作、データバック、Minilux Zoomとの違い、そして中古購入時に確認したいポイントを詳しく解説します。

目次

Leica Z2Xとは

Leica Z2Xは35mm判のAFコンパクトカメラです。

Leica Wikiでは1997年に最初の製造番号ブロックが割り当てられ、その後も1999年、2000年、2002年までZ2Xおよびデータバック仕様の製造記録が掲載されています。

Camera-wikiでも1997年前後に登場した35mmズームコンパクトとして記録されています。

フィルム一眼レフでもレンジファインダー交換レンズ機でもありません。

レンズ固定式です。

カメラ側が、

  • ピント
  • 露出
  • フィルム送り
  • フィルム巻き戻し

を自動化します。

現在でいう「Point & Shoot」に近いカメラです。

「rangefinder camera」と書かれているがM型ライカとは違う

Z2Xの取扱説明書には、

Compact 35 mm rangefinder camera

という表記があります。

ただし、Leica M3やM6のような二重像合致式連動距離計を撮影者自身が操作するカメラではありません。

Z2Xではパッシブ式オートフォーカスが自動的に距離を測ってピントを合わせます。

したがって実際の使い方としては、

AF付き実像式ファインダーコンパクト

と理解した方が分かりやすいでしょう。

「LeicaだからレンジファインダーでMFするはず」と思って購入すると、かなり違うカメラが届きます。

LEICA VARIO-ELMAR 35-70mm F4.0-7.6

Z2X最大の特徴がズームレンズです。

純正取扱説明書では、

LEICA VARIO-ELMAR 35-70mm F4.0-7.6

と明記されています。

レンズ構成は6群7枚です。

35mm側

35mm判で35mmは、やや広角寄りの使いやすい焦点距離です。

用途は、

  • 街歩き
  • 旅行
  • 家族写真
  • 風景
  • 室内
  • スナップ

など。

標準50mmより広い範囲を写しながら、28mmほど広角感が強くありません。

旅行用コンパクトでは特に扱いやすい画角です。

70mm側

70mmまでズームすると、中望遠に近い画角になります。

  • 人物
  • ポートレート
  • 遠くのディテール
  • 旅行先の建物
  • 花
  • 子ども

などを少し引き寄せて撮影できます。

35mmと70mmを1台で切り替えられるため、交換レンズは必要ありません。

電動2倍ズーム

ズーム操作は本体上面のシーソー式スイッチで行います。

T側を押すと望遠方向。

W側を押すと広角方向へ動きます。

電源を切るとレンズは収納位置へ戻り、前面のレンズカバーも自動的に閉じます。

つまり、

レンズキャップを外したり付けたりする必要はありません。

スナップカメラとして便利な設計です。

F4-7.6という開放F値

開放F値は、

  • 35mm側:F4
  • 70mm側:F7.6

です。

ズームすると暗くなります。

特に70mm F7.6は、現在の感覚でもかなり暗めです。

屋外晴天なら問題ありませんが、

  • 曇天
  • 室内
  • 夕方
  • 夜間

ではシャッター速度が低下したり、内蔵フラッシュが必要になったりします。

Minilux Zoomとはレンズが違う

ここは中古市場でかなり重要です。

Leicaには後年、

Minilux Zoom

という別の35-70mmコンパクトがあります。

Minilux Zoomのレンズは、

VARIO-ELMAR 35-70mm F3.5-6.5

です。

一方Z2Xは、

35-70mm F4-7.6

です。

モデルレンズ
Leica Z2XVario-Elmar 35-70mm F4-7.6
Leica Minilux ZoomVario-Elmar 35-70mm F3.5-6.5

焦点距離は同じですが、開放F値が違います。

中古ショップの商品説明で混同されている場合もあるため、必ず前玉周辺の実機表記を確認しましょう。

最短撮影距離は0.6m

ピント合わせ範囲は、

0.6m~∞

です。

60cmまで寄れるため、

  • 人物
  • 花
  • 料理
  • 小物

などにも使えます。

ただし本格的なマクロカメラではありません。

70mm近距離ではパララックスに注意

Z2Xは一眼レフではないため、撮影レンズとファインダーの位置が異なります。

近距離になるほど、ファインダーで見た範囲と実際に写る範囲にずれが生じます。

純正説明書では70mm側・約0.6~1.4mで使用するための近距離フレーム表示がファインダーに設けられています。

つまり近距離では、

通常のファインダー枠いっぱいに構図を決めない

方が安全です。

パッシブオートフォーカス

AFはパッシブ方式です。

シャッターボタンを軽く押すと測光し、最後まで押し込む際にピント合わせを行う方式として取扱説明書に記載されています。

暗い場所ではAF補助光が自動的に作動します。

AFフレームを被写体へ合わせる

ファインダー中央部のAFフレームへ主要被写体を入れます。

背景へAFフレームが抜けていると、背景へピントが合う可能性があります。

人物の顔などへAFフレームを合わせてから撮影しましょう。

フォーカス・露出メモリー

Z2Xはフォーカスと露出を記憶できます。

シャッターボタンを軽く押した状態を維持すると、

  • ピント
  • 測光値

が保持されます。

そのため、

  1. 被写体を中央へ置く
  2. 半押しする
  3. ピントと露出を固定
  4. 半押ししたまま構図変更
  5. シャッターを切る

という撮影ができます。

人物を画面端に配置するときなどに重要です。

無限遠固定モード

Z2Xには独立した∞フォーカスロックがあります。

たとえば、

  • 遠景
  • 山
  • 景色
  • ガラス越し
  • AFが迷いやすい風景

などで利用できます。

飛行機や列車の窓越しでは、AFが窓ガラスへ反応するのを防ぐ用途にも便利です。

プログラムAE専用

Z2Xでは絞り値や通常シャッター速度を自由に設定するマニュアル露出機能はありません。

露出制御は自動プログラム方式です。

撮影者は基本的に、

  • 構図
  • ズーム
  • ピント位置
  • フラッシュモード

を考えれば撮影できます。

「Leicaだから絞りリングを回して撮る」と思うと、かなり違います。

中央重点測光

露出計は中央重点積分測光です。

画面全体の明るさを測りながら中央付近を重視します。

主要被写体が中央付近にある一般撮影では扱いやすい方式です。

逆光人物などでは後述する+2EV補正も利用できます。

+2EV露出補正

Z2Xには**+2EV**の露出補正機能があります。

マイナス補正を自由に設定するような高度な補正ダイヤルではありません。

主な用途は、

  • 逆光人物
  • 明るい背景の前にいる人物
  • 雪景色

などで被写体が暗く写るのを防ぐことです。

2段明るく撮るため、効果はかなり大きめです。

シャッター速度は1/4~1/300秒

通常撮影時のシャッター速度範囲は、

1/4秒~1/300秒

です。

最高1/300秒なので、現在の一眼レフと比べれば高速ではありません。

また70mm側ではレンズがF7.6まで暗くなるため、曇天や室内では手ブレに注意する必要があります。

最長99秒の長時間露光

Z2Xには「B」相当の長時間露光モードもあります。

取扱説明書では、SLOWやフラッシュOFFモードなどで最長99秒までの長時間露光が可能とされています。

LCDには露光時間が秒単位で表示されます。

夜景や光跡撮影にも使えます。

ただし三脚が必要です。

電子式ケーブルレリーズ端子もある

取扱説明書には電気式ケーブルレリーズ用ソケットも記載されています。

長時間露光時にカメラへ直接触れずシャッターを切るために利用できます。

コンパクトカメラながら夜景撮影まで考えた設計です。

内蔵フラッシュ

Z2Xには電子フラッシュが内蔵されています。

暗い場合は通常のオートモードで自動的に発光します。

さらに、

  • 自動発光
  • 自動発光+プリ発光
  • 強制発光
  • 強制発光+プリ発光
  • スロー+強制発光
  • スロー+プリ発光
  • 発光禁止

など複数のモードがあります。

単純な「暗ければ必ずフラッシュ」だけではありません。

赤目軽減プリ発光

人物の目が赤く写る「赤目」を減らすため、撮影前にプリ発光するモードがあります。

人物撮影には便利ですが、プリ発光と本発光の間にわずかな時間差が生じます。

瞬間的な表情を狙うなら通常発光の方が使いやすい場合もあります。

強制発光

明るい場所でもフラッシュを発光できます。

たとえば晴天下の逆光人物では、顔へ補助光を当てる日中シンクロとして利用できます。

発光禁止

美術館、夜景、舞台など、フラッシュを使用したくない場合はOFFへできます。

Z2Xは電源を切ると設定が標準オートへ戻るため、次回起動時にはフラッシュモードを再確認しましょう。取扱説明書でも、電源再投入時に自動フラッシュ付きプログラムへ戻ることが記載されています。

ISO100でのフラッシュ到達距離

メーカー仕様ではISO100時、

  • 35mm:約0.6~5.1m
  • 70mm:約0.6~2.7m

です。

70mm側ではレンズが暗くなるため、到達距離がかなり短くなります。

望遠側で遠くの人物へフラッシュを当てても届かない場合があります。

DXコード対応

35mmフィルムのDXコードを読み取り、感度を自動設定します。

対応範囲はISO50~3200です。

フィルムを入れれば、通常は自分でISO設定する必要がありません。

非DXフィルムはISO100扱い

重要です。

DXコードがないフィルム、またはISO50未満のフィルムを入れると、カメラはISO100として扱います。

自家詰めフィルムやDXコードのない特殊フィルムを使用する場合は注意しましょう。

自動フィルム装填

フィルムを入れて裏蓋を閉めると、自動的に第1コマまで送ります。

正常に装填されればカウンターへ「1」が表示されます。

「1」が点滅した場合は装填失敗です。

中古テストでは、実際にフィルムを入れて確認したい機能です。

自動巻き上げ

撮影後はモーターが自動的に次のコマへ送ります。

巻き上げレバーはありません。

取扱説明書ではシャッターボタンを押し続けることで、約1.5秒に1枚程度の連続撮影も可能とされています。

自動巻き戻し

フィルム最後まで撮影すると、自動的に巻き戻します。

途中巻き戻しも可能です。

電子コンパクトでは、

巻き上げが正常でも巻き戻しモーターだけ故障

という可能性があるため、中古確認では両方テストしましょう。

10秒セルフタイマー

セルフタイマーは10秒です。

専用ボタンを押して作動させ、前面LEDでカウントを知らせます。

集合写真だけでなく、三脚使用時のブレ防止にも利用できます。

ファインダーもズームに連動

実像式ファインダーはレンズの焦点距離に合わせて画角が変化します。

倍率は、

  • 35mm:約0.44倍
  • 70mm:約0.74倍

です。

撮影範囲はフィルム面のおよそ83%とされています。

実際のフィルムには、ファインダーで見た範囲より少し広く写ります。

ファインダーのLED

ファインダーには赤・緑LEDがあります。

赤LED

フラッシュ充電中は点滅。

発光準備完了で連続点灯します。

緑LED

ピント・露出測定完了では連続点灯。

被写体が近すぎる場合や、低速による手ブレの危険がある場合は点滅します。

中古ではこのLED表示も確認しましょう。

CR123A電池1本

電源はCR123A型3Vリチウム電池1本です。

現在でも比較的入手しやすい電池なので、古い水銀電池を使用するカメラより運用しやすい点はメリットです。

電池がなくなると撮影できない

Z2Xは電子制御カメラです。

電池切れ時にはシャッターを切れません。

取扱説明書でも、電池表示が消えた場合はシャッターが作動しないと説明されています。

Nikon FMのような電池不要の非常用機械シャッターはありません。

電源ONでレンズがせり出す

ON/OFFボタンを押すと、

  1. レンズカバーが開く
  2. レンズが撮影位置へ出る
  3. LCDが点灯

します。

電源OFFでは逆にレンズが収納され、カバーが閉じます。

この一連の動作は、中古Z2Xで最重要チェック項目のひとつです。

約5分でスタンバイ

電源ONのまま約5分操作しないと、電子系が自動的にスタンバイへ入ります。

シャッターボタン、ズームスイッチ、ON/OFFボタンなどで復帰できます。

電池消耗を抑える機能です。

通常版とデータバック版がある

Z2Xにはデータバックあり・なしの仕様があります。

データバック版では、

  • 年月日
  • 日時

などをフィルムへ写し込めます。

データバックのカレンダーは2019年まで

これも現在購入するなら重要です。

純正説明書では自動カレンダーの対応を2019年までとしています。

したがって2026年現在、

正しい現在年を設定できないこと自体は故障ではありません。

データバック機構そのものが動いているかと、現在の日付を正しく表示できるかは別問題です。

ブラック仕様も存在

純正技術資料にはブラック仕様も存在すると記載されています。

中古ではシルバー系とブラック系を見かけます。

色だけで機能差を判断する必要はありません。

約245gと軽量

通常ボディは、

  • 幅:約124mm
  • 高さ:約69.6mm
  • 奥行:約42.6mm
  • 重量:約245g・電池除く

です。

データバック仕様でも約248gとされています。

35-70mmズーム、AF、モーター、フラッシュまで内蔵して約245gなので、旅行用カメラとしてかなり軽量です。

Leica Z2Xの基本スペック

項目内容
カメラ形式35mm AFコンパクト
登場時期1997年頃
フィルム35mm・135
画面サイズ24×36mm
レンズLEICA VARIO-ELMAR
焦点距離35-70mm
開放F値F4.0-7.6
レンズ構成6群7枚
AFパッシブAF
AF補助光あり
最短撮影距離0.6m
無限遠固定あり
露出プログラムAE
測光中央重点積分
AE/AFメモリーあり
露出補正+2EV
シャッター電子制御
通常速度1/4~1/300秒
長時間露光最大99秒
ISODX 50~3200
非DXフィルムISO100として設定
フラッシュ内蔵
赤目軽減あり
強制発光あり
発光禁止あり
スローシンクロあり
フィルム装填自動
巻き上げ自動
連続撮影約1枚/1.5秒
巻き戻し自動・途中巻き戻し可
セルフタイマー10秒
ファインダー倍率約0.44~0.74倍
ファインダー視野率約83%
LCDあり
電源CR123A×1
寸法約124×69.6×42.6mm
重量約245g
データバック仕様あり・2019年まで

主要仕様はLeica Z2X取扱説明書の技術データに基づきます。

Leica Z2Xの基本的な使い方

CR123Aを入れる

まず新品のCR123Aを装着します。

電源を入れ、レンズが正常に撮影位置へせり出すことを確認します。

35mmフィルムを装填する

裏蓋を開きます。

フィルムパトローネを入れ、フィルム先端を巻き取り側まで伸ばします。

裏蓋を閉じると自動的に第1コマへ送ります。

電源を入れる

ON/OFFボタンを押します。

レンズカバーが自動的に開きます。

W・Tスイッチで画角を決める

Wなら35mm方向。

Tなら70mm方向です。

被写体をAFフレームへ入れる

まず主要被写体をファインダー中央へ入れます。

シャッターを軽く押す

フォーカスと露出を測ります。

緑LEDで状態を確認します。

必要なら構図変更

フォーカス・露出メモリーを使って、半押しを維持したまま構図を変更できます。

シャッターを最後まで押す

撮影するとフィルムは自動的に次のコマへ送られます。

中古購入時に確認したいポイント

Leica Z2Xは1990年代の電子コンパクトです。

機械式一眼レフとは中古確認の考え方がかなり違います。

「シャッターが切れた」だけでは不十分です。

むしろ、

レンズ伸縮・ズーム・AF・モーター・電子シャッター・フラッシュ

という電子機構全体が重要になります。

新品CR123Aで確認する

最優先です。

古い電池では、

  • レンズが途中までしか出ない
  • AFが不安定
  • ズームが遅い
  • フラッシュが充電されない
  • 巻き戻しが弱い

などの症状が出る可能性があります。

必ず確実な新品電池で判断しましょう。

電源が入るか

ON/OFFボタンを押します。

  • LCDが点灯
  • レンズカバーが開く
  • レンズが撮影位置へ出る

ことを確認します。

何も起きない場合は、

  • 電池
  • 電池接点
  • ON/OFFスイッチ
  • 電子回路

などを疑います。

電池室

確認するのは、

  • 液漏れ
  • 白い腐食
  • 緑青
  • 接点変形
  • 電池蓋割れ

です。

CR123Aは古いアルカリ電池ほど液漏れしやすい電池ではありませんが、電子機器なので腐食は重要です。

レンズが正常に出るか

Z2Xでは非常に重要です。

電源ONで一定の位置までスムーズに伸び、

電源OFFで最後まで収納される必要があります。

  • 途中停止
  • ガリガリ音
  • 数回に1度出ない
  • 手で押すと動く

個体は避けたいところです。

自動レンズカバー

電源OFFで完全に閉じ、ONで完全に開くか確認します。

羽根が途中で止まる個体では前玉を十分に保護できません。

撮影時に半分閉じたままなら写りにも影響します。

35mm側

Wを押し続け、35mm位置まで確実に戻ることを確認します。

70mm側

Tを押して70mmまで伸びることを確認します。

途中で止まったり、モーター音だけして動かなかったりする場合はズーム機構に問題がある可能性があります。

中間焦点域

35mmと70mmだけではありません。

ズーム途中でも止められることを確認します。

特定位置だけ引っ掛かる個体は注意しましょう。

ズーム作動音

多少のモーター音は正常です。

しかし、

  • ギャー
  • ガリガリ
  • カチカチ空回り

といった異常音がある場合はギア摩耗やズーム駆動不良を疑います。

レンズ鏡筒のガタ

70mm側まで伸ばし、鏡筒へ大きなガタがないか軽く確認します。

強く揺すってはいけません。

落下個体ではレンズユニットが傾き、片ボケへつながる可能性があります。

前玉

明るい光で、

  • 傷
  • カビ
  • コーティング劣化
  • 汚れ

を確認します。

自動カバーを備えるため比較的保護されやすい部分ですが、カバー故障個体では傷がある場合があります。

レンズ内部の曇り

ズームコンパクトでは重要です。

レンズ内部へ強い白濁がないか確認します。

曇りが強いと、

  • コントラスト低下
  • 逆光で白くなる
  • 黒が締まらない

といった影響が出ます。

カビ

内部レンズへ糸状・蜘蛛の巣状の模様がないか確認します。

電子コンパクトはレンズユニット分解の難易度が高いことが多く、単純なMF交換レンズほど清掃しやすくありません。

「あとで清掃すればいい」前提では買わない方が安全です。

片ボケ

35mm・70mmの両方で平らな壁や建物を撮影します。

左右・四隅で極端なピント差がないか確認します。

落下によるレンズユニットずれは外観だけでは分からないことがあります。

AF作動

0.6m付近、2~3m、遠景へ順番に向けて撮影します。

毎回正常にピントを合わせるか確認しましょう。

AF補助光

暗い場所ではAF補助光が作動する仕様です。

暗所へ向けて作動するか確認します。

0.6m未満で警告するか

最短撮影距離は0.6mです。

近すぎる被写体では緑LEDが点滅して警告します。

警告機能まで確認するとAF系の状態を判断しやすくなります。

AF精度は実写で確認

AF音やLEDだけでは不十分です。

開放F値自体は暗いレンズですが、70mm側・近距離ではピントずれを確認しやすくなります。

人物や文字を撮り、狙った位置へピントが来ているか現像後に確認しましょう。

無限遠固定

∞モードへ切り替え、表示がLCDへ出ることを確認します。

遠景も実写すると確実です。

フォーカス・露出メモリー

中央の被写体へ合わせて半押しし、そのまま構図を変更します。

緑LEDが連続点灯し、フォーカス・露出が保持されるか確認します。

シャッター

明るい場所と暗い場所で撮ります。

速度が明確に変化することを確認します。

電子シャッターなので音だけで正確な速度は判定できません。

1/300秒側

晴天下で試写し、

  • 極端な露出不足
  • 部分的な異常

がないか確認します。

低速側

暗所でフラッシュOFFにし、1/4秒付近になる条件を作ります。

シャッターが正常に開閉することを確認します。

長時間露光

SLOWまたはフラッシュOFF系モードで、数秒の露光を試します。

LCDカウンターが動き、設定時間後に正常終了するか確認します。

+2EV補正

露出補正モードを選択し、LCDへ「+EV」が表示されることを確認します。

通常撮影と比較して実写露出が明るく変化するか確認できれば理想です。

LCD

上面LCDで、

  • 電池
  • コマ数
  • フラッシュ
  • +EV
  • SLOW
  • ∞
  • セルフタイマー

などのセグメントが欠けていないか確認します。

古い液晶では、

  • 黒ずみ
  • 液漏れ状の染み
  • 表示薄れ
  • セグメント欠け

に注意します。

モードボタン

ボタンを押すたびにモード表示が順番に切り替わることを確認します。

特定のモードへ移れない場合、ボタン接点不良の可能性があります。

フラッシュが充電されるか

暗所へ向けてオートフラッシュを作動させます。

赤LEDが点滅し、充電完了後に連続点灯することを確認します。

フラッシュが発光するか

実際に撮影して発光するか確認します。

一度だけではなく数回試しましょう。

充電時間

新品電池なのに毎回極端に時間が掛かる場合は、

  • コンデンサー
  • フラッシュ回路
  • 電池接点

などの劣化を考えます。

赤目軽減プリ発光

プリ発光モードを選び、本発光前に予備発光があることを確認します。

強制発光

明るい場所でもフラッシュをONにして発光できるか確認します。

発光禁止

OFFモードで暗所撮影し、勝手にフラッシュが発光しないことを確認します。

自動フィルム装填

これはフィルムを実際に入れないと十分に確認できません。

裏蓋を閉じ、

  • 自動的に第1コマへ進む
  • カウンターが1になる
  • 1が点滅しない

ことを確認します。

フィルム送り

1枚撮影するごとにモーターがフィルムを送るか確認します。

空シャッターだけでは分からない故障です。

連続撮影

シャッターボタンを押し続け、複数枚連続して送れるか確認します。

メーカー説明では約1.5秒に1枚です。

自動巻き戻し

最後まで撮影し、巻き戻しが正常に完了するか確認するのが理想です。

電子コンパクトでは巻き戻しモーター故障が致命的になります。

途中巻き戻し

底面または背面の途中巻き戻し操作が反応するか確認します。

DX接点

フィルム室のDX接点に、

  • 腐食
  • 汚れ
  • 曲がり

がないか確認します。

DX情報を正しく読めなければ露出が狂う可能性があります。

非DXはISO100になる点に注意

自家詰めフィルムを入れて、

「ISO400なのに400として撮ってくれるだろう」

と思わないようにします。

非DXはISO100扱いです。

裏蓋

  • ロック
  • ヒンジ
  • 変形
  • 割れ

を確認します。

プラスチック主体の電子コンパクトでは、落下による爪割れも注意したい部分です。

遮光

実写後、ネガに光漏れがないか確認します。

古いズームコンパクトでは裏蓋だけでなく、伸縮するレンズ鏡筒側から光が入る可能性も理論上あります。

コミュニティではZ2Xでレンズ鏡筒周辺の光漏れを疑う事例もありますが、これはメーカーが確認した一般故障ではなく、個別ユーザー報告として扱うべきものです。

中古では最終的にフィルム1本を通した方が確実です。

ファインダー

明るい壁へ向け、

  • 曇り
  • カビ
  • チリ
  • AF枠
  • 近距離フレーム
  • LED

を確認します。

ファインダーのズーム連動

35mmから70mmへ動かし、ファインダー画角も滑らかに変化することを確認します。

レンズだけ動いてファインダーが連動しない場合は構図が不正確になります。

セルフタイマー

10秒で作動することを確認します。

前面LEDもチェックします。

データバック

データバック仕様なら、

  • LCD表示
  • MODE
  • SELECT
  • SET
  • フィルムへの写し込み

を確認します。

ただし自動カレンダーは2019年までなので、2026年を表示できないことは故障ではありません。

落下痕

特に、

  • レンズ鏡筒
  • 上面角
  • 電池蓋
  • 裏蓋
  • ファインダー周辺

を確認します。

この世代のコンパクトは電子基板やズームユニットを内蔵するため、強い落下は外観以上のダメージを与える可能性があります。

「修理前提」で買うには注意

機械式カメラなら、

  • シャッター清掃
  • モルト交換
  • ヘリコイドグリス交換

などで復活する個体があります。

しかしZ2Xは、

  • 専用電子基板
  • モーター
  • フレキシブルケーブル
  • ズーム機構
  • AF回路
  • 液晶

などを組み合わせた電子コンパクトです。

部品供給終了後の現在、故障内容によっては修理困難になる可能性があります。

したがって中古では、

安い故障品より、多少高くても実写確認済みの個体

を選ぶメリットが大きいカメラです。



Leica Z2Xが向いている人

Z2Xは次のような人に向いています。

  • Leicaブランドのフィルムコンパクトを使いたい人
  • AFで気軽に撮りたい人
  • 35mmと70mmを1台で使いたい人
  • 旅行用フィルムカメラを探している人
  • 自動巻き上げ・巻き戻しが欲しい人
  • 内蔵フラッシュが必要な人
  • マニュアル露出にこだわらない人
  • 1990年代AFコンパクトが好きな人
  • CR123Aで動くカメラを選びたい人
  • M型ライカとは違ったLeicaを楽しみたい人

特に、

「フィルムは使いたい。でもシャッター速度や絞りを毎回考えるのは面倒」

という人には扱いやすいモデルです。

Leica Z2Xが向かない場合

一方、次のような人には別のカメラが向いています。

  • Leica Mのような距離計操作を楽しみたい人
  • マニュアルフォーカスしたい人
  • 絞りを自分で決めたい人
  • シャッター速度を自分で設定したい人
  • 明るいレンズを求める人
  • 28mm以下の広角が欲しい人
  • 1/500秒以上の高速シャッターが必要な人
  • 電子故障のリスクを避けたい人
  • 修理しながら長期間使いたい人

特に70mm側F7.6は暗いため、室内や夜間をフラッシュなしで多用する人には向きにくいでしょう。

Z2XとMinilux Zoomはどちらを選ぶ?

Z2XとMinilux Zoomはどちらも35-70mmを搭載するため、中古購入時に比較されることがあります。

しかし性格はかなり違います。

項目Leica Z2XLeica Minilux Zoom
登場1997年頃1999年前後
レンズ35-70mm F4-7.635-70mm F3.5-6.5
レンズ構成6群7枚6群7枚
最短距離0.6m約0.7m
AFパッシブ式アクティブ赤外線式
重量約245gより重量級
性格軽量・気軽より上位志向

Z2Xの最大の強みは軽さと手軽さです。

約245gなので旅行へ持ち出しやすく、35-70mmズームも便利です。

まとめ

Leica Z2Xは、1997年ごろに登場した35mmオートフォーカスコンパクトカメラです。

搭載レンズは、

LEICA VARIO-ELMAR 35-70mm F4.0-7.6・6群7枚。

最短撮影距離は0.6mです。

主な特徴は、

  • 24×36mmの35mm判
  • VARIO-ELMAR 35-70mm F4-7.6
  • 6群7枚
  • 2倍電動ズーム
  • 自動レンズカバー
  • パッシブAF
  • AF補助光
  • 最短0.6m
  • 無限遠固定
  • フォーカス・露出メモリー
  • 中央重点測光
  • プログラムAE
  • +2EV補正
  • 1/4~1/300秒
  • 最長99秒長時間露光
  • 内蔵フラッシュ
  • 赤目軽減
  • 強制発光
  • 発光禁止
  • スローシンクロ
  • DX ISO50~3200
  • 自動フィルム装填
  • 自動巻き上げ
  • 自動巻き戻し
  • 途中巻き戻し
  • 10秒セルフタイマー
  • CR123A×1
  • 約245g

です。

そして中古で最も重要なのは、

「Leicaのレンズがきれいだから大丈夫」だけで選ばないことです。

Z2Xではレンズ以上に、

  1. 電源
  2. レンズ伸縮
  3. 自動レンズカバー
  4. 35-70mmズーム
  5. AF
  6. AF補助光
  7. 電子シャッター
  8. LCD
  9. 内蔵フラッシュ
  10. 自動装填
  11. フィルム送り
  12. 自動巻き戻し

まで確認する必要があります。

機械式Leicaとは、故障リスクの種類がまったく違います。

また、Minilux Zoomとの混同にも要注意です。

Z2Xは35-70mm F4-7.6。

Minilux Zoomは35-70mm F3.5-6.5です。

見た目も価格も「ライカ」。

しかし撮影するときにやることは実にシンプルです。

電源を押す。

レンズがニュッと出る。

WかTを押して構図を決める。

中央でピントを拾う。

シャッターを切る。

フィルムは勝手に次へ進む。

撮り終えれば巻き戻しまでカメラ任せ。

Leica Z2Xは、距離計や露出操作を楽しむ伝統的なライカとは対極にある、「フィルム撮影をできるだけ気軽に楽しむための1990年代型Leica」です。

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