
PETRI FTEは、35mmフィルムを使用するレンズ交換式の一眼レフカメラです。
クラシカルな金属製ボディーに、シャッター速度優先式の自動露出機構を搭載しているのが大きな特徴。対応するEEレンズを装着すれば、撮影者がシャッター速度を選び、カメラが適切な絞り値を決定します。
現在では知名度の高いカメラではありませんが、国産フィルムカメラの歴史や、独自マウントを持つ一眼レフに興味がある人には面白い一台です。
PETRI FTEとは
PETRI FTEは、ペトリカメラが製造した35mm判の一眼レフカメラです。
発売時期については、資料によって1969年または1973年と記載が分かれています。少なくとも1970年前後に販売されていたモデルであり、ペトリ独自のバヨネットマウントとTTL測光、自動露出機構を組み合わせています。
シャッター速度優先式のEEを搭載
PETRI FTEの最大の特徴は、「EE」と呼ばれる自動露出機構です。
対応レンズの絞りリングを赤色の「EE」に合わせ、撮影者がシャッター速度を選ぶと、内蔵露出計が撮影時の絞り値を自動的に決定します。
現在のカメラでいうシャッター速度優先AEに相当する機能です。露出計にはCdS受光素子が使われ、レンズを通った光を測定するTTL測光方式が採用されています。
開放測光に対応している
対応するEEレンズを装着した場合は、絞りを開いた明るい状態で測光とピント合わせができます。
シャッターを切る直前に、カメラが露出計の指示に応じてレンズを必要な絞り値まで絞り込み、撮影後は再び開放状態に戻します。
絞り込まれた暗いファインダーを見ながらピントを合わせる必要がなく、当時としては操作性に優れた仕組みでした。
PETRI FTEの主な特徴
マニュアル露出でも撮影できる
PETRI FTEは、EEによる自動露出だけでなく、絞りとシャッター速度を自分で設定するマニュアル撮影にも対応しています。
レンズ側の切り替えレバーを「M」に合わせることで、任意の絞り値を選択できます。逆光や雪景色など、カメラ任せでは狙った明るさになりにくい場面でも、露出を調整して撮影できます。
ファインダー内で絞り値を確認できる
ファインダー内には、露出計の針と絞り値の目盛りが表示されます。
設定したシャッター速度に対して必要となる絞り値を確認できるほか、適正露出の範囲を超えた場合には、露出オーバーまたは露出不足の警告が表示されます。
露出不足の場合はシャッター速度を遅くし、露出オーバーの場合は速くすることで調整します。
ペトリ独自のバヨネットマウントを採用
レンズマウントには、ペトリ独自のバヨネットマウントが採用されています。
PETRI FTE専用のEEレンズとして、28mm F3.5、35mm F2.8、135mm F3.8、200mm F4、85~210mm F4.5ズームなどが用意されていました。
通常のペトリマウントレンズも装着できますが、EE機構に対応していないレンズでは自動露出が機能しません。その場合は、絞り込み測光を利用したマニュアル撮影が基本となります。
PETRI FTEの基本スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| カメラ形式 | 35mm判一眼レフカメラ |
| 使用フィルム | 35mmフィルム |
| 画面サイズ | 24×36mm |
| レンズマウント | ペトリバヨネットマウント |
| 標準レンズ | Petri 55mm F1.7 |
| 標準レンズ構成 | 4群6枚 |
| 露出方式 | シャッター速度優先EE・マニュアル |
| 測光方式 | CdS素子によるTTL開放測光 |
| シャッター | 横走りフォーカルプレーンシャッター |
| シャッター速度 | B、1/2~1/500秒 |
| フィルム感度 | ASA25~800 |
| フィルム巻き上げ | レバー式・1回巻き上げ |
| セルフタイマー | あり |
| フラッシュ同調 | FP・X |
| サイズ | 約142×93×88mm |
| 重量 | 約910g |
重量と奥行きは55mm F1.7レンズを装着した状態と考えられます。PETRI FTEは小型軽量というより、金属製カメラらしい重量感を楽しむタイプの一眼レフです。
PETRI FTEの使い方
フィルム感度を設定する
フィルムを装填したら、使用するフィルムに合わせてASA感度を設定します。
対応範囲はASA25~800です。感度設定が間違っていると、自動露出が正常に作動していても写真の明るさがずれてしまいます。
シャッター速度を決める
被写体の動きや撮影時の明るさに合わせて、シャッター速度を選択します。
手持ち撮影では、極端に遅いシャッター速度を選ぶと手ぶれが起こりやすくなります。取扱説明書では、1/15秒より遅い速度では三脚の使用が推奨されています。
レンズをEEに設定する
対応するEEレンズでは、絞りリングを「EE」の位置に合わせます。
ファインダーをのぞいてピントを合わせ、露出計の針が警告範囲に入っていないことを確認してシャッターを切ります。
巻き上げレバーを操作すると、フィルム送り、シャッターチャージ、フィルムカウンターの更新、露出計の電源投入が同時に行われます。撮影後は露出計の回路が切れ、電池の消耗を抑える構造です。
中古のPETRI FTEを購入するときの注意点
露出計と自動絞りの動作
PETRI FTEの魅力を生かすには、露出計とEE機構が正常に動くことが重要です。
明るい場所と暗い場所にカメラを向け、ファインダー内の露出計の針が動くか確認しましょう。シャッター速度を変更したときに、表示される絞り値が変化するかもチェックします。
さらに、シャッターを切った瞬間にレンズの絞り羽根が動き、撮影後に開放状態へ戻るか確認したいところです。
使用電池に注意する
取扱説明書では、露出計用として1.3Vの水銀電池が指定されています。
指定されているRM675Rなどの水銀電池は、現在では一般的に販売されていません。電圧の異なる代替電池をそのまま使用すると、露出計の指示にずれが生じる可能性があります。
代替電池や変換アダプターを使用する場合は、電圧への対応状況を確認する必要があります。
電池室の腐食
長期間電池を入れたまま保管された個体では、電池の液漏れによって端子や配線が腐食していることがあります。
電池室の蓋を開け、白色や緑色の付着物、端子の錆、蓋の固着がないか確認しましょう。
シャッター幕と巻き上げ機構
PETRI FTEは、布幕式のフォーカルプレーンシャッターを使用しています。
シャッター幕に穴、強いしわ、たるみがないか確認します。低速から高速までシャッターを切り、幕が途中で止まったり、ミラーが上がったまま戻らなくなったりしないかも重要です。
巻き上げレバーが極端に重い個体は、無理に操作すると故障を悪化させる可能性があります。
交換レンズの入手性
ペトリ独自マウントは、M42マウントやニコンFマウントなどと比べると、対応レンズを探しにくい傾向があります。
特にシャッター速度優先EEを利用したい場合は、単に装着できるペトリレンズではなく、EE機構に対応したレンズかどうかを確認しましょう。
PETRI FTEはどんな人に向いている?
PETRI FTEは、次のような人に向いています。
- マイナーな国産一眼レフに興味がある人
- 金属製カメラの重量感を楽しみたい人
- シャッター速度優先式の自動露出を試したい人
- ペトリの交換レンズを所有している人
- カメラの機械構造や歴史を楽しみたい人
- 人とは違うフィルムカメラを使いたい人
反対に、交換レンズや修理部品の入手しやすさを重視する人には、ニコン、キヤノン、ペンタックスなどの普及機のほうが扱いやすいでしょう。
まとめ
PETRI FTEは、ペトリ独自のバヨネットマウントと、TTL開放測光によるシャッター速度優先EEを搭載した35mm一眼レフカメラです。
対応するEEレンズでは自動露出を利用でき、通常のレンズではマニュアル撮影も楽しめます。
中古で購入するときは、露出計、使用電池、自動絞り、シャッター幕、ミラー、巻き上げ機構の状態を確認することが重要です。
知名度やレンズの入手性では大手メーカーのカメラに及びませんが、独特な機構と希少性を楽しめる、ペトリらしい個性的な一台です。









