Olympus PEN EE-3

Olympus PEN EE-3は、オリンパス社が1965年に開発したフィルムカメラです。フィルムカメラというと、大きなカメラをイメージするかもしれませんが、Olympus PEN EE-3はコンパクトサイズなので、持ち運びに便利です。

Olympus PEN EE-3は、オリンパスが発売したハーフサイズのコンパクトフィルムカメラです。

PENシリーズの中でも特に知名度が高いモデルのひとつで、手軽に、簡単に、そして経済的に写真を楽しめる普及機として長く支持されました。

35mmフィルムを使いながら、通常の24×36mmではなく18×24mmのハーフサイズで撮影するため、36枚撮りフィルムなら約72枚撮影できます。
しかも露出は基本的に自動、電池不要、操作もシンプル。

つまりPEN EE-3は、

「誰でも簡単にたくさん撮れるカメラ」

として非常に完成度の高い機種です。

目次

Olympus PEN EE-3とは

Olympus PEN EE-3は、オリンパスPENシリーズのハーフサイズカメラです。

PENシリーズは1959年の初代Olympus PENから始まり、小型・軽量・低価格を武器に広く普及しました。
その中でEE系は、より気軽に撮れる“イージー”路線のモデルとして発展していきます。

EE-3はその流れの中にあるモデルで、EE、EE-2に続く改良型として知られています。

主な特徴は次のとおりです。

  • 35mmフィルム使用
  • 18×24mmのハーフサイズ撮影
  • D.Zuiko 28mm F3.5レンズ
  • セレン光電池による自動露出
  • 電池不要
  • ゾーンフォーカス
  • 赤ベロによる撮影不可警告
  • 36枚撮りで約72枚撮影可能

現在でも「フィルムカメラを気軽に始めたい人向け」として人気があり、オールドカメラ入門機として名前が挙がることも多い一台です。

ハーフサイズカメラとは何か

Olympus PEN EE-3最大の特徴は、

ハーフサイズ

であることです。

通常の35mmフィルムカメラは、1コマあたり24×36mmで撮影します。
一方、PEN EE-3は18×24mm。

つまり、1コマの面積は約半分です。

その代わり、同じフィルムで撮れる枚数が約2倍になります。

  • 24枚撮り → 約48枚
  • 36枚撮り → 約72枚

フィルム代、現像代が重みを持つ時代に、これはかなり大きなメリットでした。

72枚撮れるという強さ

いま改めて考えても、36枚撮りで72枚というのはかなり強いです。

旅行。

家族写真。

散歩。

スナップ。

イベント。

普通の35mmカメラだと、割とすぐに

「もう終わった」

となることがあります。

しかしPEN EE-3なら、その倍近く撮れる。
この気軽さが、PENシリーズの大きな魅力でした。

PEN EE-3は縦位置が基本

ハーフサイズPENで面白いのがここです。

普通の35mmカメラを横位置で構えると、できあがる写真も横位置になります。
ところがPEN EE-3では、通常の持ち方をすると縦位置写真になります。

つまり、

カメラを普通に構える
→ 写真は縦

横位置で撮りたい
→ カメラを90度回す

です。

このためPENで撮った写真を見ると、縦構図が多くなりやすい。
現代のスマホ写真感覚にちょっと近い部分もあります。

D.Zuiko 28mm F3.5レンズ

PEN EE-3のレンズは、

D.Zuiko 28mm F3.5

です。

ハーフサイズ18×24mmに対する28mmレンズなので、フルサイズ換算ではだいたい40mm前後の感覚に近い、かなり使いやすい画角です。

広すぎない。
狭すぎない。

日常スナップ、家族写真、旅先の記録などにちょうどいい。

PEN EE-3が長く親しまれたのは、このレンズの画角の扱いやすさも大きいでしょう。

Zuikoレンズらしい素直さ

PEN EE-3は高級機ではありません。

レンジファインダーでもない。
交換レンズ式でもない。
高性能一眼レフでもない。

しかしZuikoレンズらしい素直な写りは、今見ても十分魅力があります。

条件が良いとしっかりシャープ。
発色も自然。
ハーフサイズらしい少し軽やかな描写と相まって、日常記録にちょうどいい味があります。

露出は基本的に自動

EE-3の“EE”は、いわゆるEasy / Electric Eye系の流れを感じさせるモデル名です。

このカメラでは基本的に、

露出は自動。

撮影者がシャッター速度と絞りを細かく決めるカメラではありません。

明るさをカメラが判断して、自動で適正露出へ近づけてくれます。
この「誰でも撮れる」感がEE-3最大の魅力です。

セレン光電池なので電池不要

そして重要なのがここ。

電池不要。

PEN EE-3の露出計はセレン光電池式です。
ボディ前面の受光部で光を受け、その力で露出制御を行います。

つまり、

  • 電池を探さなくていい
  • 水銀電池問題がない
  • 電池切れで撮れない、がない

古いカメラを今使ううえで、かなりありがたい構造です。

セレン式の注意点

ただし、セレン光電池には弱点もあります。

それは、

経年劣化。

長年の使用や保管状態によって、セレンの感度が落ちることがあります。
すると露出の精度が狂ったり、暗い場面でうまく反応しなくなったりします。

そのため中古のPEN EE-3では、

セレンが元気かどうか

が非常に重要です。

赤ベロが有名

PEN EE-3を語るなら外せないのが、

赤ベロ。

です🤣

これは俗称ですが、露出不足などで正常に撮影できないとき、ファインダー内またはシャッターボタン操作時に赤い警告が出て、シャッターが切れない仕組みです。

暗い。
レンズキャップが付いている。
フィルム感度設定が合っていない。
露出計が反応していない。

そういうときに、

「ダメです」

と教えてくれる。

今でいう撮影エラー表示のようなものですが、機械的で分かりやすく、PEN EE-3の象徴的な機能になっています。

赤ベロ=撮影拒否システム

この赤ベロは単なる表示ではなく、

撮影できません

という拒否の意味合いが強いです。

つまり、無理に露出不足のまま撮らせない。
これにより、初心者が失敗写真を量産しにくいよう配慮されています。

これは普及機としてかなり優秀な設計思想です。

フラッシュ時はマニュアル寄りになる

通常撮影は自動露出ですが、フラッシュ撮影では少し使い方が変わります。

フラッシュ使用時には、距離やガイドナンバーに応じて設定する使い方になります。
つまり完全フルオートではなく、簡易的に人間側の設定が必要になります。

とはいえ、日中スナップ中心なら通常の自動露出だけでかなり楽しめます。

ゾーンフォーカス採用

PEN EE-3はオートフォーカスカメラではありません。
またレンジファインダーのように二重像を合わせるタイプでもありません。

採用しているのは、

ゾーンフォーカス。

レンズ周囲のマークを見て、

  • 人物アップ
  • 数人
  • 風景

など、距離の目安に応じて合わせます。

かなり大ざっぱに見えるかもしれませんが、日中に絞りが絞られている状態なら被写界深度が深く、意外と実用的です。

誰でも使いやすいピント合わせ

このゾーンフォーカスは、慣れるとかなり気楽です。

「だいたいこのくらいかな」

で合わせられる。

厳密なピント合わせより、
とにかくすぐ撮る
ことを優先した設計です。

PEN EE-3はスナップカメラなので、この割り切りはむしろ正解です。

シャッター優先でもマニュアルでもない

いまのカメラに慣れていると、

  • Pモード
  • Aモード
  • Sモード
  • Mモード

みたいな発想があります。

しかしPEN EE-3はそういうカメラではありません。

もっとシンプルです。

構える。
距離をざっくり合わせる。
撮る。

この潔さが魅力です。

小型軽量で持ち歩きやすい

PENシリーズ全般に言えることですが、EE-3も非常にコンパクトです。

一眼レフほど大きくない。
中判ほど重くない。
デジカメのように気軽に持ち歩ける。

このサイズ感とハーフサイズの組み合わせが本当にいい。
日常に持ち出しやすいからこそ、よく撮れるカメラになっています。

“高級機”ではないことが逆にいい

PEN EE-3は、Leica M型のような高級レンジファインダーではありません。
Canon F-1やNikon F2のようなプロ機でもありません。

しかし、

  • 軽い
  • 簡単
  • 電池不要
  • たくさん撮れる

という、日常で強い要素をしっかり持っています。

カメラって結局、持ち出して撮ってなんぼなので、PEN EE-3のこういう気楽さは大きな価値があります。

PEN EE-2との違い

EE-3はEE-2の後継にあたるモデルとして語られることが多いです。

外観はかなり似ていますが、細かな改良が施されています。
特にフラッシュ関係や使い勝手の部分で整理されており、普及機としての完成度がさらに高まったモデルといえます。

中古市場ではEE-2とEE-3が混同されることもあるので、型番確認は大事です。

PEN DやPEN Fとは別系統

PENシリーズにはいろいろあります。

  • PEN
  • PEN S
  • PEN D
  • PEN EE
  • PEN F
  • PEN FT

など。

この中でEE-3は、

「誰でも簡単に撮れる普及型ハーフカメラ」

という位置づけです。

PEN Fのようなハーフサイズ一眼レフとはまったく性格が違います。
同じPENでも、かなり別物です。

PEN Fとの違い

PEN F系は交換レンズ式のハーフ一眼レフで、かなり本格派。
対してPEN EE-3は固定レンズ・自動露出・ゾーンフォーカスの超気軽路線。

つまり、

PEN F
→ 撮影を楽しむ本格派

PEN EE-3
→ 日常を気軽に残す普及派

と考えると分かりやすいです。

現代で使う魅力

現在PEN EE-3を使う魅力は何か。

それはやはり、

“フィルムを気軽に楽しめること”

です。

いまフィルムは高い。
現像代も安くない。
そこで36枚撮りで72枚撮れるのは本当にありがたい。

しかも電池不要で壊れにくい。
操作も簡単。
フィルム入門機として非常に優秀です。

フィルム初心者にも向いている

古いフィルムカメラというと、

難しそう。
露出が分からない。
ピントが難しい。
壊れそう。

というイメージを持つ人もいます。

でもPEN EE-3は比較的ハードルが低い。

  • 露出は基本オート
  • 距離合わせはざっくり
  • 電池不要
  • 赤ベロで失敗を防ぐ
  • フィルム枚数が多い

これは初心者に強いです。

ただし万能ではない

もちろん、PEN EE-3にも限界はあります。

  • 暗い場所に弱い
  • 高速な被写体には不向き
  • 厳密なピント合わせは苦手
  • ハーフサイズなので粒状感は出やすい
  • 引き伸ばし耐性ではフルサイズ35mmより不利

つまり、なんでも完璧に撮れるカメラではありません。

でも、それを補って余りある気楽さがあります。

ハーフサイズの画質について

ハーフサイズは1コマが小さいぶん、同じフィルムなら通常の35mmフルサイズよりも粒状感や解像感では不利です。

しかし、そこが必ずしも欠点とは限りません。

むしろ、

  • 軽やかな写り
  • 少しざらついた雰囲気
  • 日常記録っぽさ

が魅力として受け止められることも多いです。

とくにSNSやL判、2L判程度で楽しむなら十分です。

スナップとの相性が良い

PEN EE-3は、じっくり三脚を立てて作品撮りをするタイプではありません。

向いているのは、

  • 街歩き
  • 家族写真
  • 旅行記録
  • ちょっとした日常
  • 散歩スナップ

です。

サッと構えて、パッと撮る。
そのテンポの良さが魅力です。

今のスマホ時代と意外に相性がいい思想

PEN EE-3を見ていると、ちょっと面白いことに気づきます。

  • 縦位置が自然
  • 気軽にたくさん撮れる
  • 難しい設定を減らしている
  • 日常記録向き

これ、どこかスマホ的でもあるんだよな。

もちろん画質も操作も全然違う。
でも思想としては、

「難しいことはカメラ側が受け持って、ユーザーは撮ることに集中する」

という点で通じるものがあります。

中古で確認したいポイント

Olympus PEN EE-3を中古で買うなら、確認したいのは次のあたりです。

  • セレン露出計が生きているか
  • 赤ベロが正常に出るか
  • シャッターが切れるか
  • シャッター羽根・絞り羽根の動作
  • レンズのカビ、クモリ、傷
  • ゾーンフォーカスリングが正常に動くか
  • フィルム巻き上げ
  • 巻き戻し
  • 裏蓋の開閉
  • モルトや内部の状態
  • ファインダーのクモリ

特に重要なのは、

露出計と赤ベロ。

ここが死んでいると、EE-3の便利さが大きく損なわれます。

レンズのカビ・クモリ

PEN EE-3は古いカメラなので、レンズ内にカビやクモリが出ている個体もあります。

多少のチリはそこまで問題にならないことも多いですが、

  • 強いクモリ
  • 目立つカビ
  • バルサム劣化っぽい症状

があると写りに影響します。

とくに逆光ではコントラスト低下が出やすいです。

ファインダーの見え方

PEN EE-3はレンジファインダーではないので、ファインダーの汚れが直接ピント精度へ影響するわけではありません。

ただし、ファインダーが曇っていると気分が悪いし、構図確認もしにくい。

古いEE-3ではファインダーのクモリは割とありがちなので、確認したいポイントです。

フィルム送りと巻き上げ

ハーフサイズなので、フィルム送り機構も重要です。

正常なら、巻き上げレバー操作でテンポよく次コマへ進みます。
ここが重すぎたり、空回りしたりする個体は注意。

せっかく72枚撮れても、途中で送れなければ意味がありません。


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電池不要=完全無敵ではない

よく「電池不要だから安心」と言われますが、それは確かに大きな魅力です。

ただし、電池不要でも、

  • セレン劣化
  • シャッター不良
  • 羽根の固着
  • レンズ曇り
  • 巻き上げ不良

といった古い機械としての問題は普通にあります。

なので中古選びでは、やはり個体差が重要です。

実用品としての強さ

それでもPEN EE-3は、いまなお実用品としてかなり強いです。

理由は明快で、

使い方がシンプルだから。

複雑な電子回路が少ない。
特殊電池もいらない。
操作系も単純。

整備された個体なら、今でも気軽に連れ出せるフィルムカメラとして非常に優秀です。

デザイン面の魅力

PEN EE-3は見た目もいい。

オリンパスらしい、コンパクトで親しみやすいデザイン。
派手ではないが、妙にかわいげがある。
そして前面のセレン受光部が、いかにも“昔のカメラ”っぽくて味がある。

クラシックカメラ然としすぎていないので、女性人気や若い層の人気があるのも分かります。

どんな人に向いているか

PEN EE-3はこんな人に向いています。

  • フィルムカメラを初めて触る人
  • 難しい設定なしで楽しみたい人
  • ハーフサイズを試したい人
  • たくさん撮りたい人
  • 電池不要のカメラが好きな人
  • 散歩や旅行用の軽いフィルム機が欲しい人

逆に、

  • 厳密な露出制御をしたい
  • 望遠や広角を使い分けたい
  • ボケ表現を積極的に作り込みたい
  • 暗所に強いカメラが欲しい

という人には、別のカメラのほうが向いているでしょう。

まとめ

Olympus PEN EE-3は、オリンパスPENシリーズを代表するハーフサイズコンパクトカメラです。

35mmフィルムを使いながら18×24mmのハーフサイズで撮影し、36枚撮りなら約72枚撮れる。
これだけでも大きな魅力ですが、さらに

  • D.Zuiko 28mm F3.5
  • セレン光電池式自動露出
  • 電池不要
  • ゾーンフォーカス
  • 赤ベロによる撮影不可警告

といった、普及機として非常に優れた要素を備えています。

高級機ではありません。
万能機でもありません。

しかし、

簡単に、気軽に、たくさん撮れる。

これがPEN EE-3最大の価値です。

現在でもフィルム入門機として非常に人気があり、実際に使ってみるとその理由がよく分かります。

  • フィルム代を節約しやすい
  • 電池を気にしなくていい
  • 見た目もかわいい
  • 難しいことを考えず撮れる

Olympus PEN EE-3は、写真を“作品づくり”として構えすぎず、もっと日常の中へ引き戻してくれるカメラです。

「とにかく気軽にフィルムを楽しみたい」

そんな人にとって、今でも非常に魅力的な一台といえるでしょう。

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