リコー オートハーフ

リコー オートハーフ

リコーから発売されたオートハーフは、ハーフサイズカメラです。前面のパネルのデザインが複数存在し、カラフルなバリエーションの中から自分の好きなデザイン・色のカメラを選ぶことができました。見た目的にもサイズ的にも、現在でも通用しそうなフィルムカメラです。
SLというモデルは大口径レンズがついたカメラですが、レンズが飛び出しているため、多少デザイン性、携帯性に劣る部分はありますが、ボタン電池を入れるタイプでF1.7のレンズということでカメラの機能としては申し分ありません。

目次

リコー オートハーフの一例

リコー オートハーフは、35mmフィルムを通常の約半分のサイズで使用する「ハーフサイズカメラ」です。

小さなボディに自動露出とゼンマイ式の自動巻き上げ機構を備え、複雑な操作をしなくても撮影できるカメラとして人気を集めました。

独特な前面デザインも大きな特徴です。一般的なカメラとはひと味違う、レトロで個性的な外観に魅力を感じる人も多いでしょう。

この記事では、リコー オートハーフの特徴や基本スペック、シリーズの種類、中古で購入するときの注意点を紹介します。

リコー オートハーフは1962年発売のハーフサイズカメラ

初代リコー オートハーフは、1962年11月に発売されました。

リコーは、小型化しやすいハーフサイズを採用し、フィルム巻き上げをスプリングの力で自動化。カメラの大きさは、当時のタバコの箱を目標に設計されたとされています。

発売前には、その大胆なデザインから「ものすごく売れるか、まったく売れないか」と社内で議論されたそうです。しかし、実際には大ヒット商品となり、約20年間にわたってシリーズが展開されました。リコーの公式資料では、50万台以上の販売実績が記録されています。

ハーフサイズなので約2倍の枚数を撮影できる

リコー オートハーフの画面サイズは24×17mmです。

一般的な35mmフルサイズカメラが1コマにつき約36×24mmを使用するのに対し、ハーフサイズカメラはフィルムを約半分ずつ使います。

そのため、36枚撮りの35mmフィルムを入れると、おおむね72枚前後を撮影できます。リコーの公式資料にも、当時の35枚撮りフィルムで72枚撮影できたという記録が残っています。

フィルム交換の回数を抑えながら、たくさん撮影できるのがハーフサイズカメラの魅力です。

一方で、1コマあたりの面積が小さいため、同じフィルムを使用した場合、通常の35mm判よりも粒状感が目立ちやすくなります。高精細さを追求するというより、フィルムらしい雰囲気を楽しむカメラと考えるとよいでしょう。

ゼンマイ式の自動巻き上げを採用

リコー オートハーフを象徴する機能が、ゼンマイを利用した自動巻き上げです。

あらかじめスプリングモーターのゼンマイを巻いておくことで、シャッターを切った後にフィルムが次のコマへ送られます。

通常のフィルムカメラのように、撮影するたびに巻き上げレバーを操作する必要がありません。

現在のカメラから見れば素朴な仕組みですが、1960年代のコンパクトカメラとしては非常に意欲的な自動化機構でした。

固定焦点と自動露出で操作が簡単

初代リコー オートハーフには、25mm F2.8のレンズが搭載されています。

ピントは2.5mに固定されており、基本的にピントリングを操作する必要はありません。露出にはセレン式露出計を使用した自動露出機構が採用されています。

ただし、固定焦点は現在のオートフォーカスとは異なります。

カメラが被写体を検出してピントを合わせるのではなく、一定の距離にピントを固定し、被写界深度を利用して広い範囲を写す仕組みです。

近すぎる被写体はピントが合いにくいため、人物や物を撮影するときは、ある程度の距離を取る必要があります。

初代リコー オートハーフの基本スペック

以下は、1962年に発売された初代モデルの主な仕様です。

項目仕様
発売年月1962年11月
使用フィルム35mmフィルム・135フィルム
画面サイズ24×17mm
レンズリコー25mm F2.8
レンズ構成3群4枚
ピント2.5m固定焦点
シャッター速度AE時1/125秒・フラッシュ時1/30秒
露出計セレンメーター
露出針押さえ式AE
サイズ幅90×高さ71.5×奥行31mm
重量270g

上記は初代モデルの仕様です。オートハーフS、E、SE、EFなどでは、サイズや重量、セルフタイマー、フラッシュの有無などが異なります。

リコー オートハーフには複数の種類がある

オートハーフは長期間販売されたため、さまざまな派生モデルが存在します。

代表的なモデルには、次のようなものがあります。

リコー オートハーフS

1965年3月発売。

初代モデルの着脱式裏蓋などを見直し、扱いやすさとボディの頑丈さを向上させたモデルです。セルフタイマーも追加されました。

リコー オートハーフE

1966年11月発売。

初代オートハーフをより丈夫にした安定型のモデルです。前面のアルマイト板を変更することで、さまざまなデザインを展開できました。

イベント向けの特注品も存在し、現在でも多彩な前面デザインが確認されています。

リコー オートハーフSE

1967年9月発売。

セルフタイマーを備え、フィルム装填後に自動で1コマ目まで送る機構が採用されました。カメラ上部にある「SE」の表記が見分けるポイントです。

リコー オートハーフE2・SE2

1976年11月発売。

E2はセルフタイマーなし、SE2はセルフタイマー付きです。カメラ上部にアクセサリーシューが設けられています。

リコー オートハーフEF・EF2

オートハーフEFは1978年、EF2は1979年に発売されました。

シリーズ後期のフラッシュ内蔵モデルで、初期型よりも横幅のあるボディが特徴です。EF2ではフラッシュがポップアップ式に変更されています。

中古のリコー オートハーフを購入するときの注意点

リコー オートハーフは、古い個体では発売から60年以上が経過しています。

外観がきれいでも、内部機構が正常に動くとは限りません。中古で購入するときは、次の部分を確認しましょう。

ゼンマイと巻き上げ機構

ゼンマイを巻いた後、シャッターを切るたびにフィルム送り機構が動くか確認します。

ゼンマイが巻けない、途中で止まる、シャッターを切っても巻き上がらない個体は、内部機構に不具合がある可能性があります。

無理にゼンマイを回すと故障を悪化させることがあるため、動きが重い場合は力を加えすぎないようにしましょう。

セレン露出計

オートハーフの自動露出には、前面にあるセレン受光部が使用されています。

セレン露出計は電池を必要としない反面、経年劣化によって反応が弱くなったり、動作しなくなったりしている場合があります。

明るい場所と暗い場所で、カメラの反応に変化があるかを確認したいところです。

シャッター

シャッターが切れるかだけでなく、羽根が開閉しているかも確認します。

長期間使用されていない個体では、油分や汚れによってシャッター羽根の動作が不安定になっている場合があります。

レンズとファインダー

レンズ内部のカビ、クモリ、強い傷もチェックします。

ファインダーの汚れは撮影画像に直接写りませんが、クモリが強いと構図を決めにくくなります。

モデル名の確認

オートハーフには多数のモデルと外装違いがあります。

購入前に本体上部などの表記を確認し、初代、S、E、SE、E2、SE2、EF、EF2のどれに該当するかを確認しましょう。

モデルが違えば、セルフタイマーやアクセサリーシュー、内蔵フラッシュの有無も変わります。




リコー オートハーフはどんな人に向いている?

リコー オートハーフは、次のような人に向いています。

  • レトロなデザインのカメラが好きな人
  • ハーフサイズカメラを使ってみたい人
  • 1本のフィルムでたくさん撮影したい人
  • 複雑な露出操作を避けたい人
  • ゼンマイ式の機械的な動きを楽しみたい人
  • 個性的なフィルムカメラを集めたい人

反対に、ピントや露出を細かく調整して撮影したい人には、操作できる項目が少なく感じられるでしょう。

まとめ

リコー オートハーフは、ハーフサイズ、自動露出、固定焦点、ゼンマイ式自動巻き上げを組み合わせた個性的なフィルムカメラです。

1962年に登場した初代から、S、E、SE、E2、SE2、EF、EF2などへ展開され、長期間にわたって販売されました。

現在の中古市場では、外装デザインだけでなく、ゼンマイ、フィルム送り、シャッター、セレン露出計の状態が重要です。

正常に動作する個体を見つけられれば、ハーフサイズならではの撮影枚数と、独特な機械式カメラの操作感を楽しめるでしょう。

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