YASHICA ELECTRO 35 GTとは?黒いエレクトロ35の特徴と中古購入時の注意点を徹底解説
YASHICA ELECTRO 35 GTは、ヤシカが1960年代末から1970年代初頭に展開した35mmレンズ固定式レンジファインダーカメラです。
最大の特徴は、
ブラックボディ。
COLOR-YASHINON DX 45mm F1.7。
絞り優先式の電子制御自動露出。
そして、
赤色OVER・黄色SLOWの露出警告ランプ
です。
後期GT用の純正取扱説明書では、主要仕様として、
- COLOR-YASHINON DX 45mm F1.7
- 4群6枚
- 最小絞りF16
- 電子制御シャッター
- 約30秒~1/500秒の無段階制御
- B
- Xシンクロ
- 連動距離計
- 最短撮影距離0.8m
- 自動パララックス補正
- CdS測光
- 絞り優先自動露出
- ASA25~1000
- 水銀電池E164系
が確認できます。
現在中古で使ううえでは、単にレンズのカビやシャッターだけを見るのでは足りません。
Electro 35シリーズでは、
電子シャッター。
電池。
CdS露出計。
距離計。
そして有名な、
「Pad of Death」
と呼ばれる内部ゴム部品の劣化まで確認する必要があります。
この記事ではYASHICA ELECTRO 35 GTの特徴、45mm F1.7レンズ、電子シャッター、絞り優先AE、初期型と後期型の違い、GS・GTNとの違い、電池問題、そして中古購入時の注意点まで詳しく解説します。
YASHICA ELECTRO 35 GTとは
YASHICA ELECTRO 35シリーズは1960年代後半に登場した、電子制御シャッターを特徴とするレンジファインダーカメラです。
GTはその中でもブラック仕上げを採用したモデルです。
資料によって登場時期の表記には多少差がありますが、初期GTを1969年、ASA25~1000へ拡張された後期型を1970年頃からと整理する資料があり、ヴィンテージYashicaのモデル年表ではGTを1970年9月として掲載しています。
したがって中古市場のGTには、
初期型。
後期Gold Mecanica系。
が混在していると考えた方が安全です。
GTは「黒いElectro 35」
GT最大の外観上の特徴はブラックボディです。
クローム仕上げの兄弟機に対し、GTは黒仕上げ。
同時代の資料ではGTをGS系のブラックモデルとして扱っています。
ただし、
黒だからシャッターが高速。
黒だからプロ専用。
という意味ではありません。
基本的なカメラシステムはクロームモデルと共通しています。
現在ではブラック塗装の剥げや角部の摩耗も含めて、GT特有のクラシックな雰囲気を楽しめます。
COLOR-YASHINON DX 45mm F1.7
GT最大の魅力のひとつが固定レンズです。
後期純正説明書では、
COLOR-YASHINON DX 45mm F1.7
を搭載。
光学構成は、
4群6枚。
最小絞りはF16です。
45mmという絶妙な焦点距離
50mm標準レンズより少し広い45mm。
35mmほど広角でもありません。
そのため、
- 街歩き
- 旅行
- 家族写真
- 人物
- 日常スナップ
- 室内
まで幅広く使えます。
「50mmでは少し狭い。でも35mmほど広くなくていい」
という撮影には非常に扱いやすい画角です。
開放F1.7
開放F値はF1.7。
1970年前後の固定レンズレンジファインダーとしてかなり明るいレンズです。
暗い室内。
夕方。
日陰。
夜の街。
といった場面でも、ISO400などのフィルムを組み合わせれば撮影の幅が広がります。
さらに45mm F1.7なので、近距離・開放では背景をぼかした撮影も楽しめます。
4群6枚
純正説明書に明記されている光学構成は4群6枚。
いわゆる大口径標準レンズらしい構成です。
ただし中古では設計そのものより、
- カビ
- 曇り
- 清掃傷
- コーティング状態
の方が実写へ大きく影響します。
50年以上経過した個体ではコンディション優先で選びましょう。
最短撮影距離0.8m
純正仕様では最短撮影距離は、
0.8m。
約80cmです。
現代の45~50mmレンズなら40~50cmまで寄れるものも多いため、それと比べれば遠めです。
しかし人物や通常スナップでは十分実用的です。
0.8mでは自動パララックス補正も働く
GTはブライトフレーム式レンジファインダーです。
撮影レンズとファインダーの位置が異なるため、近距離では「見えている範囲」と「実際に写る範囲」がずれます。
純正説明書では、ピント位置に応じてブライトフレームが補正される自動パララックス補正を搭載するとしています。
近距離での構図決定を助けてくれる機能です。
二重像合致式レンジファインダー
ピントはマニュアルです。
ファインダー中央の小さな菱形部分へ被写体を合わせます。
ピントが外れていると像が二重に見えます。
フォーカスリングを回し、
二つの像が完全に重なれば合焦。
純正説明書にもこの操作方法が図入りで示されています。
AFではありません。
「Electro」という名前だからといって、ピントまで電子制御ではありません。
最大の特徴は絞り優先AE
YASHICA ELECTRO 35 GTは、シャッター速度を自由に直接選択するカメラではありません。
基本となる撮影方式は、
絞り優先自動露出。
撮影者がF値を決めます。
カメラがCdS露出計で被写体の明るさを測定。
必要なシャッター速度を電子回路が決定します。
純正説明書は、この電子制御システムを「Electronic Brain」と表現し、設定した絞りに対してシャッター速度を自動的に決定すると説明しています。
例えばF1.7を選ぶ
暗い室内。
F1.7。
カメラが必要なシャッター速度を決定します。
晴天ならF8
日中。
F8。
カメラが高速側のシャッター速度を選びます。
つまり撮影者は、
「どれくらい背景をぼかすか」
「どれくらい被写界深度を取るか」
をF値で決めればよいわけです。
シャッターは約30秒~1/500秒を無段階制御
これはElectro 35シリーズ最大の面白さです。
純正説明書では電子シャッターが、
約30秒~1/500秒
まで連続的に制御されるとされています。
しかも通常の機械式シャッターのような、
1/30。
1/60。
1/125。
という固定段だけではありません。
例えば説明書では、
1/187秒
や、
16.2秒
といった中間速度も必要に応じて設定できると説明しています。
1970年前後のフィルムカメラとして、かなり面白い仕組みです。
「シャッター速度ダイヤルがない!」は正常
初めてElectro 35を見ると、
「1/125とか1/250はどこで設定するの?」
となります。
基本的には設定しません。
AUTO位置ではカメラが決めます。
だからElectro 35は、
マニュアル露出カメラではなく絞り優先電子AEカメラ
なのです。
30秒もの長時間露光を自動で行う
暗い場所では電子シャッターが長時間露光します。
純正説明書上の自動範囲は約30秒まで。
三脚を使用すれば、
夜景。
夕暮れ。
薄暗い室内。
などをAEのまま撮影できます。
これはElectro 35シリーズの大きな魅力です。
黄色SLOW警告
シャッターボタンを半押しすると測光が始まります。
露出条件によって、ファインダー内とボディ上面に警告が表示されます。
黄色の矢印は、
シャッター速度が遅くなり、手ブレの危険がある
ことを意味します。
純正説明書でも、黄色が点灯した場合にはカメラをしっかり保持するか、三脚など安定した支持を使うよう案内しています。
つまり黄色ランプは、
露出不足警告ではありません。
「撮影できるけれど、シャッターが遅いぞ」
という警告です。
黄色が点いたらどうする?
F8ならF4。
F4ならF2。
F2ならF1.7。
と絞りを開ける。
それでも点灯するなら三脚。
あるいは高感度フィルムを使用する。
という対応になります。
赤色OVER警告
赤色矢印は、
露出オーバー
を意味します。
現在選択している絞りでは明るすぎて、最高1/500秒でも適正露出にできない状態です。
純正説明書では、
絞りを小さくする。
必要ならNDフィルターを使用する。
よう案内しています。
赤も黄も点灯しなければ撮影
純正説明書は非常にシンプルです。
半押し。
赤なし。
黄なし。
Focus and shoot!
という考え方です。
Electro 35が人気を得た理由がよく分かります。
CdS露出計
被写体の明るさはCdS受光素子で測定します。
レンズ上部付近に受光窓があります。
したがってTTL測光ではありません。
撮影レンズを通った光を直接測っているわけではありません。
フィルター使用時などには補正が必要です。
純正説明書も、NDフィルターなどを使う場合にはフィルム感度ダイヤルを変更してフィルター係数を補正する方法を説明しています。
後期GTはASA25~1000
今回確認したGT Gold Mecanica純正説明書では、
ASA25~1000
です。
ISO100。
200。
400。
800。
など現在使いやすいフィルムも設定できます。
ただしGTには世代差があります。
初期GTはASA12~500の個体もある
モデル研究資料では、
初期GT:約ASA12~500。
後期GT:約ASA25~1000。
と整理されています。
したがって中古商品説明で、
「GTなのにASA500までしかない!」
となっても、即座に部品違いとは判断できません。
実物のASAダイヤルを確認しましょう。
Gold Mecanicaとは
後期Electro 35では電気系の接点に金メッキが採用されました。
GT Gold Mecanica純正説明書にも、
電子部品の電気接点を金仕上げとして導通性を高めた
ことが明記されています。
この特徴から「Gold Mecanica」と呼ばれます。
電子制御カメラでは接点の酸化・接触不良がトラブルにつながるため、耐久性を意識した改良です。
オリジナル電池は5.6V水銀電池
ここは現代使用最大の問題です。
純正説明書の指定電池は、
- Mallory TR164
- Eveready E164
- 同等品
です。
これは当時の水銀電池。
現在は同じ電池を普通に購入できません。
電池なしでは電子シャッターが正常に動かない
純正説明書は明確です。
電池を正しく装填しなければ、
電子シャッターは正常に作動しません。
つまりElectro 35 GTは、
「露出計だけ電池でシャッターは機械式」
というカメラではありません。
電子制御AEを使うなら電池は必須です。
現代では6V系電池+アダプターがよく使われる
現在では4LR44やPX28Aなどの6V電池を、物理的な長さを合わせるアダプターと組み合わせる方法が一般的です。
修理・Electro 35研究資料でも6Vアルカリ電池とアダプターを使う代替方法が紹介されています。
ただし、
電池が入った。ランプが点いた。だから露出も完璧。
とは限りません。
50年以上経過した、
- CdS
- 電子回路
- 接点
- 抵抗
- 機械連動
の状態も関係します。
実際の露出精度は外部露出計やフィルム実写で確認しましょう。
バッテリーチェック
背面にはバッテリーチェックボタンがあります。
純正説明書ではボタンを押し、
露出カウンター部の緑ランプが点灯すれば電池容量は十分
としています。
中古購入では必ず確認したい機能です。
ただし、
緑が点灯=AE精度正常
ではありません。
あくまで電池チェックです。
シャッターをチャージしたまま放置しない
面白い注意点があります。
純正説明書ではフィルムを巻き上げると露出制御回路がONになるため、
シャッターをチャージしたまま長時間放置すると電池を消耗する
と注意しています。
撮影後、長期間使わないならシャッターをチャージしたまま保管しない方がよいでしょう。
シャッターロックも電池消耗防止になる
シャッターボタン周囲にはロックレバーがあります。
純正説明書ではロックすることで、
- 誤作動防止
- 電池消耗防止
になると説明されています。
現在中古で使用する際にも覚えておきたい操作です。
Bも搭載
AUTO以外にBがあります。
Bではシャッターボタンを押している間シャッターが開き続けます。
純正説明書でも三脚とケーブルレリーズを利用した長時間露光を推奨しています。
通常AEで約30秒まで対応するため、Bはさらに長い露光を行いたい場合に使います。
フラッシュは1/30秒
フラッシュ位置へ設定すると、
シャッター速度は自動的に1/30秒
になります。
あとは被写体距離とフラッシュのガイドナンバーから絞り値を計算して設定します。
現代のTTLフラッシュとはまったく違います。
GTは基本的にホットシューではない
上面にはアクセサリーシューがあります。
しかしGTの世代では、一般にフラッシュ発光用の電気接点を備えないコールドシューです。
1973年に登場したGTN/GSNでホットシューが追加されたことが、Electro 35シリーズ資料で確認されています。
したがってGTでフラッシュを使う場合は、PCシンクロ端子との接続を確認します。
セルフタイマーは約7~8秒
純正説明書ではセルフタイマー作動時間を、
約7~8秒
としています。
ただし現在は50年以上経過しています。
未整備個体でセルフタイマーレバーが固い場合は、無理に作動させない方が安全です。
55mmフィルター
純正説明書では、
55mmねじ込み式フィルター
が案内されています。
現在でも非常に入手しやすいサイズです。
保護。
ND。
モノクロ用カラーフィルター。
などを利用できます。
ただしGTはTTL測光ではないため、濃いフィルターでは露出補正が必要です。
Auto-Up Lensという純正近接アクセサリー
通常の最短撮影距離は0.8mです。
しかし純正アクセサリーとしてAuto-Up Lensが存在しました。
純正説明書ではElectro 35 GS/GT用Auto-Up Lensを使うことで、
約80cm~45cm
の範囲を撮影できるとしています。
レンジファインダーの近接撮影を補助する面白いアクセサリーです。
GTとGSの違い
基本的にはボディ仕上げが大きな違いです。
GT=ブラック。
GS=クローム。
同世代のGS/GTは45mm F1.7、電子シャッター、ASA25~1000など基本システムを共有します。
したがって実用品としてなら、
状態のよい方。
外観重視なら、
ブラックが好きならGT。
クロームが好きならGS。
という選択になります。
GTとGTNの違い
非常に重要です。
GTNは1973年に登場した後継モデルです。
最大の分かりやすい変更が、
ホットシュー追加。
基本レンズは引き続き45mm F1.7。
電子AEの考え方も共通しています。
中古検索では、
GT。
GTN。
たった一文字違い。
でも別モデルです。
YASHICA ELECTRO 35 GTの主な仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形式 | 35mmレンズ固定式レンジファインダー |
| 時代 | 1969~1970年代初頭 |
| ボディ | ブラック |
| フィルム | 135・35mm |
| 画面 | 24×36mm |
| レンズ | COLOR-YASHINON DX 45mm F1.7 |
| 光学構成 | 4群6枚 |
| 最小絞り | F16 |
| フォーカス | 二重像合致式MF |
| 最短撮影距離 | 0.8m |
| パララックス補正 | 自動 |
| 測光 | CdS |
| 露出 | 絞り優先AE |
| シャッター | 電子制御 |
| AUTO速度 | 約30秒~1/500秒・無段階 |
| B | あり |
| 警告 | 黄SLOW・赤OVER |
| ASA | 後期GT 25~1000 |
| 初期GT | 12~500の資料あり |
| フラッシュ | Xシンクロ |
| フラッシュ時 | 1/30秒 |
| セルフタイマー | 約7~8秒 |
| フィルター | 55mm |
| 電源 | E164/TR164系5.6V水銀電池 |
| 現代の電池 | 6V系+適切なアダプターが一般的 |
後期GTの主要仕様は純正取扱説明書によります。
中古購入時に確認したいポイント
Electro 35 GTは、
レンズがきれいだから買い!
では危険です。
電子シャッターのカメラなので、動作確認をかなり細かく行いましょう。
まずGTかGTNか
正確なモデル名を確認します。
GT。
GTN。
名前が非常に似ています。
GTNならホットシュー世代。
GTならそれ以前です。
ASAダイヤルを見る
GTでも、
ASA12~500。
ASA25~1000。
という世代差があります。
商品説明だけでなく実物を確認します。
レンズ銘板
確認したいのは、
YASHINON DX 45mm F1.7
または、
COLOR-YASHINON DX 45mm F1.7
です。
GTには世代差があるため、「COLOR」の有無だけで偽物と判断してはいけません。GTの初期・後期で表記差が確認されています。
前玉のカビ
強いライトを斜めから当てます。
糸状。
蜘蛛の巣状。
白い枝状。
の模様を確認します。
内部曇り
Electro 35系中古では重要です。
レンズ内部が白く霞んでいると、
- コントラスト低下
- 黒浮き
- 逆光で白くなる
可能性があります。
F1.7という明るいレンズなので、きれいな光学系を選びたいところです。
後玉
裏蓋を開き、シャッターを適切な状態で確認できる範囲から見ます。
無理にシャッター羽根へ触れないようにします。
後玉の、
- カビ
- 曇り
- 傷
も確認しましょう。
絞り羽根
F1.7からF16まで動かします。
- 油
- 固着
- 一枚だけ動かない
- 不自然な開口形状
がないか見ます。
Electro 35は絞り優先AEなので、
絞りリングが正常に使えることは極めて重要です。
フォーカスリング
0.8mから∞まで回します。
理想は、
- 滑らか
- 重すぎない
- ガタがない
- 引っ掛からない
状態です。
無限遠
遠くの建物などへ向け、∞付近で距離計二重像が一致することを確認します。
距離計の二重像
明るい縦線や遠くの電柱などを使います。
二重像が、
- はっきり見える
- 横方向に一致
- 上下にも大きくずれていない
ことを確認します。
無限遠だけでなく近距離も見る
0.8~1m程度。
3m。
∞。
複数距離で確認します。
無限遠だけ合って近距離がずれている個体もあります。
ファインダー
空や白い壁へ向けます。
- 曇り
- カビ
- チリ
- 黄変
- ハーフミラー劣化
を確認します。
レンジファインダーでは二重像のコントラストが重要です。
写真へ直接写らなくても、ファインダーが悪ければ撮影がかなり苦痛になります。
自動パララックス補正
フォーカスリングを∞から0.8mへ動かし、フレームが連動して変化することを確認します。
純正仕様として自動パララックス補正を持っています。
新しい電池または確認済み電池を用意する
中古テストでは適切な電池が必要です。
純正E164は現在入手困難なので、6V代替電池と適切なアダプターを使うのが現実的です。
電池室の腐食
最重要級。
- 白い粉
- 緑青
- 黒い腐食
- 接点欠損
- 液漏れ跡
- 蓋の固着
を確認します。
古い水銀電池を何十年も入れっぱなしにした個体では、液漏れが内部まで進んでいる可能性があります。
バッテリーチェック
ボタンを押します。
緑ランプが点灯することを確認します。純正説明書では緑点灯を電池容量確認として使用します。
赤OVERランプ
明るい場所。
絞りF1.7。
ISOを高め。
など、意図的に露出オーバー条件を作ります。
赤OVERが点灯することを確認します。
黄SLOWランプ
暗い室内。
F8などへ絞る。
意図的に低速条件を作ります。
黄色SLOWが点灯することを確認します。
ボディ上とファインダー内の両方を見る
GTでは警告表示がファインダーだけでなくボディ上からも確認できます。
両方のランプが正常か見ましょう。
電子シャッター速度変化
ここが超重要です。
明るい場所。
暗い場所。
同じ絞りでシャッターを切ります。
明るい場所では、
カチッ。
暗い場所では、
カチ……しばらくして閉じる。
と明確に時間が変わるはずです。
純正仕様ではAUTOで約30秒~1/500秒を連続制御します。
どんな明るさでも同じ速度なら注意
これは電子シャッターや連動機構の不具合を疑う重要な症状です。
電池。
接点。
CdS。
内部機構。
などを確認します。
Pad of Deathを確認する
Electro 35シリーズ中古で避けて通れません。
いわゆる、
Pad of Death(POD)
です。
これはヤシカがメーカー公式に使用した故障名称ではありません。
Electro 35ユーザー・修理コミュニティで定着した俗称です。
内部には、巻き上げやシャッター/電子制御系の連動機構に関係する小さなゴム状パッドがあります。
この部品が経年で、
- 潰れる
- 崩れる
- 粘る
- 消失する
と、内部連動の位置関係が変わり、シャッター制御や露出動作へ異常を起こす場合があります。
巻き上げ時の「コトン」音
正常または交換済みの個体では、巻き上げ機構の戻りに伴って特徴的な軽い「コトン」「クン」という音を確認できる場合があります。
POD確認の簡易的な目安としてElectroユーザー間で知られています。
ただし、
音が小さい=必ずPOD死亡。
音がする=絶対完動。
とまでは断定できません。
最終的にはシャッター速度変化や露出精度まで確認します。
POD不良の代表的な症状
修理・中古ガイドでは、
- シャッター速度が明暗で正常に変化しない
- 露出警告が不自然
- 巻き上げ時の特徴的な音が消える
- 露出が安定しない
などがPOD劣化に関連する症状として挙げられています。
つまり、
「シャッターは切れました」だけではElectro 35の完動確認になりません。
POD交換済みは中古でプラス材料
修理業者や前所有者によって、
POD交換。
電池変換。
モルト交換。
距離計調整。
まで実施済みなら実用上かなり安心材料です。
ただしDIY修理済みの場合は、実写精度を確認した方がよいでしょう。
CdS露出計精度
デジタルカメラや信頼できる露出計と比較します。
ISO100。
F5.6。
同じ被写体。
という条件を作ります。
GTの警告だけでは具体的なシャッター速度は表示されませんが、実写で露出が大きくずれていないか判断できます。
30秒近い低速も確認する
かなり暗い場所へ向けます。
シャッターを切り、長時間開くことを確認します。
AUTOで長秒露出ができることがElectro 35の重要な機能です。
B
B位置へ設定。
押している間だけ開く。
離せば閉じる。
ことを確認します。
フラッシュ位置
フラッシュマークへ設定すると、純正仕様では1/30秒になります。
この位置でも正常に作動するか確認しましょう。
シャッター羽根
レンズシャッターなので羽根の状態を確認します。
- 油
- 粘り
- 羽根の重なり異常
- 完全に閉じない
症状がないか見ます。
セルフタイマー
古い機械式セルフタイマーです。
未整備で固い場合は無理に動かさない方がよいでしょう。
動作確認済みなら約7~8秒で正常にシャッターが切れることを確認します。
フィルム巻き上げ
レバーを最後まで動かします。
- 滑らか
- 途中で止まらない
- 戻る
- シャッターをチャージする
ことを確認します。
純正説明書では巻き上げ時に露出制御回路もONになります。
フィルムカウンター
裏蓋を開くとSへ戻る。
巻き上げ・撮影をすると数字が進む。
ことを確認します。
巻き戻し
テストフィルムが使えるなら、
- 底面解除ボタン
- クランク
- スプール
まで確認します。
フィルム終端で巻き上げレバーへ無理な力を掛けないことも純正説明書で注意されています。
モルト
裏蓋周辺の遮光材を確認します。
Electro 35シリーズでも経年によるフォーム劣化は一般的な中古問題として知られています。
- ベタつき
- 粉化
- 消失
があれば交換を検討します。
実写で光漏れ確認
現像後、
- 画面端の白い帯
- 赤・橙の漏光
- 不規則な光跡
がないか確認します。
ブラック塗装
GTならではの中古チェックです。
黒塗装は角や底板で剥げやすくなります。
見る場所は、
- 軍艦部角
- 底板
- ストラップ金具周辺
- 巻き上げレバー周辺
- レンズ鏡筒
です。
塗装剥げは撮影に影響しない
実用品なら多少のブラス・塗装剥離は問題ありません。
むしろ使い込まれた黒いレンジファインダーらしい雰囲気があります。
コレクション目的なら外装状態を価格へ反映させましょう。
55mmフィルター枠
55mmフィルターを軽く装着します。
途中で固くなるなら、
- 前枠変形
- 落下
- ネジ山潰れ
を疑います。
落下跡
Electro 35は比較的大きく重いカメラです。
大きな打痕がある個体では、
- 距離計ずれ
- レンズ鏡筒変形
- フィルター枠変形
- ボディ内部連動ずれ
につながっていないか確認しましょう。
最後はフィルム一本を通す
電子カメラなので、最終判断は実写です。
おすすめは、
- 明るい屋外
- 日陰
- 室内
- F1.7
- F5.6
- F16
- 0.8m
- 3m
- 無限遠
- 逆光
- 長時間AE
を混ぜること。
現像後、
露出。
ピント。
光漏れ。
コマ送り。
を確認します。
YASHICA ELECTRO 35 GTが向いている人
このカメラは、
- レンジファインダーを使いたい人
- 45mm前後が好きな人
- F1.7の明るい固定レンズが欲しい人
- 絞り優先AEが好きな人
- ブラックボディが好きな人
- 夜景や低照度撮影を楽しみたい人
- YASHINONレンズが好きな人
- 1970年前後の電子カメラに興味がある人
に向いています。
特に、
「ピントと絞りは自分で決めたい。でもシャッター速度はカメラに任せたい」
という人には非常に分かりやすいカメラです。
向いていない人
逆に、
- 完全機械式が欲しい
- 電池なしで撮影したい
- シャッター速度を直接選びたい
- AFが欲しい
- 小型軽量が最優先
- 電子部品の経年劣化を避けたい
- 最短50cm以下まで寄りたい
人には他機種が向いています。
Electro 35 GTは、
「古い機械式レンジファインダーに電子AEを組み込んだカメラ」
だからこそ面白いのです。
中古では整備済み個体を優先したい
GTを実用品として買うなら、
外観美品より、
POD交換済み。
電池室清掃済み。
距離計調整済み。
モルト交換済み。
電子シャッター確認済み。
という個体を優先する価値があります。
ブラック塗装に多少傷があっても、
シャッター速度が明暗に合わせて正しく変わる個体。
こちらの方が撮影には圧倒的に重要です。
まとめ
YASHICA ELECTRO 35 GTは、1960年代末から1970年代初頭に登場したブラックボディの電子制御レンジファインダーカメラです。
後期純正資料で確認できる主要仕様は、
- COLOR-YASHINON DX 45mm F1.7
- 4群6枚
- F16
- 最短0.8m
- 二重像合致式距離計
- 自動パララックス補正
- CdS測光
- 絞り優先AE
- 約30秒~1/500秒無段階電子シャッター
- B
- Xシンクロ
- 赤OVER
- 黄SLOW
- ASA25~1000
- E164系水銀電池
- 55mmフィルター
です。
ただしGTには世代差があります。
初期型ではASA12~500。
後期ではASA25~1000。
「COLOR-YASHINON」表記などにも個体差があります。
そしてElectro 35最大の特徴が電子シャッター。
F値を選ぶ。
シャッターを半押し。
赤も黄も出なければ撮る。
シャッター速度はカメラが決める。
必要なら1/187秒。
あるいは16.2秒。
そんな機械式シャッターでは難しい中間速度まで電子回路が連続制御します。
ただし現在中古で購入するなら、
- GTかGTNか
- 初期/後期仕様
- 45mm F1.7
- カビ
- 曇り
- 絞り
- 距離計二重像
- 無限遠
- 最短0.8m
- ファインダー
- 電池室
- バッテリーチェック
- 赤OVER
- 黄SLOW
- 明暗によるシャッター速度変化
- 長時間AE
- B
- Pad of Death
- モルト
- フィルム送り
- 実写露出
まで確認しましょう。
特に、
Pad of Death。
名前だけ聞くとラスボスの必殺技みたいですが、中身は小さな内部パッドの経年劣化です🤣
しかしこの小さな部品が電子制御系の連動へ影響するため、Electro 35中古では無視できません。これはメーカー公式の故障名称ではなく、ユーザー・修理コミュニティで定着した俗称です。
状態のよいGTへフィルムを入れる。
45mm F1.7で二重像を重ねる。
人物ならF1.7。
街角ならF5.6。
シャッター速度はElectroに任せる。
暗くなれば黄色ランプ。
明るすぎれば赤ランプ。
問題なければ、
カチッ。
ブラックボディの中では、CdSと電子回路が必要な露光時間を計算している。
YASHICA ELECTRO 35 GTは、昔ながらのレンジファインダー操作と、当時先進的だった無段階電子シャッターを組み合わせた、「黒いエレクトロ」の名にふさわしい一台です。









