FUJI EPION 305Zとは?
FUJI EPION 305Zは、富士フイルムが展開していたAPSフィルム対応のコンパクトカメラです。
APSは「Advanced Photo System」の略で、1996年に登場した写真システムです。従来の35mmフィルムより小型のカートリッジを採用し、カメラの小型化やフィルム交換の簡単さなどを特徴としていました。
EPION 305Zは、そのAPS規格を採用したEPIONシリーズの一台で、24~70mmのズームレンズを搭載しています。中古カメラ店のデータでも「EPION 305Z(24-70)」として登録されています。
現在ではAPSフィルム自体が生産終了しているため実用には少々ハードルがありますが、1990年代のフィルムカメラ文化を伝える一台として興味深いモデルです。
24~70mmのズームレンズを搭載
EPION 305Zの大きな特徴が、24~70mmのFUJINONズームレンズです。
中古流通個体では「SUPER-EBC FUJINON ZOOM 24-70mm」の表記も確認できます。
24mm側なら風景や集合写真などを広く写しやすく、70mm側までズームすれば人物撮影や少し離れた被写体にも対応できます。
単焦点レンズのAPSカメラと比較すると、一台で幅広い撮影に対応できることがEPION 305Zの魅力です。
オートフォーカスで手軽に撮影できる
EPION 305Zはオートフォーカスを採用したコンパクトカメラです。
基本的には被写体へカメラを向けてシャッターを押すだけ。フィルムの巻き上げなども自動化されており、フィルムカメラに詳しくないユーザーでも扱いやすい設計となっています。
内蔵フラッシュも備えているため、室内や暗い場所での撮影にも対応できます。
中古市場ではAF、シャッター、フラッシュ、セルフタイマーなどの動作確認が行われた個体も確認できます。
APSならではのC・H・P切り替え
APSカメラの特徴のひとつが、プリントタイプの切り替えです。
EPION 305Zでは、
- Cタイプ:一般的な写真に近い比率
- Hタイプ:横長のハイビジョンタイプ
- Pタイプ:さらに横長のパノラマタイプ
を選択できます。
EPION 305Zの実機でもC・H・Pのプリントサイズ設定が確認できます。
フィルムそのものを交換せず、撮影途中で写真の見え方を切り替えられるというのはAPSならではの特徴です。
FUJI EPION 305Zの主なスペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | 富士フイルム |
| 製品名 | EPION 305Z |
| フィルム | IX240・APSフィルム |
| レンズ | FUJINON ZOOM 24~70mm |
| ピント合わせ | オートフォーカス |
| ズーム | 電動ズーム |
| フラッシュ | 内蔵 |
| プリントタイプ | C・H・P |
| フィルム給送 | 自動 |
| 電源 | CR123Aリチウム電池 |
| 重量 | 約209g(電池別・中古流通資料による) |
電源についてはCR123A電池の使用が確認されており、現在でも比較的入手しやすい電池です。重量については中古流通資料で電池別約209gとされています。
APSフィルムは現在生産終了
EPION 305Zを現在使用する場合、最大の問題となるのがフィルムです。
富士フイルムのAPSカラーネガフィルム「フジカラー nexia 400」はすでに生産・出荷が終了しています。富士フイルム公式サイトでは2012年10月に出荷終了した製品として掲載されています。
そのため現在EPION 305Zで撮影するには、未使用の期限切れAPSフィルムなどを中古市場で探す必要があります。
35mmフィルムのように新品フィルムを気軽に購入して撮影できるカメラではない点は理解しておきたいところです。
中古で購入するときのチェックポイント
EPION 305Zは発売から長い年月が経過しているため、中古品では状態確認が重要です。
特に確認しておきたいのは、
- CR123A電池で正常に電源が入るか
- レンズが正常に繰り出すか
- ズームが動作するか
- シャッターが切れるか
- オートフォーカスが動作するか
- フラッシュが発光するか
- 背面液晶が正常に表示されるか
- フィルム室の開閉に問題がないか
- 電池室に腐食や液漏れ跡がないか
といったポイントです。
特に古いコンパクトカメラでは、液晶表示の薄れや表示不良が見られることがあります。実際にEPION 305Zの中古個体でも液晶表示が見えにくくなった例が確認されています。
またAPSフィルムが入手しにくいため、フィルムを使った実写確認まで行われている中古品は少なくなっています。
現在のEPION 305Zはコレクション用途にも面白い
現在のEPION 305Zは、単純な実用品として考えるとAPSフィルムの確保という大きな壁があります。
一方で、カメラそのものを見ると、24~70mmズーム、AF、自動巻き上げ、内蔵フラッシュ、C・H・P切り替えなど、当時のAPSカメラらしい機能が詰め込まれています。
APSは35mmフィルムからデジタルカメラへ移り変わる時代に登場した規格です。
そのためEPION 305Zは、フィルムカメラからデジタルカメラへ向かう過渡期の技術を感じられるカメラとしてコレクションしてみるのも面白いでしょう。
まとめ
FUJI EPION 305Zは、富士フイルムが展開したAPSフィルム対応コンパクトカメラです。
24~70mmのFUJINONズームレンズを搭載し、オートフォーカス、電動ズーム、内蔵フラッシュ、C・H・Pのプリントタイプ切り替えなどを備えています。
現在はAPSフィルムが生産終了しているため撮影環境を整えるのは簡単ではありません。
しかし、1990年代に「次世代フィルムシステム」として登場したAPSの特徴を色濃く残す一台であり、フィルムカメラ史を楽しむという意味ではなかなか興味深いモデルです。










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