Canon IXY GE APS

Canon IXY GE APS
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Canon IXY GEとは?

Canon IXY GEは、キヤノンが1997年3月に発売したAPSフィルム対応のコンパクトカメラです。

発売時価格はケース・リモコン付きで69,000円。前年に登場した4倍ズーム搭載機「IXY G」をベースとして、さらにキヤノン独自の視線入力機能を搭載した上位モデルとして登場しました。

単なる小型APSカメラではありません。

ファインダーを覗いている撮影者の視線を検知し、ズーム操作やC・H・Pのプリントタイプ切り替えを「見る」という操作で行えるという、かなり異色のカメラです。

コンパクトカメラ初の「視線入力」を搭載

IXY GE最大の特徴は、何といっても視線入力機能です。

視線入力とは、撮影者がファインダー内のどこを見ているかをカメラが検知し、それを操作へ利用するキヤノン独自の技術です。

それ以前にもEOSシリーズなどで採用されていましたが、IXY GEではコンパクトカメラとして初めて視線入力を搭載しました。

IXY GEでは視線入力によって、

  • ワイド端・テレ端のズーム切り替え
  • C・H・Pのプリントタイプ切り替え
  • 上記2機能の同時使用
  • 視線入力OFF

という4種類のモードを選択できます。

つまりボタンを操作するのではなく、

「こっちを見る → カメラが反応する」

という世界。

1997年のコンパクトカメラとして考えると、かなり攻めた機能です。

22.5~90mmの4倍ズームレンズを搭載

レンズは22.5~90mm F5.6~8.9の4倍ズーム。

35mm判換算では約28~112mm相当となり、広角から中望遠まで幅広い撮影に対応します。レンズ構成は7群7枚です。

初代IXYが24~48mmの2倍ズームだったのに対し、IXY GEでは望遠側を90mmまで拡大しています。初代IXYは1996年5月発売で、キヤノン初のAPSカメラでした。

旅行や街中のスナップだけでなく、人物や少し離れた被写体にも対応しやすい構成です。

5点測距Ai-AFを採用

オートフォーカスには、CCDと5個のIREDを利用した5点測距ハイブリッドAFを採用しています。

通常撮影では約0.6m~無限遠、クローズアップモードでは約0.35mから撮影可能です。

5点から自動的に測距位置を選択するAi-AFのほか、中央1点測距、ワンショットAF、アクションモードでのサーボAFなどにも対応しています。

APSコンパクトとはいえ、AFシステムはかなり本格的です。

巨大な丸形レンズカバーにも意味がある

IXY GEの外観で真っ先に目につくのが、前面を覆う大きな丸いレンズカバーでしょう。

単なるデザインではありません。

このカバーは開くと内蔵スピードライトとして機能する構造になっています。

電源操作に連動して跳ね上がる仕組みで、ホワイトゴールド塗装と組み合わせた非常に特徴的な外観になっています。

閉じている状態と撮影状態ではカメラの表情がガラッと変わるため、現在ではデザインそのものを楽しむコレクション用途にも面白い一台です。

APSならではのC・H・P切り替え

IXY GEはIX240、つまりAPSフィルムを使用します。

APSでは撮影時に、

C:クラシック
H:ハイビジョン
P:パノラマ

という3種類のプリントタイプを指定できます。

IXY GEでは通常の操作だけでなく、前述した視線入力によってC・H・Pを切り替えることも可能です。

また、撮影日時やタイトルなどをフィルムへ記録するAPSの磁気IX情報にも対応しています。

Canon IXY GEの主なスペック

項目内容
発売1997年3月
発売時価格69,000円(ケース・リモコン付き)
使用フィルムIX240・APSフィルム
画面サイズ16.7×30.2mm
レンズ22.5~90mm F5.6~8.9
35mm判換算約28~112mm
レンズ構成7群7枚
ズーム倍率4倍
AF5点測距Ai-AF
最短撮影距離約0.35m(クローズアップモード)
測光3分割評価測光
フラッシュレンズカバー兼用内蔵スピードライト
プリントタイプC・H・P
電源CR2リチウム電池×2
サイズ120×65×47mm
重量約290g(電池含む)

主要仕様はキヤノン公式のカメラミュージアムに掲載されています。

CR2電池を2本使用

電源にはCR2型3Vリチウム電池を2本使用します。

CR2は現在でも販売されているため、APSフィルムほど入手に困るものではありません。電池を用意すれば、中古個体の基本的な動作確認は比較的行いやすいでしょう。

フィルムの装填・巻き上げ・巻き戻しはすべて自動です。

さらに付属の赤外線リモコンを使用すれば、最大約5mの範囲からリモート撮影も可能でした。

中古で購入するときのチェックポイント

現在IXY GEを中古で購入する場合は、次のような部分を確認しておきたいところです。

  • CR2電池2本で正常に電源が入るか
  • 大型レンズカバーが正常に開閉するか
  • ズームレンズが正常に動作するか
  • シャッターが切れるか
  • AFが作動するか
  • フラッシュが発光するか
  • ファインダーやレンズに大きなカビ・曇りがないか
  • 液晶表示に欠けや液漏れがないか
  • 電池室に腐食がないか
  • フィルム室が正常に開閉できるか

特にIXY GEの場合は、一般的なコンパクトカメラにはない視線入力機能もあります。

中古販売時に「シャッター・フラッシュ・ズーム動作確認済み」とされていても、視線入力まで確認されているとは限りません。

コレクション目的なのか、視線入力まで含めて完全動作を求めるのかによって、中古品選びの基準も変わってくるでしょう。

現在では「未来を夢見た1990年代」を楽しめるカメラ

現在ではAPSフィルム自体が生産終了しているため、IXY GEを日常的なフィルムカメラとして使うにはハードルがあります。

しかし、このカメラの面白さは実用性だけではありません。

4倍ズーム。
5点Ai-AF。
APS。
磁気情報記録。
電動レンズカバー。
そして視線入力。

1990年代にカメラメーカーが考えていた「未来のカメラ」が、小さなボディへギュッと詰め込まれています。

現在の感覚で見ると少々大げさな仕掛けにも見えますが、そこがむしろIXY GEの面白いところです。

まとめ

Canon IXY GEは、1997年に発売されたAPS対応コンパクトフィルムカメラです。

22.5~90mmの4倍ズームレンズ、5点測距Ai-AF、C・H・P切り替え、電動フィルム装填などを搭載しています。

そして最大の特徴が、コンパクトカメラとして初めて搭載された視線入力機能です。ファインダーを覗いたまま視線によってズームやプリントタイプを操作するという、非常にユニークな仕組みでした。

APSという規格そのものは姿を消しましたが、IXY GEは単なる古いコンパクトカメラではありません。

「1997年のキヤノンが本気で考えた未来」を今に残す、かなり個性的な一台です。📷✨

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