Canon EOS Kiss Digital X

Canon EOS Kiss Digital X

Canon EOS Kiss Digital Xは、キヤノンが2006年9月8日に発売したAPS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラです。

海外では北米向けに「EOS Digital Rebel XTi」、欧州・アジア・オセアニア向けには「EOS 400D」の名称で販売されました。

撮像素子には約1010万画素のAPS-CサイズCMOSセンサーを採用。画像処理エンジン「DIGIC II」、9点測距AF、最高約3コマ/秒の連続撮影などを備えています。

また、センサーに付着するゴミへの対策として「EOS Integrated Cleaning System」を採用したことも大きな特徴です。

現在のデジタル一眼と比べればシンプルな性能ですが、EOS Kissシリーズが「初心者でも本格的なデジタル一眼を楽しめるカメラ」として大きく普及していった時代を代表するモデルのひとつです。

目次

約1010万画素APS-C CMOSセンサーを搭載

EOS Kiss Digital Xには、約22.2×14.8mmのAPS-CサイズCMOSセンサーが搭載されています。

有効画素数は約1010万画素。

総画素数は約1050万画素となっています。

前モデルのEOS Kiss Digital Nは約800万画素だったため、Kiss Digital Xでは1000万画素の大台を超えました。

最大記録サイズは3888×2592ピクセル。

現在では2000万画素を超えるカメラも珍しくありませんが、一般的な写真撮影や小さめのプリント、Web掲載などであれば1000万画素でも十分対応できる場面があります。

画像処理エンジンDIGIC IIを搭載

画像処理エンジンには、キヤノン独自のDIGIC IIを搭載しています。

撮像センサーから送られてくる画像データを高速に処理し、自然な色再現や低ノイズ化を図っています。

撮影した画像はJPEGだけでなくRAW形式でも保存可能です。

さらに、

RAW+JPEG同時記録

にも対応しています。

JPEGですぐ写真を確認しながら、本格的な現像用としてRAWデータも残しておくという使い方ができます。

中央F2.8対応の9点AFを採用

EOS Kiss Digital XのAFは、TTL二次結像位相差検出方式による9点測距AFです。

中央測距点はクロス測距に対応し、F2.8対応の高精度センサーも搭載しています。

AFモードは、

  • ワンショットAF
  • AIサーボAF
  • AIフォーカスAF
  • マニュアルフォーカス

に対応しています。

人物や風景などの静止した被写体だけでなく、AIサーボAFを利用すれば動く被写体を追いながら撮影することもできます。

前モデルのKiss Digital NからAF測距点が増えたことで、被写体を画面中央に置かない構図でもピント合わせがしやすくなっています。

最高約3コマ/秒の連続撮影

連続撮影速度は最高約3コマ/秒です。

JPEGのラージ/ファイン設定では、キヤノンの試験条件で約27枚の連続撮影が可能。

RAWでは約10枚、RAW+JPEGでは約8枚が目安とされています。

EOS 7Dのような高速連写を前提としたモデルではありませんが、子ども、ペット、乗り物などの動きを連続して撮る用途にも対応できます。

また起動時間は約0.2秒。

電源を入れてから比較的すぐ撮影へ移れる設計となっています。

センサーのゴミ対策「EOS Integrated Cleaning System」

EOS Kiss Digital Xで注目したいのが、センサーダスト対策です。

レンズ交換式デジタル一眼では、レンズ交換時などにカメラ内部へ入り込んだゴミが撮像センサー付近へ付着し、撮影画像へ黒い点として写り込むことがあります。

EOS Kiss Digital Xでは、キヤノンの総合的なダスト対策システム**「EOS Integrated Cleaning System」**を採用しました。

撮像素子前面へのゴミの付着を抑える帯電防止処理に加えて、「セルフクリーニングセンサーユニット」を搭載。

超音波振動によってセンサー前面に付着したゴミを振るい落とす仕組みです。

さらに撮影画像へ「ダストデリートデータ」を付加し、対応ソフトウェアによるゴミ除去処理にも利用できました。

現在では珍しくない機能ですが、2006年当時のデジタル一眼では重要な進化ポイントでした。

ISO100~1600に対応

ISO感度は、応用撮影ゾーンで、

ISO100・200・400・800・1600

から選択できます。

全自動などの簡単撮影ゾーンでは、ISO100~400相当の範囲でカメラが自動設定します。

最新カメラではISO25600やそれ以上に対応する機種もありますが、EOS Kiss Digital XではISO1600が上限です。

そのため現在使用する場合は、高感度撮影よりも日中の屋外や明るい室内など、十分な光量が確保できる環境のほうが性能を生かしやすいでしょう。

EF・EF-Sレンズに対応

レンズマウントはキヤノンEFマウントです。

使用できるレンズは、

EFレンズ
EF-Sレンズ

となっています。

APS-Cセンサーを搭載しているため、撮影画角はレンズ表記焦点距離の約1.6倍相当になります。

たとえば50mmレンズを装着すると約80mm相当、200mmレンズなら約320mm相当の画角になります。

中古市場にはEF・EF-Sレンズが多数存在するため、さまざまなレンズを交換して楽しめるのもEOS Kiss Digital Xの魅力です。

2.5型液晶モニターを搭載

背面には2.5型・約23万画素のTFTカラー液晶モニターを搭載しています。

視野角は上下左右約160度で、明るさは7段階で調整できます。

現在のカメラと比較すると画面は小さく、解像度も低めです。

また液晶モニターは固定式で、角度を変えることはできません。

ライブビュー撮影には非対応

現在のデジタルカメラとの大きな違いとして覚えておきたいのが、ライブビュー撮影には対応していないことです。

EOS Kiss Digital Xでは、背面液晶を見ながら構図を決めて撮影するのではなく、基本的に光学ファインダーを覗いて撮影します。

スマートフォンやミラーレスカメラから写真を始めた人にとっては少し不便に感じるかもしれません。

一方で、

ファインダーを覗く
AFを合わせる
ミラーが跳ね上がる
シャッターが切れる

という、一眼レフらしい撮影スタイルを純粋に楽しめるカメラでもあります。

動画撮影機能は非搭載

EOS Kiss Digital Xには動画撮影機能がありません。

現在では一眼カメラで動画撮影ができることが当然のようになっていますが、この時代のデジタル一眼レフは基本的に静止画撮影専用でした。

そのため中古で購入する場合は、

「写真だけを撮るカメラ」

として考える必要があります。

動画機能を必要としない人にとっては、逆に操作や用途が明確で分かりやすいカメラともいえるでしょう。

ファインダー視野率は約95%

ファインダーにはペンタダハミラー方式を採用しています。

視野率は上下左右とも約95%、倍率は約0.8倍です。

実際に記録される画像には、ファインダーで見えている範囲より少し外側まで写り込みます。

上位モデルに採用される視野率100%ファインダーほど厳密な構図確認はできませんが、EOS Kissシリーズらしい小型・軽量化を重視した構成です。

シャッター速度は最高1/4000秒

シャッター速度は、

1/4000秒~30秒

に対応。

バルブ撮影も可能です。

ストロボ同調速度は最高1/200秒となっています。

内蔵ストロボも搭載しており、ガイドナンバーは13。

暗い場所では自動的にポップアップして発光することもできます。

Canon EOS Kiss Digital Xの主なスペック

項目内容
メーカーキヤノン
製品名EOS Kiss Digital X
北米名称EOS Digital Rebel XTi
欧州等名称EOS 400D
発売2006年9月
撮像素子APS-C CMOS
センサーサイズ約22.2×14.8mm
有効画素数約1010万画素
総画素数約1050万画素
画像処理エンジンDIGIC II
レンズマウントキヤノンEFマウント
対応レンズEF・EF-S
AF9点測距
連写最高約3コマ/秒
ISO感度ISO100~1600
シャッター速度1/4000~30秒、バルブ
ファインダーペンタダハミラー
ファインダー視野率約95%
液晶2.5型・約23万画素
ライブビュー非対応
動画撮影非対応
記録形式JPEG・RAW
記録媒体CFカード Type I・II
内蔵ストロボあり
バッテリーNB-2LH
サイズ約126.5×94.2×65mm
重量約510g・本体のみ

主要仕様はキヤノン公式のカメラミュージアムおよび製品仕様資料で確認できます。

記録媒体はCFカード

EOS Kiss Digital Xでは、現在一般的なSDカードではなくCFカードを使用します。

Type I・Type IIに対応し、マイクロドライブも使用可能でした。

現在EOS Kiss Digital Xを使用する場合、ここは注意しておきたいポイントです。

パソコンにCFカードスロットが搭載されていない場合は、USB接続などのCFカードリーダーも必要になります。

中古本体にカードが付属していなければ、別途準備しておきましょう。

バッテリーはNB-2LH

電源にはバッテリーパックNB-2LHを1個使用します。

キヤノン公称の撮影可能枚数は、常温でストロボを使用しない場合に約500枚、50%の割合でストロボを使用した場合は約360枚です。

中古購入時にはバッテリーの劣化状態だけでなく、充電器が付属しているかも確認したいところです。

古いリチウムイオンバッテリーは新品当時より容量が低下している可能性があります。

ブラックとシルバーの2色を展開

EOS Kiss Digital Xにはブラックとシルバーの2色が用意されていました。

ボディ単体のほか、

  • レンズキット
  • ダブルズームキット

も販売されました。

レンズキットにはEF-S18-55mm F3.5-5.6 II USM、ダブルズームキットにはさらにEF55-200mm F4.5-5.6 II USMが付属していました。

現在の中古市場でも、標準ズームレンズとセットになった個体を見かけることがあります。

EOS Kiss Digital Nから何が変わった?

前モデルのEOS Kiss Digital Nは、有効約800万画素のCMOSセンサーを搭載していました。

EOS Kiss Digital Xでは約1010万画素へ高画素化されています。

さらに、

AFが9点測距へ進化
2.5型液晶を搭載
EOS Integrated Cleaning Systemを採用

するなど、単純な画素数アップだけではなく使い勝手も改善されました。

デジタル一眼レフが急速に普及していた2000年代中盤らしく、「前年モデルから次モデルへの進化」が現在以上に大きく感じられる時代の一台です。

中古で購入するときのチェックポイント

EOS Kiss Digital Xを中古で購入する場合は、次のような部分を確認しておきましょう。

  • 正常に電源が入るか
  • シャッターが正常に切れるか
  • AFが正常に動作するか
  • CFカードを正常に認識するか
  • 撮影画像を正常に保存できるか
  • 液晶モニターに大きな表示不良がないか
  • ファインダーに大きなカビや曇りがないか
  • 内蔵ストロボが正常に開閉・発光するか
  • 各ボタンや電子ダイヤルが正常に反応するか
  • レンズマウントに大きな変形がないか
  • バッテリー室に腐食や破損がないか
  • USB端子などのカバーが破損していないか
  • グリップ部分に大きな劣化やベタつきがないか

発売から長期間経過しているため、外観だけでなく電気系統やシャッター、ミラーなどの機械部分も重要です。

また本体のみの中古品では、

バッテリー
充電器
CFカード

が揃っているかも確認しておきたいところです。

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現在でもEOS Kiss Digital Xは使える?

EOS Kiss Digital Xは2006年発売のカメラです。

ライブビューも動画撮影もなく、最高ISO感度は1600。

液晶も2.5型約23万画素なので、最新のデジタルカメラと性能で競う機種ではありません。

しかし写真撮影に限定すると、

約1010万画素APS-C CMOS
9点AF
RAW撮影
最高約3コマ/秒
EF・EF-Sレンズ対応
1/4000秒シャッター

という基本的な一眼レフ機能は備えています。

明るい昼間に低ISO感度で撮影し、光学ファインダーを使ってじっくり写真を撮るのであれば、現在でも十分楽しむことはできます。

特に古いEF・EF-Sレンズと組み合わせて、「2000年代のデジタル一眼レフ」を体験するカメラとして使うのも面白いでしょう。

まとめ

Canon EOS Kiss Digital Xは、2006年に発売されたAPS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラです。

有効約1010万画素CMOSセンサーとDIGIC IIを搭載し、9点測距AF、最高約3コマ/秒連写、最高1/4000秒シャッター、RAW撮影などに対応しています。

また「EOS Integrated Cleaning System」を搭載し、センサーに付着するゴミへの対策が強化されたことも特徴です。

現在のカメラと比較すると、ライブビューや動画撮影がないなど明確な世代差があります。

その一方で、小型軽量のボディにデジタル一眼レフとして必要な基本機能をまとめ、コンパクトデジカメから一眼レフへステップアップするユーザーを広く取り込んだモデルでした。

「1000万画素が本格的だった時代のEOS Kiss」。

2000年代のデジタル一眼レフ普及期を振り返るうえでも、Canon EOS Kiss Digital Xはなかなか面白い一台です。

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