SUPER-KOMURA ZOOM 90-250mm F4.5 TL925とは?コムラーの大口径望遠ズームを徹底解説
SUPER-KOMURA ZOOM 90-250mm F4.5 TL925は、三協光機/KOMURAが35mm一眼レフ向けに展開したマニュアルフォーカス望遠ズームレンズです。
焦点距離は90mmから250mm。
しかも開放F値はズーム全域で、
F4.5固定。
現在の70-300mm F4-5.6クラスとは異なり、90mmでも250mmでも開放F4.5を維持します。
資料ではSUPER-KOMURA 90-250mm F4.5の初期型が1960年代後半に登場し、35mm一眼レフ用の交換式マウントシステム「Uni-Dapt/Uni Auto」系に属するレンズとして記録されています。焦点距離90-250mm、F4.5~F22、13枚構成、6枚絞り、最短撮影距離約2mという基本仕様が確認できます。
一方、中古市場では、
SUPER-KOMURA
KOMURA ZOOM 925
KOMURA ZOOM TL925
KOMURANON MACRO 925
など似た表記の個体が存在します。
今回扱う「SUPER-KOMURA ZOOM LENS 90-250mm F4.5 / ZOOM TL925」は、その中でも後期寄りの外装を持つSUPER-KOMURA系90-250mm F4.5として考えると分かりやすいモデルです。実物研究では、フードに「KOMURA TL 925」、銘板に「SUPER-KOMURA」「KOMURA LENS MFG. LTD」「ZOOM LENS」と入るタイプが確認されています。
この記事では、SUPER-KOMURA ZOOM 90-250mm F4.5 TL925の特徴、F4.5通しズーム、交換式マウント、操作方法、後期KOMURANON 925との違い、現代デジタルでの使用、そして中古購入時の注意点まで詳しく解説します。
SUPER-KOMURAとは
KOMURAは、かつて存在した日本の光学メーカー・三協光機が使用したレンズブランドです。
同社は35mm一眼レフ向けだけでなく、
- レンジファインダー用
- Bronica用
- 大判用
- 中判用
- 引き伸ばし用
など、幅広い光学製品を製造していました。
SUPER-KOMURA 90-250mm F4.5も、その35mm一眼レフ用ラインを代表する大型望遠ズームのひとつです。
90-250mmという独特のズームレンジ
現在なら、
70-200mm。
70-300mm。
100-400mm。
といった焦点距離が一般的です。
しかしSUPER-KOMURAは、
90-250mm。
なかなか見かけないレンジです。
90mm側では、
- 人物
- ポートレート
- 中距離スナップ
に使いやすく、
250mm側では、
- 野鳥
- 動物
- 鉄道
- 飛行機
- 運動会
- 遠景
- 圧縮効果を生かした風景
などへ対応できます。
当時なら90mm、135mm、200mm、250mm級の単焦点レンズを複数持ち歩く代わりに、一本で広い望遠域をカバーできる存在でした。
ズーム比は約2.8倍
250÷90なので、ズーム比は約2.78倍です。
現在の高倍率ズームと比べれば控えめですが、1960~70年代の光学設計としては十分実用的なレンジです。
当時のズームレンズでは、
単焦点に比べて大型・高価になりやすい
という問題がありました。
SUPER-KOMURA 90-250mm F4.5も、まさにその時代らしく堂々とした大型鏡筒を持っています。
ズーム全域F4.5
最大の魅力がこれです。
90mmでもF4.5。
135mmでもF4.5。
200mmでもF4.5。
250mmでもF4.5。
ズームしても開放F値が変わりません。レンズ資料でも90-250mm全域F4.5、最小絞りF22として記録されています。
現在の可変F値ズームでは、
90mm付近ならF4。
250mmへ伸ばすとF5.6。
というレンズもあります。
SUPER-KOMURAなら露出を変えずにズームできます。
マニュアル露出で便利
機械式フィルム一眼レフでは特に便利です。
例えば、
1/250秒・F5.6。
と決めたら、90mmから250mmへズームしても開放F値が変わらないため、そのまま露出を維持できます。
TTL AEが一般化する以前には、通しF値のメリットは現在以上に大きかったでしょう。
開放F4.5
F4.5という数字だけなら、現代では特別に明るいとは感じないかもしれません。
しかし250mmまでF4.5。
これは当時としてはかなり立派です。
特に望遠端でF5.6やF6.3にならず、F4.5を維持できるため、
- ファインダーが比較的明るい
- ピント合わせしやすい
- シャッター速度を稼げる
- 背景をぼかしやすい
というメリットがあります。
最小絞りF22
最小絞りはF22。
資料ではF4.5~F22、6枚絞りとされています。
古いKOMURAレンズでは絞った際に独特の角張った開口形状になる個体もあり、実物ユーザーからも特徴的な絞り形状が報告されています。これは描写性能そのものというより、この時代の機械式絞りを楽しむポイントのひとつです。
光学系は13枚
レンズ資料では光学構成を13枚としています。
ただし信頼できる資料から群数まで明確に確認できないため、
13枚構成
までとしておくのが安全です。
古い中古レンズでは、ネット上で群数・枚数が転記される過程で別バージョンの数字と混ざることもあります。
35mm判フルサイズ対応
本来は35mmフィルム一眼レフ用です。
したがって24×36mmをカバーするイメージサークルを持ちます。
現在のフルサイズミラーレスでも、適切なアダプターと装着マウントを組み合わせれば、基本的には本来の画角を利用できます。
APS-Cなら画角はさらに狭くなり、
90mm → 約135mm相当。
250mm → 約375mm相当。
として望遠効果が増します。
MF専用
オートフォーカスはありません。
フォーカスリングを自分で回します。
現代デジタルなら、
- 拡大表示
- フォーカスピーキング
- EVF
- ボディ内手ブレ補正
などを利用すると、フィルム時代よりむしろMF望遠を扱いやすい場合があります。
実際にNikon Z 9へFTZ II経由で装着した作例もあり、現代ミラーレスで使用可能な例が確認できます。
2リング式ズーム
SUPER-KOMURA 90-250mm F4.5は、
フォーカスリング
と、
ズームリング
を別々に持つ2リング式です。
ワンタッチズームのように、一本のリングを前後させてズームし、回してピントを合わせる方式ではありません。
実写ユーザーも、このレンズを典型的な2リング式ズームとして紹介しています。
ズームリングの回転量が大きい
TL925実物ユーザーの報告では、ズームリングの回転角は現代の70-300mmなどに比べてかなり大きく、素早いズーミングには向かないとされています。
つまり、
「鳥が飛んできた!90から250へ一瞬!」
というレンズではありません。
むしろ、
90mm。
135mm。
200mm。
250mm。
と、複数の単焦点レンズを一本の鏡筒で切り替える感覚
に近い使い方が似合います。
ズームしてもピント位置が大きく変わりにくい
この時代の高級ズームでは、焦点距離を変えてもピント位置を維持しやすい、いわゆるパーフォーカル的な設計が重視されました。
SUPER-KOMURA 90-250mmについても、実機ユーザーからズーム時に焦点位置を維持しやすいという報告があります。
ただし現在中古で残っている個体では、経年や内部調整のずれもあり得ます。
実機で、
90mmでピントを合わせる。
250mmへズーム。
ピントを確認。
というテストを行いましょう。
最短撮影距離は約2m
初期SUPER-KOMURA 90-250mm F4.5の資料では、最短撮影距離は約2mです。
現在の望遠ズームから見るとかなり遠いです。
花へ30cm。
ペットへ1m。
という撮影には向きません。
これは時代を感じる部分です。
2mから∞まで大きく回すMFリング
フォーカス回転角について実物研究では約270°という記録があります。
AFレンズと比べればかなり大きな回転量です。
その代わり微妙なピント調整を行いやすくなります。
特に250mm・F4.5では被写界深度が浅くなるため、ゆっくり追い込める長いMFストロークには意味があります。
後期KOMURANON MACRO 925は0.6mまで寄れる
ここは重要です。
後期には、
K-M-C KOMURANON MACRO 925 90-250mm F4.5
という発展型が存在します。
実物資料では、このMacro 925は90mm側で約0.6mまで寄れる仕様とされています。さらに三脚座を備える個体も確認されています。
つまり、
SUPER-KOMURA TL925
と、
KOMURANON MACRO 925
は同じ90-250mm F4.5でも別世代です。
中古検索では混同しないようにしましょう。
TL925にMACROがなくても故障ではない
今回扱うSUPER-KOMURA TL925の最短撮影距離が約2mでも、
「マクロ機構が壊れている」
わけではありません。
そもそも後期Macro 925とは仕様が違います。
内蔵引き出し式フード
SUPER-KOMURA 90-250mm F4.5には引き出し式のレンズフードが組み込まれています。
使うときは前へ引き出す。
収納時は鏡筒へ戻す。
大きな望遠フードを別に持ち歩く必要がありません。
ただし実機ユーザーからは、内蔵式ゆえにやや短めという評価もあります。
古い単層系コーティングのレンズでは逆光でコントラストが落ちやすいため、フードは積極的に使いたいところです。
交換式マウントが最大の特徴
SUPER-KOMURAシリーズには、KOMURA独自の交換式マウントシステムが使われました。
資料ではKomura Uni-Dapt/Uni Autoとして記録されています。
考え方は後のTamron Adaptallに近いものです。
レンズ本体。
+
カメラメーカー別マウント。
という構造です。
一本のレンズを別メーカーのカメラへ使える
例えばレンズ側は同じSUPER-KOMURA。
後部だけ、
Nikon用。
Minolta SR用。
M42用。
などへ交換する。
これによってカメラを買い替えてもレンズ本体を利用できます。
実物ではNikon Fマウント付きTL925やMinolta SRマウント付き個体が確認されています。
中古購入では「マウント確認」が最重要
SUPER-KOMURA 90-250mm F4.5とだけ書いてあっても、
何のカメラへ付くかは分かりません。
商品説明に、
「Nikon用」
「M42」
「SR」
などがあるか確認します。
さらに商品写真で後端のマウント形状を確認しましょう。
マウントが外されている個体もある
交換式システムなので、
レンズ本体だけ
が中古で出ることがあります。
この場合、
「安い!」
と買っても、自分のカメラへ取り付けるマウントがありません。
Uni系純正マウント自体も現在は中古品です。
後から必要なマウントだけ探すと、レンズ本体より苦労する可能性があります。
Nikon用は非AI仕様に注意
Nikon F用マウントを装着したTL925の実例では、非AIタイプとして紹介されています。露出計連動用の「カニ爪」も確認されています。
これは非常に重要です。
Nikon Fマウントだから、
すべてのNikon一眼レフへ安全に付けられる
とは限りません。
AI連動爪を持つボディでは干渉する可能性があります。
無理に装着してはいけません。
Nikon Zではアダプター経由で利用例あり
Nikon F仕様のTL925をFTZ II経由でNikon Z 9へ装着した実写例があります。
ミラーレスでは機械的な干渉を回避しやすく、オールド交換マウントレンズの母艦として相性がよい場合があります。
もちろん、
- AFなし
- 電子絞り連動なし
- EXIFなし
が基本です。
絞りリングが複数ある個体に注意
TL925の実物では、マウント側と鏡筒側に絞り関連リングを持つ構造が確認されています。
Nikon F仕様の実例では、マウント側の絞りを使用し、鏡筒側のリングをF22へ設定して使用する方法が報告されています。
これは交換式マウントや自動絞り対応のための構造です。
「リングが二つある=故障」ではない
初見では、
「なんで絞りリングが2個あるんだ?」
となります。
しかし仕様です。
装着しているUniマウントによって使用方法が異なる可能性があるため、購入個体のマウント仕様を確認してください。
自動絞り対応
初期SUPER-KOMURA 90-250mm F4.5は、Uni Auto系マウントによる自動絞り対応レンズとして記録されています。
対応ボディでは、
普段は開放F4.5。
シャッターを切る瞬間だけ設定絞りまで閉じる。
露光後に開放へ戻る。
という一眼レフらしい使い方ができます。
ただし交換マウントの種類や仕様により動作方法が異なるため、現物確認が必須です。
フィルター径には資料差がある
ここは中古でかなり注意したいポイントです。
KOMURAのフィルターサイズ資料では、Super Komura Zoom 90-250mm F4.5のUni Adapter版を62mmとしています。
レンズデータベースでも62mmです。
一方、後年のTL925実物を使用する日本のユーザー資料では67mmとする例もあります。
これは、
- 世代差
- 鏡筒仕様差
- 前枠・フード仕様差
- 資料側の表記差
などの可能性があります。
したがってSUPER-KOMURA TL925を中古購入してフィルターを買う場合は、
「ネットに62mmと書いてあったから即購入」ではなく、実物のフィルター径を測る
ことをおすすめします。
特にTL925表記の後期個体では現物確認を優先しましょう。
約1kg級の大型レンズ
TL925の実物例では約940gという中古店計測や、交換マウント込み実測約974gというユーザー報告があります。
つまり、おおむね、
1kg弱。
現代の小型望遠ズームとは別世界です。
しかも全金属鏡筒。
手に持った瞬間、
「ズシッ。」
ときます。
ボディよりレンズが主役になる
Nikon FやSpotmaticのような機械式一眼レフへ装着すると、かなり前方へ重量が集中します。
片手でカメラグリップだけを持つのは避けたいところです。
必ず左手でレンズを支えましょう。
初期SUPER-KOMURA 925には三脚座がない
初期およびTL925系の実物研究では三脚座なし。
後期KOMURANON MACRO 925には三脚座付き仕様が確認されています。
これも中古識別ポイントです。
約1kgのレンズなのに三脚座がない。
そのため三脚使用時にはボディ側三脚穴へ負担が掛かります。
大型・重量級ボディと組み合わせ、慎重に扱いたいところです。
SUPER-KOMURAとKOMURANON MACRO 925の違い
似た名前なので整理します。
| 項目 | SUPER-KOMURA 90-250 F4.5 TL925 | K-M-C KOMURANON MACRO 925 |
|---|---|---|
| 焦点距離 | 90-250mm | 90-250mm |
| 開放 | F4.5通し | F4.5通し |
| MF | あり | あり |
| マクロ | 基本なし | あり |
| 通常最短 | 約2m | マクロ時約0.6m・90mm |
| 三脚座 | 基本なし | ありの個体 |
| コーティング | 旧世代 | K-M-C世代 |
| 世代 | 先行 | 後期 |
実物資料では、この3世代を、
- Sankyo Kohki銘SUPER-KOMURA
- KOMURA LENS MFG. LTD銘SUPER-KOMURA TL925
- K-M-C KOMURANON MACRO 925
として整理しています。
今回のレンズは2に相当する可能性が高いモデルです。
SUPER-KOMURA ZOOM 90-250mm F4.5 TL925の主な仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー/ブランド | KOMURA/三協光機系 |
| レンズ名 | SUPER-KOMURA ZOOM |
| モデル表記 | ZOOM 925/TL925系 |
| 用途 | 35mm一眼レフ用 |
| 焦点距離 | 90-250mm |
| ズーム比 | 約2.8倍 |
| 開放F値 | F4.5通し |
| 最小絞り | F22 |
| 光学系 | 資料上13枚 |
| 絞り羽根 | 6枚 |
| フォーカス | MF |
| ズーム | 2リング式 |
| 最短撮影距離 | 約2m・SUPER-KOMURA系 |
| マクロ | TL925では基本なし |
| マウント | KOMURA交換式Uni系 |
| 自動絞り | 対応仕様あり |
| フード | 引き出し式内蔵 |
| フィルター | 初期資料62mm・TL925は現物確認推奨 |
| 重量 | マウント込みで約0.95~1.0kg級の実例 |
| 三脚座 | SUPER-KOMURA系では基本なし |
| AF | なし |
| 手ブレ補正 | なし |
90-250mm F4.5、F22、6枚絞り、2m、13枚という基本仕様は複数のレンズ資料で一致しています。
中古購入時に確認したいポイント
SUPER-KOMURA TL925は、単焦点オールドレンズより確認項目が多いレンズです。
理由は、
ズーム機構+フォーカス機構+絞り+交換式マウント
を持っているからです。
正確なモデル名
まず外装刻印を確認します。
見るべき文字は、
- SUPER-KOMURA
- 1:4.5
- f=90-250mm
- KOMURA ZOOM 925
- KOMURA ZOOM TL925
- KOMURA LENS MFG. LTD
など。
後期の、
K-M-C KOMURANON MACRO 925
なら別モデルです。
「MACRO」と書いてあるか
中古検索では90-250mm F4.5だけで出品されることがあります。
MACRO 925なら最短撮影能力や三脚座などが違います。
今回のTL925を探す場合は、
K-M-C KOMURANON MACRO
と書かれていないことを確認します。
交換マウント
最重要です。
何マウントが付いているか確認します。
商品タイトルより写真を信用した方が安全です。
マウントなし個体
後端に交換マウントが付いていない個体は、そのままカメラへ装着できません。
安価でも注意しましょう。
現在では純正Uniマウント自体を探す必要があります。
マウント固定
交換式マウントが、
- ぐらつく
- 回転する
- ロックしない
- ネジが緩い
個体は避けたいところです。
実際に古いSUPER-KOMURAではマウントの緩みを修理したユーザー例があります。
Nikon F仕様なら非AI確認
Nikon用なら特に慎重に見ます。
非AIならAI連動爪付き一眼レフへ無理に装着してはいけません。TL925のNikon仕様で非AI型の実例があります。
フォーカスリング
2mから∞までゆっくり動かします。
理想は、
- 滑らか
- 適度な重さ
- ガタが少ない
- 引っ掛からない
状態です。
フォーカスリングの回転量
元々大きな回転量を持つレンズなので、
「いっぱい回さないとピントが変わらない」
こと自体は異常ではありません。
むしろ精密MF向けです。
ヘリコイドの固着
古いグリースが硬くなっている個体があります。
途中だけ異常に重い。
一定位置で止まる。
ガリガリする。
場合は要整備です。
無限遠
遠くの建物へ向け、
∞付近でピントが合うことを確認します。
過去に分解清掃された個体では、組み戻し位置がずれている可能性があります。
最短2m
SUPER-KOMURA系なら約2mまで動くことを確認します。
「60cmまで寄れない!」
のは故障ではありません。
60cmマクロは後期Macro 925系です。
ズームリング
90mmから250mmまで全域動かします。
途中で、
- 固い
- ガリガリ
- 引っ掛かる
- 突然軽くなる
症状がないか確認します。
ズームリングが軽すぎないか
実物TL925ではズームリングが比較的軽いという報告があります。
ただしレンズを上・下へ向けただけで勝手に焦点距離が変わるような個体では、摩耗や内部機構の緩みも疑います。
90mm位置
最短側へ確実に到達すること。
250mm位置
望遠端まで確実に動くこと。
途中で止まる個体は避けたいところです。
ズーム中に異音
金属的な、
- ゴリゴリ
- カチカチ
- ガリガリ
がないか確認します。
古いズームは内部のカム機構が複雑なので、単焦点より修理が面倒です。
ズーム時のピント移動
90mmで遠景へ正確にピントを合わせます。
そのまま250mmへ。
ピントが大きく外れないか確認します。
多少の変動は現在の中古個体ではあり得ますが、極端なら内部調整やレンズ群位置を疑います。
光学系のカビ
大型ズームなのでレンズ面が多いです。
正面から一度見ただけでは不十分。
前。
後ろ。
斜め。
ズーム位置も変える。
ライトの角度も変える。
これで確認します。
中玉のカビ
SUPER-KOMURA 90-250mmには中間部へカビが発生し、分解清掃された実例があります。レンズ中央付近で鏡筒を分離して内部へアクセスした修理例も報告されています。
つまり、
前玉がきれい=全部きれい
ではありません。
曇り
カビ以上に注意したい場合があります。
全体が白く霞む曇りがあると、
- コントラスト低下
- 黒浮き
- 逆光で白くなる
- 発色低下
につながります。
古い望遠ズームでは光学面が多いため、わずかな曇りが積み重なることもあります。
コーティング
実物研究では青系・アンバー系の反射を持つレンズ面が確認されています。
色が付いて見えること自体は異常ではありません。
問題は、
- 白濁
- カビ跡
- コーティング剥離
- 強い拭き傷
です。
前玉の傷
大型前玉なので傷を確認します。
少数の細かな傷なら実写影響が軽い場合があります。
しかし深い傷や全面の拭き傷は逆光性能へ影響する可能性があります。
後玉
交換マウントを外せる場合でも、無理に分解する必要はありません。
見える範囲で、
- カビ
- 曇り
- 傷
- 指紋
を確認します。
絞り羽根
F4.5からF22まで確認します。
資料では6枚絞りです。
羽根が、
- 全部動く
- 一枚だけ遅れない
- 極端に形が崩れない
ことを見ます。
絞り羽根の油
自動絞りを利用する場合は重要です。
油で粘っていると撮影時に設定F値まで間に合わず、露出が狂う可能性があります。
F4.5まで完全に開くか
開放位置でも羽根が残っている個体は注意です。
F22まで閉じるか
最小絞り側も確認します。
自動絞り連動
対応マウントを付けたフィルム一眼レフなら、
通常は開放。
シャッター時だけ絞る。
撮影後に開放復帰。
が正常か確認します。
二つの絞りリング
TL925のマウント仕様によっては絞り関連リングが複数あります。
意味を確認せず、
「片方が動かない」
だけで故障と判断しないようにしましょう。
Nikon仕様実例では鏡筒側F22+マウント側リングを使用する方法が確認されています。
フード
引き出し式フードを伸ばします。
- 固着
- ガタ
- へこみ
- 斜めになる
ことがないか確認します。
収納時にも最後まで戻ることを見ます。
フィルター径
ネット資料が62mmと67mmに分かれるため、特にTL925では実測がおすすめです。
無理に違うサイズをねじ込まないでください。
フィルター枠変形
正しいサイズが分かっている場合は、フィルターを軽くねじ込みます。
途中で急に固くなるなら落下による前枠変形を疑います。
鏡筒のへこみ
約1kgの金属レンズです。
落とせば自重で大きな衝撃が加わります。
特に、
- 前枠
- ズームリング
- マウント周辺
を確認します。
へこみ+ズーム不良
外観傷だけなら実用上問題ありません。
しかしへこみと同じ位置でズームリングが固くなるなら、内部カムまで変形している可能性があります。
三脚使用時の注意
SUPER-KOMURA TL925系には三脚座なしの個体があります。
約1kgをボディ側三脚穴だけで支えることになります。
小型ミラーレス+細いアダプターでは特に負荷へ注意しましょう。
手持ちでも必ずレンズ側を支えます。
デジタルで実写確認
フルサイズミラーレスがあれば非常に便利です。
90mm F4.5。
250mm F4.5。
90mm F8。
250mm F8。
を撮影します。
中央だけでなく四隅を見る
ズームレンズなので、
- 中央
- 左右
- 四隅
を比較します。
片側だけ異常に甘ければ、
- レンズ群の偏芯
- 落下
- 分解整備ミス
を疑います。
250mm開放を重点確認
古い望遠ズームの状態差が出やすい条件です。
250mm F4.5で、
- ピント
- コントラスト
- 色収差
- 片ボケ
を確認します。
実写ユーザーからは開放でも十分使えるという評価がある一方、古いコーティングゆえ条件次第で低コントラストになるという報告もあります。
これは個体状態にも大きく左右されます。
逆光撮影
必ず試したい条件です。
画面内または画面外近くに強い光源を置き、
- 白っぽくなる
- ゴースト
- コントラスト低下
を確認します。
古いコーティングの特徴と、内部曇りによる異常を区別しましょう。
順光だけよく写る個体に注意
TL925実写例でも、順光では非常に良好な描写が得られる一方、条件によりコントラスト低下が見られるとされています。
「一枚きれいな作例が撮れた」
だけでは光学状態を判断できません。
90mmと250mm両端でピント確認
ズームの片端だけでは足りません。
90mm。
250mm。
両方で∞を確認します。
中間135~200mm付近も確認するとより安心です。
実写で手ブレに注意
250mm。
約1kg。
手ブレ補正なし。
この組み合わせでは手ブレがレンズの甘さに見えることがあります。
フィルムなら1/500秒など高速を使用。
デジタルなら三脚やボディ内手ブレ補正を使いましょう。
「写りが甘い=レンズ不良」とは限らない
250mmのMF。
古いファインダー。
低速シャッター。
約1kg。
かなりピント・手ブレの条件が厳しいレンズです。
中古テストはできれば三脚・ライブビュー拡大を使い、レンズそのものの性能と撮影ミスを切り分けます。
SUPER-KOMURA TL925が向いている人
このレンズは次のような人に向いています。
- KOMURAレンズを集めている人
- 昭和の国産サードパーティーレンズが好きな人
- 全金属ズームが好きな人
- 90-250mmという珍しいレンジを楽しみたい人
- F4.5通しズームが欲しい人
- MF望遠を楽しみたい人
- ミラーレスでオールドレンズを使いたい人
- 交換式マウントのメカニズムが好きな人
- 大きく重いレンズそのものにロマンを感じる人
特に、
「現代の70-300mmでは味気ない」
というオールドレンズ好きには刺さる一本です。
向いていない場合
一方、
- AFが必要
- 軽い望遠が欲しい
- 手ブレ補正が欲しい
- 1m以下まで寄りたい
- 300mmまで欲しい
- 速くズームしたい
- 純正マウントの互換性で悩みたくない
- 電子接点によるEXIF記録が欲しい
人には現代レンズの方が圧倒的に便利です。
これは便利さで選ぶレンズではありません。
機械と時代を楽しむレンズです。
後期KOMURANON Macro 925を選ぶべき人
近接撮影をしたいなら後期Macro 925が有利です。
90mm側で約0.6mまで寄れ、三脚座付き仕様も確認されています。
一方、初期~TL925系には、
- SUPER-KOMURA銘
- 金属外装
- 旧世代のコーティング
- Uni交換マウント
という時代性があります。
歴史性ならこちら。
実用性なら後期Macro。
という見方もできます。
まとめ
SUPER-KOMURA ZOOM 90-250mm F4.5 TL925は、KOMURAが製造した35mm一眼レフ用の大型MF望遠ズームです。
基本仕様は、
- 90-250mm
- F4.5通し
- F22
- 13枚構成
- 6枚絞り
- MF
- 最短約2m
- 2リングズーム
- 交換式Uni系マウント
- 自動絞り対応仕様
- 引き出し式内蔵フード
です。
そして、このレンズ最大の特徴は、
90mmから250mmまでF4.5が変わらないこと。
現在ならカメラが自動的にISOやシャッター速度を変えてくれます。
しかしこのレンズが登場した時代。
フィルム感度は固定。
露出は機械式。
そんな環境では、
ズームしてもF値が変わらないこと自体が大きな武器でした。
さらにマウントまで交換できる。
Nikonへ付ける。
別のマウントユニットへ交換する。
別メーカーの一眼レフへ移す。
一本の高価なレンズを長く使うための合理的な発想です。
ただし現在中古で買うなら確認すべきポイントは多くあります。
- SUPER-KOMURA TL925か後期Macro 925か
- 交換マウントが付属するか
- マウントの種類
- Nikonなら非AI干渉
- カビ
- 中玉の曇り
- コーティング
- フォーカスリング
- ズームリング
- 90~250mm全域
- 無限遠
- 最短約2m
- F4.5~F22
- 絞り羽根
- 自動絞り
- マウント固定
- 内蔵フード
- フィルター径
- 片ボケ
- 250mm開放での実写
特にマウントは重要です。
「SUPER-KOMURA 90-250mm F4.5を買った」だけでは、まだカメラに付くとは限りません。
Uni交換マウントまで含めて一本のレンズと考えましょう。
そして重量。
ほぼ1kg。
90mmから250mmへズームするだけで、リングをグルグル回す。
AFなどない。
手ブレ補正もない。
最短2m。
現代の望遠ズームと比べれば、あまりにも不便です。
だが鏡筒は金属。
ズーム全域F4.5。
マウントまで交換式。
そして半世紀以上経った現在でも、状態さえ良ければフルサイズデジタルへ像を結ぶ。
SUPER-KOMURA ZOOM 90-250mm F4.5 TL925は、「望遠レンズ数本を一本にまとめる」というズームレンズ本来の夢を、約1kgの金属とガラスで真正面から実現した、KOMURA全盛期の重量級望遠ズームです。









