SMC PENTAX-A 645 75mm F2.8とは?初代PENTAX 645を代表する標準レンズを徹底解説
SMC PENTAX-A 645 75mm F2.8は、PENTAX 645シリーズ用のマニュアルフォーカス標準単焦点レンズです。
PENTAXは1984年にプロユースを想定した中判一眼レフ「PENTAX 645」を発売しました。PENTAX公式の歴史資料でも、1984年に645判プロ用一眼レフとしてPENTAX 645が登場したことが確認できます。
その初代PENTAX 645と組み合わせる標準レンズとして代表的なのが、
smc PENTAX-A 645 75mm F2.8
です。
645判で75mmは標準域にあたり、35mm判の50mm前後に近い自然な画角で撮影できます。
さらに中判レンズでありながら、代表的な仕様では約240g、全長約37.5mmという非常にコンパクトな設計です。光学系は5群6枚、絞り羽根8枚、最短撮影距離0.6m、フィルター径58mmとされています。
最大の特徴は、名称にある「A」。
このレンズには絞りリングのA位置があり、初代PENTAX 645ではA位置に設定することでカメラ側から絞りを制御できます。
純正取扱説明書では、A位置に設定した場合、
- プログラム自動露出
- 絞り優先自動露出
- シャッター優先自動露出
を利用できることが明記されています。
一方、オートフォーカス機構はありません。
AはAFの意味ではありません。
初代645はもちろん、後の645N、645NII、645D、645Zへ装着した場合でも、基本的にピント合わせは手動です。
この記事では、SMC PENTAX-A 645 75mm F2.8の特徴、画角、A位置、初代645での露出制御、645Nやデジタル645での互換性、後継FA645 75mm F2.8との違い、中古購入時の注意点まで詳しく解説します。
SMC PENTAX-A 645 75mm F2.8とは
SMC PENTAX-A 645 75mm F2.8は、PENTAX 645Aマウントを採用した中判用標準単焦点レンズです。
1984年に登場した初代PENTAX 645は、それまでの中判カメラに対して電子化・自動化を大きく進めたモデルでした。
絞りやシャッター速度を電子的に表示し、モーターによるフィルム送りまで内蔵。
その一方、A645世代の交換レンズはマニュアルフォーカスです。
つまり、
ピントは人間が合わせるが、露出制御はカメラが積極的に支援する
というシステムでした。
75mm F2.8は、その性格を最も分かりやすく味わえる標準レンズです。
645判では75mmが標準レンズ
35mmフィルムカメラで75mmと聞けば、人物撮影などに使いやすい短い望遠レンズを思い浮かべるでしょう。
しかし645判では撮影面積が35mm判より大きいため、同じ75mmでも画角は広くなります。
その結果、75mmはおおむね35mm判50mm前後に近い標準域になります。
主要なPENTAXレンズ資料でもA645 75mm F2.8は「Normal」、つまり標準レンズとして扱われています。
極端な広角でも望遠でもないため、
人物、風景、街歩き、旅行、静物、家族写真など幅広い用途へ対応できます。
PENTAX 645を初めて使う人が最初の一本として選びやすい焦点距離です。
中判らしい自然な立体感を楽しめる
75mm F2.8は極端なレンズではありません。
だからこそ、中判そのものの特徴を楽しみやすくなります。
近距離では背景を柔らかくぼかす。
少し引けば人物と背景を自然なバランスで入れる。
F8前後まで絞れば風景や建物にも使う。
「中判だから特別なものを撮らなければならない」ということはありません。
日常的な被写体を645判で撮る。
それに向いているレンズです。
開放F2.8
開放絞りはF2.8。
最小絞りはF22です。
35mm判の標準レンズならF1.4やF1.8も一般的ですが、中判ではより大きなイメージサークルを必要とします。
そのため75mm F2.8は十分に明るい標準レンズです。
近距離でF2.8を使えば被写界深度が浅くなり、人物や静物を背景から浮かび上がらせることができます。
ただし、中判+F2.8ではピントもシビアになります。
マニュアルフォーカスなので、開放撮影ではファインダーをよく確認しましょう。
5群6枚構成
代表的なレンズ資料では、光学構成は5群6枚です。
絞り羽根は8枚。
最短撮影距離は0.6m。
最大撮影倍率は約0.18倍。
フィルター径は58mmです。
興味深いことに、後継のsmc PENTAX-FA645 75mm F2.8もメーカー公式仕様で、
5群6枚、8枚絞り、0.6m、0.18倍、58mm
という非常によく似た基本スペックを持っています。
ただし、これだけでA版とFA版の光学設計が完全に同一と断定するのは避けた方がよいでしょう。
確実に言えるのは、
A版とFA版は基本仕様が非常によく似ている
ということです。
SMCコーティング
名称の「SMC」はPENTAXが長年採用してきた多層膜コーティングを示します。
レンズ面で発生する反射を抑え、フレアやゴースト、コントラスト低下を抑制するための技術です。
ただし中古レンズでは、
「SMCだから安心」
ではありません。
製造から長い年月が経過しているため、現在はカビ、曇り、拭き傷、コーティングの状態など個体差の方が重要です。
最短撮影距離0.6m
最短撮影距離は60cmです。
75mmの標準レンズとして扱いやすく、
人物の上半身、花、料理、商品、小物などにもある程度寄れます。
最大撮影倍率は約0.18倍なので本格的なマクロレンズではありません。
しかし日常的な静物撮影なら十分便利です。
フィルター径58mm
フィルター径は58mmです。
現在でも比較的一般的なサイズなので、
保護フィルター、ND、PLなどを探すのは難しくありません。
後継FA645 75mm F2.8も58mm径で、リコーイメージング公式ではRH-A58フードが案内されています。
約240gという軽さ
A645 75mm F2.8の代表的な仕様では重量約240g。
最大径約74mm、全長約37.5mmです。
これがこのレンズの大きな魅力です。
中判用レンズというと巨大で重い製品を想像しがちですが、75mm F2.8は非常に薄型です。
大柄なPENTAX 645へ装着しても、レンズ側の重量負担が少なくなります。
「中判を持ち出すのが面倒」という問題を、少しだけ軽くしてくれるレンズです。
PENTAX 645Aマウント
このレンズは645Aマウントです。
ここは35mm判PENTAXユーザーにとって注意点です。
PENTAXには35mm一眼レフ用にも、
SMC PENTAX-A 50mm F1.4
などのAシリーズレンズがあります。
しかし、そちらはKマウント系。
今回のレンズは、
SMC PENTAX-A 645
です。
「645」が付くことでマウント規格がまったく違います。
35mm用PENTAX Super Aなどへ直接装着することはできません。
「A」はオートフォーカスの意味ではない
中古で最も勘違いしやすいところです。
SMC PENTAX-A 645 75mm F2.8はMFレンズです。
A位置はカメラ側から絞りを制御するためのものです。
A位置へ入れてもAFレンズにはなりません。
ピントリングは自分で回します。
初代PENTAX 645ではA位置が重要
初代PENTAX 645の純正取扱説明書を見ると、絞りリングをAへ設定した場合に、
プログラム自動露出、絞り優先自動露出、シャッター優先自動露出
を利用できることが明記されています。
この部分がA645レンズの大きな特徴です。
プログラムAE
Pモードでは被写体の明るさに応じて、カメラが絞りとシャッター速度を同時に決定します。
撮影者は主にピントと構図へ集中できます。
中判一眼レフでありながら、かなり気軽に撮影できます。
絞り優先AE
絞り優先では希望するF値を選び、カメラが適切なシャッター速度を設定します。
純正取扱説明書ではA位置のままカメラ側のボタンでF値を選択でき、開放側F2.8から最小絞り側F22まで1/2段刻みで変更できることが確認できます。
人物ならF2.8。
一般撮影ならF5.6。
風景ならF8~F16。
といった使い方ができます。
シャッター優先AE
A位置ではシャッター優先AEも利用できます。
撮影者がシャッター速度を選び、カメラが必要なF値を自動設定します。
動く人物なら高速シャッター。
意図的に動感を出したいなら低速。
といった撮影ができます。
A位置を使わず絞りリングを直接操作することも可能
A645レンズだからといって、必ずA位置で使わなければならないわけではありません。
絞りリングをF2.8~F22へ直接設定して撮影できます。
初代645の取扱説明書では、レンズ側でF値を設定した場合、
絞り優先AE、マニュアル露出、1/60秒固定、B
などが利用できることが示されています。
つまり、
電子制御も使えるが、昔ながらの絞りリング操作も残っている。
このバランスがA645シリーズの面白いところです。
初代645でのピント合わせは完全MF
初代PENTAX 645にはAF機能がありません。
ファインダー中央部にはピント合わせを支援する、
スプリットイメージ、マイクロプリズム、マット面
が用意されています。
F2.8の明るい75mmなら、標準スクリーンでも比較的ピントを合わせやすいでしょう。
開放F2.8で人物などを撮影する場合は、スプリットイメージだけでなくマット面でも最終確認すると安心です。
PENTAX 645Nでも使用できる
1997年に登場したPENTAX 645NはAF中判一眼レフですが、A645レンズも使用できます。
ただしA645レンズ自体にはAF駆動機構がないため、ピントは手動です。
645Nの純正取扱説明書にはマニュアルフォーカス時の操作方法が記載され、距離リングを手で回して合焦させることが案内されています。
645Nでは合焦マークを利用できる
645NではMFでもファインダー内の合焦マークを利用できます。
レンズの距離リングを回し、ピントが合うと合焦マークが点灯します。
メーカー取扱説明書では、この合焦マークを利用できるのは基本的に開放F5.6以上明るいレンズとされています。
75mm F2.8なら十分条件を満たします。
つまり、
レンズはMFだが、カメラが「そこ、ピント合ってます」と教えてくれる
わけです。
これは初代645から645Nへ乗り換えた場合の大きなメリットです。
645NIIでもMFレンズとして使用可能
645NIIも645Nの基本マウント互換性を継承しています。
A645 75mm F2.8を装着した場合、基本的にはMFレンズとして使用します。
AFが必須なら後述するFA645 75mm F2.8を選ぶ方が適しています。
645Dにも使用可能
PENTAX 645DでもA645レンズを使用できます。
これはメーカー公式FAQで明記されています。
使用できるレンズとして、
D FA645、FA645、A645、645LS
が挙げられています。
ただしA645レンズではAFは作動せず、マニュアルフォーカスになります。
さらにメーカーは、
- レンズ収差補正に非対応
- Exifへの使用レンズ記録に非対応
という制限も案内しています。
645Zにも使用可能
645ZでもA645レンズを使用できます。
メーカー公式FAQではA645レンズについて、MF撮影に対応し、RGB測光やP-TTLオートフラッシュも使用可能とされています。
一方、レンズ補正機能には対応しません。
つまり1980年代のレンズをデジタル中判へ直接装着できますが、最新D FA645レンズと同じ機能がすべて使えるわけではありません。
デジタル645では少し長めの標準になる
645Dや645Zのセンサーは645フィルムの撮影面より小さいため、同じ75mmでもフィルム645より画角が狭くなります。
メーカー公式の645Z資料では、75mmレンズは35mm判換算約59mm相当として示されています。
したがって、
フィルム645では自然な標準レンズ。
645D・645Zでは少し長めの標準レンズ。
という違いがあります。
SMC PENTAX-FA645 75mm F2.8との違い
後継にあたるのがsmc PENTAX-FA645 75mm F2.8です。
FA版最大の違いはAF対応です。
メーカー公式仕様ではFA645 75mm F2.8は、
75mm F2.8、5群6枚、8枚絞り、最短0.6m、最大倍率0.18倍、58mmフィルター、全長37.5mm、215g
です。
A版の代表的仕様と比較すると次のようになります。
| 項目 | SMC PENTAX-A 645 75mm F2.8 | smc PENTAX-FA645 75mm F2.8 |
|---|---|---|
| フォーカス | MF | AF・MF |
| 開放F値 | F2.8 | F2.8 |
| 最小絞り | F22 | F22 |
| 光学構成 | 5群6枚 | 5群6枚 |
| 絞り羽根 | 8枚 | 8枚 |
| 最短撮影距離 | 0.6m | 0.6m |
| 最大倍率 | 約0.18倍 | 0.18倍 |
| フィルター径 | 58mm | 58mm |
| 全長 | 約37.5mm | 37.5mm |
| 重量 | 約240g | 215g |
| AF | なし | あり |
| 絞りリング | あり | あり |
A版仕様は主要レンズ資料、FA版はリコーイメージング公式仕様によります。
初代645ならA版でも困りにくい
初代PENTAX 645そのものにAF機能はありません。
そのため初代645だけで使用するのであれば、FA版を選んでもAFという最大のメリットを生かせません。
A版なら、
- MF用フォーカスリング
- 絞りリング
- A位置
- 小型軽量
という初代645本来の操作感をそのまま楽しめます。
645N・645NIIならFA版のメリットが大きい
一方645N・645NIIで素早く撮影したいならFA645 75mm F2.8が便利です。
AFを利用できるためです。
A版を選ぶ理由は、
- MF操作が好き
- すでに所有している
- 中古価格差
- 初代645と併用する
といった場合でしょう。
645 LS 75mm F2.8とは別レンズ
PENTAX 645シリーズには645 LS 75mm F2.8という別モデルもあります。
リコーイメージングのアクセサリー情報でもLS75mm F2.8は通常の標準レンズとは別に「特殊レンズ」として記載されています。
LSはレンズシャッターを内蔵するタイプです。
今回のSMC PENTAX-A 645 75mm F2.8とは別物なので、中古購入時には注意しましょう。
SMC PENTAX-A 645 75mm F2.8の主な仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| レンズ形式 | 645判用標準単焦点 |
| マウント | PENTAX 645A |
| 焦点距離 | 75mm |
| 開放F値 | F2.8 |
| 最小絞り | F22 |
| 光学構成 | 5群6枚 |
| 絞り羽根 | 8枚 |
| フォーカス | マニュアル |
| 最短撮影距離 | 0.6m |
| 最大撮影倍率 | 約0.18倍 |
| フィルター径 | 58mm |
| 絞りリング | あり |
| A位置 | あり |
| 自動絞り | あり |
| AF | なし |
| 最大径 | 約74mm |
| 全長 | 約37.5mm |
| 重量 | 約240g |
| 初代645 | 対応 |
| 645N/NII | MFで使用可能 |
| 645D | MFで使用可能 |
| 645Z | MFで使用可能 |
レンズ固有の代表的仕様はPENTAX系レンズデータベース、カメラとの互換性はメーカー公式資料を基準としています。
中古購入時に確認したいポイント
SMC PENTAX-A 645 75mm F2.8は電子部品の少ないMFレンズですが、中古確認は意外と多岐にわたります。
特にA位置と自動絞り機構は、単純な完全手動レンズにはないチェックポイントです。
正確なモデル名
まず前玉周辺を確認します。
目的のレンズは、
smc PENTAX-A 645 1:2.8 75mm
です。
似たものに、
- smc PENTAX-FA645 75mm F2.8
- 645 LS 75mm F2.8
があります。
「PENTAX 645 75mm F2.8」とだけ書かれた出品では、必ず写真を確認しましょう。
A版とFA版を間違えない
A版はMF。
FA版はAF対応。
見た目も似ていますが機能は違います。
645Nや645ZでAFを使いたい人がA版を買うと、
「壊れてる!AFしない!」
となります。
故障ではありません。
仕様です。
35mm用PENTAX-Aとも混同しない
名称にPENTAX-AとあるだけでKマウントだと思わないようにします。
銘板に645と入っていることを確認しましょう。
カビ
強い光を斜めから当てます。
糸状、蜘蛛の巣状の模様がないか確認します。
少量のチリより、カビの方を優先して判断しましょう。
曇り
レンズ内部が白く霞んでいないか確認します。
曇りが強い個体では、
コントラスト低下、逆光時の白っぽさ、黒浮き
などが起こります。
中判の大きなフィルム面を生かすなら、透明度の高い個体を選びたいところです。
前玉・後玉の傷
前玉だけでなく後玉も確認します。
特にリアキャップなしで保管された個体では後玉へ傷や指紋が付いている場合があります。
深い傷は避けたいところです。
コーティング
SMC特有の色付き反射そのものは異常ではありません。
見るべきなのは、
- まだらな剥離
- カビ跡
- 深い清掃傷
- 強い白濁
です。
ヘリコイド
フォーカスリングを0.6mから∞までゆっくり回します。
適度な抵抗感で滑らかに動くことが理想です。
途中だけ極端に重い個体は古いグリースの硬化などを疑います。
フォーカスリングが軽すぎる個体
スカスカなのも理想ではありません。
レンズを上下へ向けただけでピントリングが動くようなら、グリース抜けや過去の整備状態を確認したいところです。
無限遠
遠景へ向けて∞位置付近でピントが合うか確認します。
過去に分解されたレンズではヘリコイドの組み直し位置がずれている場合があります。
最短0.6m
最短側まで正常に動き、近距離へピントを合わせられることも確認します。
開放F2.8で実写する
中古確認ではF8だけで撮ってはいけません。
F2.8で撮影した方が、
- ピントずれ
- 偏芯
- 片ボケ
- 球面収差などによる描写変化
を確認しやすくなります。
人物や細かい文字を狙って実写しましょう。
片ボケ
平らな壁や遠景の建物を正面から撮影します。
左右で極端な解像差がないか確認します。
落下や不適切な分解で光学系が偏芯している個体では、一方だけ甘くなることがあります。
絞りリング
F2.8からF22まで順番に回します。
クリックが明確で、途中に異常な引っ掛かりがないことを確認します。
A位置
非常に重要です。
A位置へ確実にセットできることを確認します。
初代645ではA位置を使うことでP・Av・Tvの各自動露出を活用できます。
A位置のロック機構
Aへ入れる際のロックボタンも確認します。
- 押せる
- 戻る
- A位置で保持できる
- 勝手に解除されない
ことが重要です。
絞り羽根
マウント側の絞り連動機構を慎重に操作します。
羽根が、
- 素早く閉じる
- 素早く開く
- 一枚だけ遅れない
- 形が崩れていない
ことを確認します。
絞り羽根の油
羽根表面に油が付いていないか見ます。
A645レンズは撮影時に自動絞りを利用するため、羽根が粘っていると設定F値まで閉じるのが遅れ、露出に影響する可能性があります。
自動絞りの確認
初代645へ装着してF8などで撮影します。
ファインダー観察中は開放。
シャッターを切った瞬間だけF8。
撮影後すぐ開放へ戻る。
この動きが理想です。
A位置でPモードを確認
初代645へ装着し、絞りをAへします。
Pモードを選び、明るい場所と暗い場所へ向けます。
シャッター速度とF値の両方が変化することを確認します。
A位置でAvを確認
純正取扱説明書どおり、カメラ側からF2.8、F5.6、F11などを変更します。
表示と実際の絞り制御が正常に連動することを確認します。
A位置でTvを確認
シャッター速度を変更し、それに応じてカメラ側がF値を変更することを確認します。
A以外の絞りでも確認
F2.8やF8へ直接設定し、絞り優先AEまたはマニュアル露出で正常に利用できることを確認します。
純正取扱説明書でも、絞りリングを各F値へ設定した場合の使用方法が案内されています。
マウント
金属マウントに、
- 強い摩耗
- 曲がり
- 大きな打痕
- ネジ緩み
がないか確認します。
ボディへ装着したときのガタ
装着後に大きくガタつかないことを確認します。
多少の機械的な遊びと、明らかなマウント変形によるガタは区別しましょう。
フィルター枠
58mmフィルターを実際にねじ込めれば理想です。
落下で前枠が変形していると途中で入らなくなります。
無理にねじ込まないようにしましょう。
フード・キャップ
純正または対応フード、フロントキャップ、リアキャップがあれば保管や実用面で便利です。
ただし付属品の有無より、レンズ本体の光学状態を優先しましょう。
645Nで確認する場合
A645レンズはAFしないのが正常です。
距離リングを手で回します。
645Nではファインダー内の合焦マークを利用できます。
合焦マークが適切な位置で点灯するか確認すると、MF撮影の使い勝手を判断できます。
645D・645Zならレンズ確認がしやすい
デジタル645を持っていれば、中古レンズのテストには非常に便利です。
F2.8、F5.6、F11などで撮影し、拡大表示します。
カビや曇りそのものだけでなく、
- ピント
- 片ボケ
- コントラスト
- 絞り連動
をすぐ確認できます。
A645レンズは645D・645ZでMF使用可能です。
SMC PENTAX-A 645 75mm F2.8が向いている人
このレンズは、初代PENTAX 645を使いたい人には特に相性のよい一本です。
標準画角なので用途を限定しません。
F2.8で人物も撮れる。
絞れば風景も撮れる。
0.6mまで寄れる。
そして約240g。
中判用レンズとして非常に軽量です。
また、MFが苦にならないなら645N/NII、645D、645Zでも楽しめます。
向いていない人
AFを重視するならFA645 75mm F2.8の方が適しています。
マクロ撮影が中心なら120mm Macro系。
より広い画角が必要なら55mmや45mm。
人物を望遠的に撮りたいなら150mm系。
用途によって選び分けましょう。
初代PENTAX 645で最初の一本として有力
PENTAX 645を中古でボディだけ入手したとします。
何を付けるか。
特殊な広角や望遠へ行く前に、75mm F2.8は非常に分かりやすい選択です。
画角が自然。
明るい。
軽い。
A位置でカメラの自動露出をフル活用できる。
そしてMF操作そのものも楽しめる。
PENTAX 645というシステムを理解するための基準レンズ
として優秀です。
まとめ
SMC PENTAX-A 645 75mm F2.8は、PENTAX 645システムを代表する中判標準単焦点レンズです。
PENTAX 645自体は1984年に登場しました。
75mm F2.8は645判で自然な標準画角を持ち、代表的な仕様では5群6枚、8枚絞り、最短0.6m、58mmフィルター、約240gという非常にコンパクトなレンズです。
そして、このレンズを理解するうえで最も重要なのが「A」です。
AはAFではありません。
フォーカスはMFです。
A位置は、カメラ側から絞りを制御するための位置です。
初代PENTAX 645ではA位置にすることで、プログラムAE、絞り優先AE、シャッター優先AEを活用できます。
さらにA位置を解除してF値を直接選び、絞り優先AEやマニュアル露出を使うこともできます。
後にAF対応の645Nが登場しても、このレンズはMFレンズとして使用可能。
645Nでは合焦マークを利用して手動でピントを合わせられます。
さらにメーカー公式に、645Dと645ZでもA645レンズの使用が認められています。
AFは使えません。
しかしMFで撮影できます。
中古購入では、単にレンズがきれいかだけではなく、
カビ・曇り、ヘリコイド、F2.8での実写ピント、絞り羽根、A位置、Aロック、ボディとの絞り連動
まで確認することが重要です。
特にA位置はこのレンズの存在意義そのもの。
そこが正常に働かなければ、単なる手動絞りMFレンズとしては使えても、初代645との高度な連動を十分に楽しめません。
中判レンズなのに小さい。
中判レンズなのに軽い。
標準レンズなので被写体を選ばない。
そして1980年代の初代645から、AF世代の645N、デジタル中判の645D・645Zまで使える。
SMC PENTAX-A 645 75mm F2.8は、PENTAX 645の巨大なシステムを最もシンプルに、最も軽快に楽しめる「基本の75mm」です。









