ペトリ PETRI FT + C.C Auto 55mm F1.8

ペトリ PETRI FT + C.C Auto 55mm F1.8

PETRI FTとは?TTL絞り込み測光を搭載した機械式一眼レフの特徴と中古購入時の注意点

PETRI FTは、ペトリカメラが1967年に発売した35mmフィルム一眼レフカメラです。

1960年代半ばから国産一眼レフで急速に普及していったTTL露出計を搭載し、撮影レンズを実際に通った光を測定できます。

ただし、後年の一眼レフで一般的となった「開放測光」ではありません。

PETRI FTが採用したのは、

TTL絞り込み測光。

撮影時に使うF値までレンズを実際に絞り、その状態で内蔵CdS露出計を動かします。

さらに、

  • 35mmフィルム
  • 24×36mm
  • B・1秒~1/1000秒
  • 機械式フォーカルプレーンシャッター
  • CdS TTL露出計
  • ASA25~1600
  • 独自Petri FTマウント
  • 完全自動絞り
  • Micromic Lensフォーカシング
  • 標準55mm F1.4または55mm F1.8
  • 露出計以外は電池不要

という仕様を備えています。

現在から見ると非常にシンプルなMF一眼レフですが、独特なのが操作系です。

ボディ前面へ斜めに突き出したシャッターボタン。

その横に配置された大きなフォトメーターレバー。

カメラ側のリングを回して固定する独自マウント。

どこを見ても、NikonやCanon、PENTAXとはひと味違う。

「ペトリらしさ」が猛烈に濃い一眼レフです。

この記事ではPETRI FTの特徴、TTL測光、Petri FTマウント、標準レンズ、後継モデルとの違い、そして中古購入時に確認したいポイントまで詳しく解説します。

目次

PETRI FTは1967年発売

PETRI FTは1967年4月に発売されたとされています。

前年の1966年には「PETRI BTL」という名称でカメラショーに出品され、その後PETRI FTとして市販されました。

ペトリにとって、本格的なTTL絞り込み測光を搭載した重要な一眼レフです。

標準55mm F1.8付きの当時資料では、

約149×94×90mm。

重量約900g。

という数値が残っています。

現在のミラーレスカメラと比べれば重い。

しかし1960年代の金属製一眼レフらしい、ずっしりした存在感があります。

35mmフィルムを使用

使用フィルムは一般的な135・35mmフィルム。

画面サイズは、

24×36mm。

現在でも普通に販売されている、

カラーネガ。

モノクロ。

リバーサル。

などを使用できます。

特殊なフィルム規格ではありません。

PETRI FT最大の特徴はTTL露出計

PETRI FTにはCdS受光素子を利用したTTL露出計が搭載されています。

TTLとは、

Through The Lens。

撮影レンズを実際に通過した光を測定する方式です。

外付け露出計やボディ前面の外光式メーターと違い、

交換レンズを変えても、

フィルターを装着しても、

接写アクセサリーを使用しても、

実際にフィルム面へ向かう光を基準として露出を判断できます。

1960年代の一眼レフでは大きな進歩でした。

ただし開放測光ではない

ここがPETRI FTを理解するうえで最重要です。

PETRI FTは、

TTL=開放測光

ではありません。

測光するときには撮影絞りまで実際にレンズを閉じます。

つまりF8で撮るならF8。

F11ならF11。

その状態で露出を測ります。

これを、

絞り込み測光

といいます。

PETRI FTの露出測定方法

基本操作はシンプルです。

まず使用フィルムのASA感度を設定します。

次に、撮影したいシャッター速度を決めます。

カメラを被写体へ向けます。

ボディ前面のフォトメーターレバーを操作。

すると露出計が作動し、同時にレンズが実絞りになります。

その状態で絞りリングを回します。

ファインダー内の露出計指針が適正位置へ来たところが適正露出です。

例えば、

ISO100。

1/125秒。

で測光。

指針が合うのがF5.6なら、

1/125秒・F5.6。

で撮影。

という流れです。

シャッター速度も絞りも自分で決める

PETRI FTにはAEはありません。

カメラが自動で、

F5.6にしよう。

1/250秒にしよう。

とは決めません。

露出計は、

「今の設定なら適正です」

と教えるだけ。

撮影者がシャッター速度を設定。

撮影者がF値を設定。

つまり完全マニュアル露出です。

測光範囲はASA100でおおむねLV3~18

純正説明書には、ASA100使用時のメーター連動範囲として約LV3~18のチャートが掲載されています。

かなり幅広い明るさへ対応しています。

ただし現在中古で重要なのは公称測光範囲よりも、

50年以上経過した露出計がまだ正確か

という問題です。

CdS。

抵抗。

電池接点。

配線。

可変抵抗。

これらは経年変化します。

「針が動いた!」

だけでは完動とはいえません。

露出計用電池は1.3V水銀電池

純正指定は1.3VのPX-13系水銀電池です。

もちろん現在は同じ水銀電池を普通に購入できません。

そのため現代では、

  • 電圧変換式アダプター
  • 適切な代替電池
  • 外部露出計
  • スマートフォン露出計

などを利用します。

1.5V電池を入れれば終わり、とは限らない

元々1.3Vを前提とした露出計へ異なる電圧を与えると、測光値がずれる可能性があります。

特に中古商品で、

「露出計作動しました」

とだけ書かれている場合は注意。

作動。

と、

正確。

は別です。

実用するなら外部露出計と比較しましょう。

シャッターそのものに電池は不要

これはPETRI FTの大きな長所です。

電池を使用するのは露出計。

シャッターは機械式です。

したがって、

露出計不動。

電池なし。

でも、機械部分が正常なら撮影できます。

露出はスマートフォンで測ればいい。

シャッターはPETRI FTで切る。

という使い方が可能です。

1960年代電子カメラに比べると、現在でも生き残りやすい構造です。

シャッターはB・1秒~1/1000秒

PETRI FTはフォーカルプレーンシャッターを搭載します。

速度は、

  • B
  • 1秒
  • 1/2秒
  • 1/4秒
  • 1/8秒
  • 1/15秒
  • 1/30秒
  • 1/60秒
  • 1/125秒
  • 1/250秒
  • 1/500秒
  • 1/1000秒

です。

1967年の実用一眼レフとして非常に標準的で扱いやすい構成です。

最高1/1000秒

晴天。

ISO100。

明るいレンズ。

という条件でも1/1000秒が使えます。

人物。

動体。

屋外スナップ。

などでも十分実用的です。

現在中古では、最高速度が存在することより、

本当に1/1000秒相当で幕が正常に走っているか

の方が重要です。

フラッシュシンクロ

PETRI FTはFP・M・Xのシンクロ機構を備えています。

当時は、

フラッシュバルブ。

FP級バルブ。

電子ストロボ。

など複数種類の閃光光源が存在したためです。

現代の電子ストロボを使用する場合はXシンクロを使います。

資料では電子ストロボの同調速度は1/60秒とされています。

PETRI独特の斜め前面シャッターボタン

外観でPETRI FTを見分けるならここです。

シャッターボタンは一般的な軍艦部上面ではありません。

ボディ正面右側へ、

斜め前方に突き出しています。

指を自然に掛けると、人差し指で後方へ押し込むような操作になります。

非常に独特。

しかし実際に構えてみると、意外に理にかなった配置でもあります。

PETRI FTの写真を見て、

「あ、この斜めボタンだ」

と分かるくらい象徴的です。

シャッターボタン横のフォトメーターレバー

そして、そのすぐ横に大きなレバーがあります。

これがTTL測光に使うフォトメーターレバー。

このレバーを操作すると、

露出計が作動。

レンズが設定F値へ絞り込まれる。

ファインダー内で測光。

という流れになります。

現在のカメラから見るとかなり大げさ。

しかし、

「測光する」という操作そのものを機械で行っている

感覚があります。

独自のMicromic Lensフォーカシング

ファインダーは固定式ペンタプリズム。

中央にはPETRIが「Micromic Lens Focusing」と呼んだフォーカシング補助があります。

スプリットイメージのように像が二分される方式ではありません。

ピントが外れている状態では中央部へ細かな網目状・ちらつき状のパターンが現れます。

ピントを合わせていくと、それが消え、像が明瞭になります。

1960年代らしい独自のMF補助機構です。

スプリットがなくても異常ではない

中古PETRI FTを初めて覗いて、

「中央に上下分割がないぞ!」

となっても故障とは限りません。

純正スクリーン自体がMicromic Lens方式です。

標準レンズは55mm F1.4と55mm F1.8

純正説明書には二種類の標準レンズが記載されています。

PETRI 55mm F1.4

光学構成は、

5群7枚。

明るい大口径標準レンズです。

フィルター径は55mm。

1960年代国産標準レンズとしてかなり魅力的なスペックです。

PETRI 55mm F1.8

こちらは、

4群6枚。

フィルター径52mm。

F1.4より少し暗いものの、日常撮影なら十分に明るい標準レンズです。

中古市場ではF1.8付きの個体も比較的よく見られます。

55mmという焦点距離

現在は50mmが標準レンズの定番ですが、1960年代には、

55mm。

57mm。

58mm。

も珍しくありませんでした。

PETRI FTの55mmもそのひとつ。

50mmよりほんの少し狭い画角で、

人物。

街。

旅行。

静物。

家族写真。

など幅広く撮影できます。

APS-Cデジタルへアダプター経由で使用すれば、35mm判換算82mm前後となり、ポートレート的な画角になります。

完全自動絞り

PETRI標準レンズにはA/M切り替えがあります。

AはAUTO。

MはMANUAL。

A位置

通常ファインダー観察中は開放。

例えば絞りリングをF8へ設定しても、レンズはF1.8のまま。

シャッターを切る瞬間だけF8へ閉じます。

露光後すぐ開放へ戻ります。

これによって明るいファインダーでピント合わせできます。

M位置

設定したF値へその場で絞り込みます。

F8ならF8。

F16ならF16。

被写界深度確認などに使用できます。

PETRI FTは独自マウント

ここは中古購入で超重要です。

PETRI FTは、

M42ではありません。

Nikon Fでもありません。

Pentax Kでもありません。

独自のPetri FT系マウントです。

純正説明書では「Petri bayonet lens mount」と表現されていますが、実際の固定方式は一般に、

ブリーチロック式

として分類されます。

ブリーチロックとは

一般的なバヨネットでは、

レンズ本体をボディへ差し込む。

レンズ全体を回す。

ロック。

となります。

Petri FTマウントでは、

レンズを所定位置へ合わせる。

カメラ側の固定リングを回す。

これによってレンズを締結します。

Canon旧FDなどを知っている人なら、ブリーチロックという考え方自体は分かりやすいでしょう。

Petriでは固定リングがボディ側にあります。

フランジバックは約43.5mm

専門的なマウント資料ではPetri FTマウントのフランジバックを約43.5mmとしています。

これは現代のミラーレスカメラよりかなり長いため、機械式アダプターを作ればミラーレスへの流用も可能です。

ただし、

M42。

Minolta SR。

Konica AR。

などほどアダプター流通量は多くありません。

Petri独自マウントであることを理解して購入しましょう。

「FT」という名前でもM42の機種がある

ペトリ沼最大級の罠です🤣

後年には、

PETRI FT 500。

PETRI FT 1000。

というカメラも登場します。

しかしこれらはM42マウントです。

つまり、

「PETRI FTと書いてあるから同じマウント」

ではありません。

中古で交換レンズを探す場合は必ず、

Petri FTブリーチロック用

なのか、

M42

なのかを確認しましょう。

Petri FTマウントはFT以前から使われていた

さらにややこしい。

Petri FTマウントという名称ですが、この規格はPETRI FTが初採用したわけではありません。

1960年前後のPetri Penta Vなど、先行するペトリ一眼レフですでに使用されていました。

つまり、

カメラ名が先ではなく、後世の整理として「Petri FT mount」と呼ばれている

わけです。

ペトリ、ややこしい🤣

交換レンズも用意された

PETRI FTは一眼レフシステムなので標準レンズだけではありません。

純正説明書には、

  • 28mm F3.5
  • 35mm F2.8
  • 135mm F2.8
  • 135mm F3.5
  • 200mm F3.5
  • 300mm F5.5
  • 400mm F6.3
  • 1000mm F8
  • 80-200mm F4.5
  • 85-210mm F4.8
  • 90-190mm F5.8

などが掲載されています。

広角から、

1000mm F8。

まで🤣

かなり壮大なシステムです。

全レンズが自動絞りではない

交換レンズには、

自動絞り。

プリセット絞り。

が混在します。

例えば、

28mm F3.5は自動絞り。

35mm F2.8も自動絞り。

135mm F2.8はプリセット。

135mm F3.5は自動。

200mm F3.5はプリセット。

という具合です。

中古レンズを触って、

「シャッターを切っても絞りが自動で動かない!故障!」

と判断する前に、元々プリセット式ではないか確認しましょう。

PETRI FT IIとの違い

PETRI FTの後にはFT IIが登場します。

FT IIも、

機械式シャッター。

TTL絞り込み測光。

Petri系マウント。

という基本路線を受け継ぎます。

外観や操作系が改良され、ホットシューを備える世代へ発展していきます。

初代FTを探している場合は、

正面。

軍艦部。

機種名。

を確認しましょう。

FT EEとの違い

1969年にはPETRI FT EEが登場。

こちらは大きく進化します。

専用EEレンズとの組み合わせでは、

シャッター速度優先AE

が使用できます。

撮影者がシャッター速度を決める。

カメラが適正絞りを制御する。

という方式です。

つまり、

PETRI FT=完全マニュアル+TTL絞り込み測光。

FT EE=AEへ進化。

この違いは大きいです。

PETRI FTEとの違い

さらに1970年代にはFTEが登場。

FT EEの流れを引き継ぐシャッター速度優先AE機です。

以前のFTレンズも使用できるものがありますが、自動露出機能はレンズ側連動機構によって制限されます。

したがって中古で、

FT。

FT EE。

FTE。

を同じものとして扱ってはいけません。

PETRI FTの主な仕様

項目内容
発売1967年4月とされる
形式35mm一眼レフ
フィルム135
画面サイズ24×36mm
フォーカスMF
マウントPetri独自FT系ブリーチロック
標準レンズ55mm F1.4/55mm F1.8
55mm F1.45群7枚
55mm F1.84群6枚
絞り完全自動・A/M切替
測光CdS TTL
測光方式絞り込み測光
感度ASA25~1600
測光範囲ASA100で約LV3~18
露出完全マニュアル
シャッター機械式フォーカルプレーン
シャッター速度B・1秒~1/1000秒
ピント補助Micromic Lens Focusing
フィルム送りシングルストローク
セルフタイマーあり
電池1.3V PX-13系・露出計のみ
シャッター電源不要
フィルター55mm F1.4=55mm、F1.8=52mm
サイズ約149×94×90mm・F1.8付き資料
重量約900g・F1.8付き資料

中古購入時に確認したいポイント

PETRI FTはすでに製造から半世紀以上。

外観だけきれいでも安心できません。

しかも独自マウントなので、

「壊れていたら別ボディへレンズだけ流用」

という逃げ道もNikonやM42ほど簡単ではありません。

かなり細かく確認しましょう。

正確にPETRI FTか確認する

最初に型番。

PETRI FT。

FT II。

FT EE。

FTE。

FTX。

FT500。

FT1000。

名前が似すぎです🤣

特にFT500/1000はM42なので注意。

商品名より実物の銘板とマウントを見ます。

独自マウントを確認

レンズを外せるならマウント部を確認します。

見るのは、

  • 固定リング
  • ラグ
  • 絞り連動レバー
  • ネジ
  • 変形
  • ガタ

です。

ロックリングが正常に回るか

ブリーチロックリングが途中で止まる。

異常に重い。

最後まで締まらない。

レンズ装着後にガタがある。

場合は注意です。

力任せにレンズをひねらない

一般的なバヨネットと違います。

仕組みを知らず、

「外れねえ!うりゃ!」

とレンズ本体を回すとマウントを傷める可能性があります。

まず固定リングを確認しましょう。

標準レンズの確認

55mm F1.4。

55mm F1.8。

どちらが付属しているか見ます。

F1.4付きなら5群7枚。

F1.8付きなら4群6枚。

実用品ならどちらでも楽しめます。

状態優先です。

レンズのカビ

LEDライトを斜めから当てます。

糸状。

蜘蛛の巣状。

枝状。

の模様がないか確認します。

多少のチリは古いレンズでは普通。

しかし強いカビは避けたいところです。

レンズの曇り

こちらも重要です。

全体に白い。

逆光でモヤモヤする。

光源を通すと煙のように見える。

なら曇りを疑います。

曇りは開放F1.4やF1.8のコントラストを大きく落とします。

前玉・後玉

確認するのは、

  • 深い傷
  • 大量の拭き傷
  • カビ跡
  • コーティング異常
  • 指紋

です。

特に後玉の強い傷は避けたいところです。

フォーカスリング

最短から無限遠まで動かします。

正常なら、

滑らか。

適度な抵抗。

途中で引っ掛からない。

ガタが大きくない。

状態です。

グリース固着

1960年代レンズでは珍しくありません。

非常に重い。

冬場だけ固い。

途中だけ動きが悪い。

ならヘリコイドグリースの劣化を疑います。

無限遠

遠方の建物や電柱へ向けます。

∞付近でファインダー上のピントが合うか確認。

最終的にはフィルム実写で確認しましょう。

絞りリング

F1.4またはF1.8から小絞りまで動かします。

  • 固着
  • ガタ
  • 異常な重さ
  • 回らない箇所

がないか確認。

絞り羽根

前後からライトを当てます。

  • 油
  • 粘り
  • 羽根外れ
  • 開ききらない
  • 閉じきらない

を確認します。

A/M切り替え

A。

M。

両方を試します。

Mなら絞りリングを動かすと即座に羽根が動く。

Aなら通常開放を維持。

シャッター時に設定絞りまで閉じる。

この動作が正常であることを確認します。

自動絞りの速度

ここは重要です。

F16へ設定。

シャッターを切る。

瞬間的にF16まで閉じる。

すぐ開放へ戻る。

これを確認。

じわ~っと閉じる個体はダメ。

実際の露出では、シャッターが走る瞬間までに絞りが設定値へ到達しなければいけません。

フォトメーターレバー

前面レバーを操作します。

正常なら、

  • 動く
  • 戻る
  • 絞り込みが働く
  • 露出計がONになる

ことを確認。

固着。

戻らない。

途中までしか動かない。

なら注意です。

露出計

適切な電源を用意します。

明るい窓。

暗い室内。

へ交互に向けます。

指針が変化するか確認。

外部露出計と比較する

ISO100。

1/125秒。

同じ被写体。

同じ光。

で比較します。

例えば外部露出計がF8。

PETRI FTだけF2.8。

なら明らかにおかしい。

多少の誤差なら補正運用も可能ですが、大きなズレは整備対象です。

電池室

PX-13が長年放置されていた可能性があります。

見るのは、

  • 白い粉
  • 緑青
  • 黒い腐食
  • 接点折損
  • 電池液跡

です。

露出計を使わなくても、腐食が内部へ進んでいる個体は慎重に判断します。

露出計が死んでいても機械式カメラとして使える

ここはPETRI FT中古の救いです。

シャッター。

巻き上げ。

ミラー。

絞り。

が正常なら、

外部露出計を使えば撮影できます。

したがって、

「露出計不動=完全ジャンク」

ではありません。

ただし価格は当然下げて考えたいところです。

シャッター1秒

まず1秒から。

数回切ります。

毎回ほぼ同じ。

途中で止まらない。

露光後ミラーが戻る。

ことを確認します。

低速シャッター

1/2。

1/4。

1/8。

1/15。

と順番に切ります。

古い機械シャッターでは低速ガバナーの粘りが起きやすいです。

一回目だけ遅い

長く放置されていた個体でありがち。

何度か切ると普通になる場合がありますが、

「暖機すれば動くから完動」

とは言いません。

整備前提です。

1/1000秒

最高速は音だけで判断できません。

1/500と1/1000が、

「なんとなく違う音」

でも、正確とは限りません。

可能ならシャッターテスター。

またはフィルム実写。

均一な壁や空を撮り、

  • 片側だけ暗い
  • 帯状のムラ
  • 半分未露光

がないか見ます。

シャッター幕

裏蓋を開けて確認します。

絶対に触らない。

見るだけ。

  • 穴
  • シワ
  • たるみ
  • 油
  • カビ
  • 異物

を確認します。

ミラー

シャッターを切ります。

素早く上がる。

露光。

すぐ戻る。

これが正常です。

ミラーが戻らない

低速だけ戻らない。

数回に一回止まる。

寒いと止まる。

場合は内部機構の整備を検討します。

ミラー受けフォーム

劣化して、

ベタベタ。

粉。

消失。

していないか確認します。

古いフォームがミラーへ付着している個体もあります。

ファインダー

白い壁や空へ向けます。

  • カビ
  • 曇り
  • プリズム腐食
  • 大量のゴミ

を確認します。

多少のホコリは撮影画像には写りません。

しかしPETRI FTはMFなので、ファインダーが曇ると撮影の快適性へ直撃します。

Micromic Lens部

ピントリングを前後へ動かします。

ピントが外れると中央部がちらつく。

合えば明瞭になる。

という変化が確認できるか見ます。

ファインダーとフィルム面のピント一致

これは古いSLR全般に重要です。

ファインダーで合っている。

しかしフィルムでは後ピン。

という可能性があります。

55mm F1.4またはF1.8開放。

1~2m程度。

目盛付き定規や文字。

などで実写すると確認しやすくなります。

巻き上げレバー

一回のストロークで、

フィルム送り。

シャッターチャージ。

が正常に行われるか確認します。

途中で、

  • 引っ掛かる
  • 異常に重い
  • 空回り
  • 最後まで行かない

個体は注意。

重い巻き上げを力任せに回さない。

古いカメラの鉄則です。

スプロケット

裏蓋を開いた状態で巻き上げます。

スプロケット。

巻き取りスプール。

が正しく回ることを確認します。

フィルムカウンター

撮影ごとに進むこと。

裏蓋を開くと正しく復帰すること。

を確認します。

巻き戻し

テストフィルムを使えるなら、

底面解除。

クランク。

巻き戻し。

まで確認します。

巻き戻し解除が固着している個体もあります。

セルフタイマー

古いセルフタイマーは要注意。

レバーが重ければ、

無理に巻かない。

動作確認済み個体なら、

セット。

時間経過。

シャッター作動。

まで確認します。

セルフタイマーだけ壊してしまうという悲劇を避けましょう🤣

フラッシュシンクロ

使用予定があるならX端子を確認します。

PC端子の、

腐食。

接触不良。

変形。

を見ます。

電子ストロボで実際に1/60秒付近の同期を確認できれば理想です。

アクセサリーシュー

初代PETRI FTのシューは現代的なホットシューとは考えない方が安全です。

フラッシュ使用時は同期端子を含めた接続方法を確認しましょう。

裏蓋

開閉。

ロック。

ヒンジ。

を確認します。

閉じても浮いている。

軽く押すと動く。

なら遮光不良の可能性があります。

モルト

裏蓋周辺。

ミラー受け。

を確認します。

ベタベタ。

粉化。

なくなっている。

場合は交換。

モルト交換自体は比較的普通のメンテナンスです。

光漏れ

最終的には実写です。

晴天屋外。

太陽を受ける条件。

でフィルムを一本通します。

現像後、

  • 画面端の白い帯
  • 赤・橙色の感光
  • 不規則な光線

がないか確認します。

ボディ外装

金属ボディなので多少の擦れは普通です。

実用品なら外装傷より、

機械状態。

を優先。

ただし、

プリズム部に大きなへこみ。

マウント周辺打痕。

底板変形。

があれば落下を疑います。

落下は距離計カメラだけでなく、一眼レフのミラー位置やマウント平面にも影響します。

中古で優先したい順番

PETRI FTなら、

①シャッター

②巻き上げ

③自動絞り

④マウント

⑤標準レンズの光学状態

⑥ファインダーピント

⑦露出計

⑧モルト

⑨外装

くらいで考えると分かりやすいでしょう。

露出計は外部メーターで代替できます。

しかしシャッターが死んでいたら撮れません。

標準レンズ付き個体を狙いたい

PETRI FTを実際に使いたいなら、

ボディだけより55mm付き。

こちらをおすすめします。

理由は独自マウント。

M42やNikon Fのように、

中古店へ行けばレンズが大量にある。

というシステムではありません。

ボディを安く手に入れて、

「あとからレンズを買おう」

と思ったら、

レンズがない。

となりやすい🤣

55mm F1.8でも十分。

状態が良ければまず一式で確保する方が実用的です。

55mm F1.4付きならさらに面白い

大口径F1.4。

5群7枚。

1960年代国産標準レンズ。

これはレンズだけでも面白い存在です。

開放で人物。

F2.8。

F5.6。

逆光。

モノクロ。

と撮り比べてみる価値があります。

ただし、

F1.4だから必ずF1.8より上

とは限りません。

現在中古では個体状態の方が圧倒的に重要です。

カビだらけF1.4より、クリアなF1.8。

これでいい。

PETRI FTが向いている人

PETRI FTは、

  • 1960年代の国産SLRが好き
  • 完全機械式が好き
  • TTL絞り込み測光を体験したい
  • マイナー国産メーカーが好き
  • 独自マウントが好き
  • ペトリレンズを使いたい
  • 電池なしでも撮影したい
  • 操作そのものを楽しみたい

人に向いています。

特に、

「Nikon FやPENTAX SPだけが1960年代SLRじゃないだろ!」

という人には最高です🤣

向いていない人

一方、

  • AEが欲しい
  • 開放測光が欲しい
  • レンズを簡単に増やしたい
  • 修理性を最優先したい
  • 部品供給を重視する
  • 小型軽量が欲しい
  • 露出計電池問題を避けたい

なら別機種が扱いやすいでしょう。

PENTAX SPならM42。

Nikon F系ならNikon Fマウント。

レンズの入手性は圧倒的です。

PETRI FTを選ぶ理由は、

便利だからではありません。

ペトリだからです🤣

まとめ

PETRI FTは1967年に登場した35mm一眼レフです。

特徴は、

CdS TTL露出計。

絞り込み測光。

B・1秒~1/1000秒。

機械式シャッター。

独自Petri FTブリーチロックマウント。

55mm F1.4・5群7枚。

55mm F1.8・4群6枚。

完全自動絞り。

Micromic Lensフォーカシング。

そして、

電池なしでもシャッター自体は使える。

というものです。

現在の感覚なら撮影は面倒です。

フィルム感度を設定。

シャッター速度を自分で決める。

前面レバーを押す。

レンズが絞られる。

ファインダーが暗くなる。

針を見る。

絞りを回す。

ピントを合わせる。

シャッターを切る。

巻き上げる。

また最初から。

でも、その一連の操作をすべて手で行うからこそ面白い。

そして中古購入では、

「露出計の針が動いた」

だけでは評価しません。

シャッター1秒。

低速。

1/1000秒。

幕。

巻き上げ。

ミラー。

自動絞り。

A/M切り替え。

独自マウント。

フォトメーターレバー。

ファインダー。

標準レンズ。

そして最後に実写。

ここまで見る。

露出計が死んでいても、機械部分が元気ならまだ戦えます。

外部露出計を出す。

1/125秒。

F8。

55mmでピント。

斜め前面シャッターを押す。

PETRI FTは、TTL測光が普及し始めた1960年代後半に、独自マウントと独特の操作系を武器としてペトリが送り出した、実にクセの強い機械式一眼レフです。

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