SMC PENTAX-F 28mm F2.8

ペンタックスのAF広角単焦点レンズです。状態良好です。

SMC PENTAX-F 28mm F2.8とは?AF対応のコンパクトな広角単焦点レンズを徹底解説

SMC PENTAX-F 28mm F2.8は、35mm判に対応するPENTAX KAFマウントのオートフォーカス広角単焦点レンズです。

1980年代後半のPENTAX Fシリーズに属し、ボディ内モーターからマウント部のAFカプラーを介してピントを動かす、いわゆるボディ内モーター駆動・スクリュードライブ式AFを採用しています。

リコーイメージングが現在公開しているKマウントの分類でも、FシリーズはKAFマウントに属し、KAFはKAマウントへAFカプラーを追加した規格とされています。またFレンズは35mmフルサイズ用として分類されています。

焦点距離は28mm、開放F値はF2.8。

35mmフィルムカメラでは広角レンズとして、風景、旅行、街歩き、建築、室内などに使いやすい画角です。

レンズデータベースによる仕様では、

  • 7群7枚
  • F2.8~F22
  • 最短撮影距離0.30m
  • 最大撮影倍率約0.13倍
  • 49mmフィルター径
  • 約180g
  • 全長約37mm

という非常にコンパクトな設計です。

さらに絞りリングには「A」位置があり、対応ボディではプログラムAEやシャッター優先AEなど、カメラ側から絞りを制御する撮影にも対応します。

フィルム時代のAFレンズでありながら、現在のPENTAXデジタル一眼レフでもFシリーズはKAFレンズとして扱われ、対応ボディではオートフォーカスを利用できます。

この記事では、SMC PENTAX-F 28mm F2.8の特徴、28mmという画角、AF機構、絞りリング、PENTAX-A・FA 28mm F2.8との違い、フィルム・デジタルでの使い方、中古購入時に確認したいポイントを詳しく解説します。

目次

SMC PENTAX-F 28mm F2.8とは

SMC PENTAX-F 28mm F2.8は、1987年頃に登場したとされるAF広角単焦点レンズです。

レンズデータベースでは1987~1989年頃の製造とされ、35mm判用のKAFマウントレンズとして記録されています。

1987年はPENTAXがAF一眼レフ「PENTAX SFX」を発売した時期でもあります。PENTAX公式史ではSFXを1987年発売として記録しています。

Fシリーズは、この時代のPENTAX AF一眼レフで使用するためのレンズ群です。

それ以前のPENTAX-Aシリーズがマニュアルフォーカスだったのに対し、FシリーズではKAFマウントによるAFへ対応しました。

「F」は開放F値ではなくシリーズ名

レンズ名には、

smc PENTAX-F 1:2.8 28

などと刻印されています。

ここで注意したいのが「PENTAX-F」のFです。

これはF2.8の「F」とは別で、レンズシリーズ名です。

したがって、

  • シリーズ:PENTAX-F
  • 焦点距離:28mm
  • 開放F値:F2.8

という意味になります。

後継にはPENTAX-FAシリーズがあり、同じ28mm F2.8でも「SMC PENTAX-FA 28mm F2.8 AL」という別レンズが存在します。

中古市場では両者を混同しないようにしましょう。

35mm判で28mmの広角レンズ

28mmは、35mmフィルムカメラでは定番の広角焦点距離です。

50mm標準レンズと比べて広い範囲を写せますが、20mmや24mmほど極端な広角感にはなりません。

主な用途は、

  • 風景
  • 旅行
  • 街歩き
  • 建築
  • 室内
  • スナップ
  • 人物と背景
  • 集合写真
  • 店舗撮影

などです。

広角初心者にも比較的扱いやすい焦点距離です。

28mmらしい遠近感

28mmでは、カメラへ近い物を大きく、遠くの物を小さく見せる構図を作りやすくなります。

たとえば人物を画面手前へ配置し、その後ろへ街並みや風景を広く入れると、

「人物だけ」ではなく「人物がその場所にいる状況」

を写しやすくなります。

旅行写真やストリートスナップと相性のよい理由です。

ただし、人物へ極端に近づいて画面端へ顔を置くと、遠近感によって顔や体が伸びて見える場合があります。

人物撮影では中央付近へ配置するか、少し距離を取ると自然に見せやすくなります。

開放F2.8

開放F値はF2.8です。最小絞りはF22です。

28mm広角レンズとしては扱いやすい明るさです。

F3.5やF4の広角レンズより光を多く取り込めるため、

  • 曇天
  • 日陰
  • 室内
  • 夕方
  • ISO100フィルム

などでもシャッター速度を確保しやすくなります。

一方、F1.4やF2クラスの大口径単焦点ほど明るくありません。

暗所撮影専門というより、

コンパクトさと明るさのバランスを重視した28mm

と考えると分かりやすいでしょう。

F2.8でも背景をぼかせる

広角レンズは望遠レンズより被写界深度が深いため、背景はぼけにくい傾向があります。

それでも、

  • F2.8
  • 最短撮影距離付近
  • 被写体へ近づく
  • 背景を遠ざける

という条件を組み合わせれば、背景をある程度ぼかせます。

広角らしく背景を残しつつ、主要被写体を浮かせる撮影に向いています。

レンズ構成は7群7枚

主要なレンズデータベースでは、SMC PENTAX-F 28mm F2.8の光学系を7群7枚としています。

後述するSMC PENTAX-A 28mm F2.8も7群7枚で、同データベースではF 28mm F2.8がAシリーズの光学系を引き継いだAF版とされています。

ただし、メーカー一次資料で両者の全光学設計が同一であることまで確認できない場合は、

「主要データベースでは同じ7群7枚構成とされる」

程度に理解しておくのが安全です。

SMCコーティング

名称の「SMC」はSuper Multi Coatingを意味します。

PENTAXが長年使用してきた多層膜コーティングの名称です。

レンズ面の反射を抑え、

  • フレア
  • ゴースト
  • コントラスト低下

を抑える目的があります。

ただし中古レンズでは、コーティングそのものの性能より、

  • カビ
  • 曇り
  • 清掃傷
  • コーティング劣化

の有無の方が実際の写りへ大きく影響することがあります。

5枚羽根の自動絞り

絞り羽根は5枚とされています。

絞り範囲はF2.8~F22。

カメラへ装着している通常状態では開放を維持し、シャッターを切る瞬間だけ設定絞りまで閉じる自動絞りです。

5枚羽根なので、絞り込んだ状態では開口部が角張った形になります。

現在の9枚円形絞りレンズとはボケの形状も異なります。

KAFマウント

SMC PENTAX-F 28mm F2.8はKAFマウントです。

リコーイメージング公式ではKAFマウントを、

KAマウントへAFカプラーを追加したもの

と説明し、対応レンズとしてsmc PENTAX-Fシリーズを挙げています。

つまり基本構造は従来のKマウントを継承しながら、

  • レンズ情報接点
  • 自動絞り
  • AF駆動カプラー

を利用できます。

ボディ内モーター駆動AF

このレンズにはAFモーターが内蔵されていません。

AFモーターはカメラボディ側にあります。

マウント部を見ると、小さなスクリュードライバー状のAFカプラーがあります。

カメラ側のモーターがこのカプラーを回し、レンズ内部のフォーカス機構を動かします。

現在では一般に「スクリュードライブAF」と呼ばれる方式です。

AF対応ボディが必要

ボディ側にAF駆動機構がないカメラでは、オートフォーカスは使えません。

たとえば、

  • SFX
  • Zシリーズ
  • MZシリーズ
  • *ist系
  • 対応PENTAXデジタル一眼レフ

などではAFを利用できます。

現在のリコーイメージング公式サポートでも、FレンズはKAFレンズとして分類され、対応デジタル一眼レフではAF使用可能とされています。

AF作動音は現代レンズより大きめ

ボディ内モーターから機械的にギアを回すため、AF時には、

「ジジッ」「ギュイッ」

という機械音が出ます。

レンズ内超音波モーターやステッピングモーターのような静粛性は期待できません。

静かな室内、動画撮影などでは気になる場合があります。

一方、フィルムスチル撮影では実用上それほど問題にならないことも多いでしょう。

マニュアルフォーカスにも対応

フォーカスリングを手で回せばMF撮影も可能です。

ただし現代のQuick-Shift Focusのように、

AF状態のままフォーカスリングを回して即座にMFへ移行する機能

はありません。

データベース上でもQuick-Shift非対応とされています。

ボディ側をMFへ切り替えて使用します。

最短撮影距離は0.30m

最短撮影距離は30cmです。

28mmとしては被写体へかなり近づけます。

最大撮影倍率は約0.13倍です。

マクロレンズほど大きく写すことはできませんが、

  • 花
  • 料理
  • 小物
  • 看板
  • 日用品
  • テーブルフォト

などを、背景まで含めて撮影する用途に便利です。

広角近接撮影がおもしろい

28mmで30cmまで近づくと、主要被写体を大きく見せながら、その後ろの状況も写せます。

たとえばカフェなら、

手前にコーヒーカップを大きく置き、その奥に店内を写す。

旅行なら、

手前に名物や標識を置き、背景に観光地を入れる。

こうした「主役+場所」を同時に見せる構図を作りやすいレンズです。

49mmフィルター

フィルター径は49mmです。

PENTAXの小型単焦点ではよく使われるサイズです。

49mm径なら、

  • UVフィルター
  • 保護フィルター
  • PLフィルター
  • NDフィルター
  • モノクロ用カラーフィルター

などを比較的容易に入手できます。

他の49mm径TakumarやPENTAXレンズとフィルターを共用できる場合もあります。

純正フードはPH-S49

レンズデータベースでは対応フードとしてPH-S49が挙げられています。

28mmは広い範囲を写すため、深すぎる汎用フードを付けると画面の四隅が暗くなる可能性があります。

中古で純正フード付きならプラス評価です。

社外フードを選ぶ場合も28mm対応を確認しましょう。

約180gの軽量レンズ

重量は約180g。

最大径約64mm、全長約37mmです。

AFレンズとして非常にコンパクトです。

大型ズームの代わりに、

  • 28mm
  • 50mm
  • 100mm前後

と小型単焦点を組み合わせるシステムにも向いています。

PENTAX MZ-5のような小型フィルムAFボディとのバランスも良好です。

絞りリングを搭載

現代のDAレンズなどとは違い、レンズ本体に絞りリングがあります。

F2.8からF22までを手動で設定できます。

さらに「A」位置があります。

A位置とは

絞りリングをAへ合わせると、絞り値の制御をカメラ側へ任せられます。

対応カメラなら、

  • プログラムAE
  • シャッター優先AE
  • カメラ側ダイヤルによる絞り設定

などを利用できます。

Fシリーズが属するKAFマウントは、AF機構だけでなくKAマウントから引き継いだレンズ情報連動も利用する設計です。

古いボディでは絞りリングを直接操作できる

PENTAX MX、K1000などAF以前のKマウント機で使用する場合は、AFは使えませんが、絞りリングからF値を設定できます。

機種によって露出計・自動絞りの利用条件は異なるため、実際に使用するボディの互換表を確認しましょう。

35mmフィルムでは本来の28mm画角

Fシリーズは公式の現行互換情報でも「35mmフルサイズ」用として分類されています。

そのため、

  • PENTAX SFX
  • Zシリーズ
  • MZシリーズ

などの35mmフィルム一眼レフで使用すれば、28mmそのままの広角画角になります。

広角単焦点として使うなら、やはり35mm判との組み合わせが本来の姿です。

フルサイズデジタルでも28mm

35mm判対応レンズなので、PENTAX K-1シリーズのようなフルサイズデジタル一眼レフでも28mmの画角で使用できます。

Fシリーズは現在のPENTAX公式互換表でも35mmフルサイズ用KAFレンズとして扱われています。

ただし、古いレンズなので最新レンズのような、

  • レンズ内AFモーター
  • Quick-Shift Focus
  • 防塵防滴
  • 電磁絞り
  • 最新コーティング

はありません。

APS-Cでは約42mm相当

PENTAX APS-Cデジタル一眼レフへ装着すると、画角は35mm判換算で約42mm相当になります。

28mm × 約1.5 = 約42mmです。

これは広角というより、やや広めの標準レンズに近い画角です。

つまり同じレンズでも、

  • 35mmフィルム/フルサイズ:28mm広角
  • APS-C:約42mm相当の準標準

というまったく違う性格になります。

APS-Cではスナップレンズとして使いやすい

約42mm相当は、

  • 街歩き
  • 食事
  • 家族写真
  • 人物
  • 旅行

などに非常に使いやすい画角です。

50mm相当より少し広く、35mm相当ほど広すぎません。

古い28mm広角レンズをAPS-Cへ装着すると、偶然にも「現代的な標準スナップレンズ」になるのがおもしろいところです。

現行PENTAXデジタル一眼レフでもAF可能

現在のPENTAXサポート情報では、FレンズはKAFグループとして分類され、対応ボディでは、

  • オートフォーカス
  • マニュアルフォーカス
  • 分割測光
  • 各種自動露出

などを使用可能としています。

1980年代のAFレンズでありながら、Kマウントの継続性によって現在でも使えることは大きな魅力です。

SMC PENTAX-A 28mm F2.8との違い

前世代にはSMC PENTAX-A 28mm F2.8があります。

主な違いを整理すると次のようになります。

項目PENTAX-A 28mm F2.8PENTAX-F 28mm F2.8
マウントKAKAF
AFなしあり
ピントMFAF・MF
レンズ構成7群7枚7群7枚
最短撮影距離0.30m0.30m
最大撮影倍率約0.13倍約0.13倍
絞りF2.8~F22F2.8~F22
フィルター49mm49mm
重量約170g約180g
A位置ありあり

仕様値は主要レンズデータベースによるものです。

Fレンズでは約10gの重量増でAFに対応しています。

MFだけで使うならA版でも十分ですが、フィルムAF一眼レフやデジタル一眼レフでAFを使いたいならF版が有利です。

後継SMC PENTAX-FA 28mm F2.8 ALとの違い

後継にはSMC PENTAX-FA 28mm F2.8 ALがあります。

名前が非常に似ていますが、単なる外装変更版ではありません。

主要レンズデータベースによれば、FA 28mm F2.8 ALは、

  • 5群5枚
  • 非球面レンズを採用
  • 6枚絞り
  • 約185g

という別の光学設計です。

比較すると、

項目F 28mm F2.8FA 28mm F2.8 AL
世代FFA
光学系7群7枚5群5枚
非球面特記なしAL非球面採用
絞り羽根5枚6枚
AFボディ駆動ボディ駆動
最短距離0.30m0.30m
最大倍率約0.13倍約0.13倍
フィルター49mm49mm
重量約180g約185g

中古購入時には、

「28mm F2.8ならどちらでも同じ」

と考えないようにしましょう。

FとFAでは光学設計が異なります。

SMC PENTAX-F 28mm F2.8の基本スペック

項目内容
レンズ形式AF広角単焦点
対応フォーマット35mm判・フルサイズ
焦点距離28mm
APS-C換算約42mm
開放F値F2.8
最小絞りF22
レンズ構成7群7枚
絞り羽根5枚
マウントPENTAX KAF
AFボディ内モーター駆動
MF対応
Quick-Shift Focusなし
最短撮影距離0.30m
最大撮影倍率約0.13倍
フィルター径49mm
純正フードPH-S49
コーティングSMC
絞りリングあり
A位置あり
防塵防滴なし
最大径約64mm
全長約37mm
重量約180g
製品コード22517
製造時期の目安1987~1989年頃

モデル固有の主要仕様はPentaxForumsのレンズデータベース、マウント分類と現行ボディ互換性はリコーイメージング公式資料に基づきます。

SMC PENTAX-F 28mm F2.8が向いている撮影

旅行

28mmなら建物、景色、同行者を含めて広く記録できます。

180gなので交換レンズとして持ち歩いても負担になりにくいでしょう。

街歩き

狭い道路や店舗前でも構図を作りやすく、街全体の空気感を入れたスナップに向いています。

風景

F8~F11程度まで絞れば広い被写界深度を利用できます。

近景から遠景まで画面へ取り込む広角構図と相性があります。

建築

室内や狭い場所でも広い範囲を写せます。

ただし建物を見上げると垂直線が収束して見えるため、カメラを水平に保つと形を自然に写しやすくなります。

人物+背景

人物へ少し近づき、背景を広く入れれば、

「どこで撮った写真なのか」

が伝わる人物写真になります。

SMC PENTAX-F 28mm F2.8の基本的な使い方

AF対応フィルムボディへ装着する

KAF対応ボディなら、マウント指標を合わせて装着します。

レンズとボディのAFカプラー、電子接点が正しく接触します。

絞りリングをAへする

プログラムAEやシャッター優先AEなどを使う場合は、絞りリングをA位置へ合わせます。

カメラによってはA位置以外では使用できる露出モードに制限があります。

AFへ設定する

カメラ側をAFへします。

シャッターボタン半押しでボディ内AFモーターが作動し、フォーカスリングが回転します。

AF作動中はフォーカスリングへ手を添えない方が安全です。

MF撮影

MFへ切り替えれば、フォーカスリングを直接回せます。

距離目盛りや無限遠位置を利用したスナップ撮影にも便利です。

絞りを直接設定する

マニュアル露出や絞り優先AEでは、対応ボディなら絞りリングからF2.8~F22を設定できます。

使用するカメラによって操作方法は異なるため、ボディ側の説明書も確認しましょう。

中古購入時に確認したいポイント

正確なレンズ名

まず前玉周囲の銘板を確認します。

目的のレンズは、

smc PENTAX-F 1:2.8 28

です。

次のレンズと混同しないようにしましょう。

  • smc PENTAX-A 28mm F2.8
  • smc PENTAX-FA 28mm F2.8 AL
  • smc PENTAX-FA 28mm F2.8 Soft
  • PENTAX-M 28mm F2.8

特にFとFAはどちらもAF対応で見分けにくい場合があります。

FAには「AL」の表記がある通常28mm F2.8モデルなので、銘板確認が確実です。

レンズのカビ

前玉・後玉へLEDライトを斜めから当てます。

糸状、蜘蛛の巣状の模様がないか確認します。

軽微なカビでも長期間放置するとコーティングを侵す場合があります。

購入価格だけでなく、清掃費も考慮しましょう。

レンズ内部の曇り

白っぽい霧のような曇りがないか確認します。

曇りが強いと、

  • コントラスト低下
  • 逆光で白っぽくなる
  • 黒が締まらない
  • フレア増加

につながります。

小さなチリより、強い曇りの方を優先して避けたいところです。

バルサム切れ・レンズ接合部

レンズ接合面に、

  • 虹色
  • 周辺から広がる白い模様
  • 不規則な分離

がないか確認します。

7群7枚構成という仕様上、単純な貼り合わせレンズの数を仕様表だけから断定することはできませんが、異常な虹模様があれば慎重に判断しましょう。

前玉の傷

28mmは前玉へ光が入りやすいので、強い傷は逆光性能へ影響する場合があります。

清掃傷程度なら実写への影響が小さいこともありますが、

  • 深い線傷
  • 欠け
  • 強いコーティング剥離

がある個体は価格とのバランスを考えましょう。

後玉の傷

後玉の傷は前玉より像へ影響しやすい場合があります。

マウント側から確認します。

深い傷やカビ跡がある個体は慎重に判断しましょう。

絞り羽根の油

絞りレバーを操作し、F22まで閉じる様子を確認します。

羽根に油が付いていないことが重要です。

油があると、

  • 絞り込みが遅れる
  • 絞りが戻らない
  • 設定値まで閉じない

可能性があります。

自動露出のカメラでは、絞り動作の遅れが露出オーバーにつながります。

絞り羽根が素早く戻るか

マウント側の絞りレバーを動かし、離します。

羽根が瞬時に開放へ戻る必要があります。

ゆっくり戻る個体は、油や内部機構の固着を疑います。

絞りリング

F2.8からF22まで、

  • 適度なクリック
  • 引っ掛かりなし
  • 数字位置のずれなし

で動くか確認します。

A位置

A位置へ確実に入るか確認します。

カメラ側から絞りを制御する場合、A位置は非常に重要です。

A位置へ入らない、すぐ外れる場合はプログラムAEなどへ影響します。

AFカプラー

マウント面にあるAF駆動部を確認します。

  • 欠け
  • 強い摩耗
  • さび
  • 変形

がないか見ましょう。

ここが壊れているとレンズ自体の光学系が正常でもAFできません。

実際にAFを動かす

可能ならAF対応PENTAXボディへ装着します。

近距離から無限遠へ何度もAFさせ、

  • 毎回動く
  • 途中停止しない
  • 異常なガリガリ音がない
  • 合焦する

ことを確認します。

スクリュードライブAFは作動音がするのが正常ですが、歯飛びするような異常音は注意が必要です。

AF精度

AFが動くだけでは不十分です。

F2.8で、

  • 0.5~1m
  • 2~3m
  • 遠景

を撮影し、意図した位置へピントが合うか確認します。

デジタルボディなら撮影直後に拡大確認できます。

常に手前または奥へ外れる場合は、ボディ側AF調整との組み合わせも疑いましょう。

フォーカスリング

MFへ切り替え、最短0.30mから無限遠まで回します。

  • 異常に重い
  • ガリガリする
  • 途中で引っ掛かる
  • 極端なガタがある

個体は注意が必要です。

FシリーズはAF駆動を前提としているため、MF専用A/Mシリーズほど重厚なピントリング感触を期待するレンズではありません。

無限遠

遠くの建物や星などへ向け、無限遠付近で正しくピントが出るか確認します。

過去に分解された個体では、無限遠位置がずれている可能性があります。

最短撮影距離

30cm付近でもピントが合うか確認します。

AFが最短付近だけ引っ掛かる個体は、フォーカス機構を確認した方がよいでしょう。

片ボケ

平面の壁、新聞紙、建物などを真正面から撮影します。

画面の、

  • 左だけぼける
  • 右だけぼける
  • 一角だけ大きく甘い

場合は、レンズの偏芯やマウント変形の可能性があります。

特にフルサイズや35mmフィルムでは画面周辺まで使用するため、APS-Cより片ボケを確認しやすくなります。

前枠・フィルターねじ

49mmフィルターを実際に取り付けます。

落下によって前枠がへこんでいると、

  • フィルターが入らない
  • 途中で斜めになる
  • 外れなくなる

ことがあります。

マウント

金属マウント部に、

  • 大きな傷
  • 変形
  • ねじの緩み
  • ガタ

がないか確認します。

レンズをボディへ装着したとき、異常な遊びがないことも重要です。

電子接点

KAFマウントの電子接点を確認します。

  • 汚れ
  • 腐食
  • 沈み込み
  • 欠損

があると、レンズ情報や絞り制御へ影響する可能性があります。

乾いた柔らかい布などで軽く清掃します。

強い研磨は避けましょう。

鏡筒のガタ

前後左右へ軽く動かし、大きなガタがないか確認します。

フォーカス機構には多少の遊びがある場合がありますが、レンズ群全体がカタカタ動く個体は慎重に判断しましょう。

落下痕

外装の角、フィルター枠、マウント部を確認します。

大きな打痕がある場合、

  • 偏芯
  • AFギア
  • マウント
  • フィルター枠

へ影響している可能性があります。

SMCコーティング

前玉を角度を変えながら確認します。

正常なコーティングの反射と、

  • 拭き傷
  • 剥離
  • カビ跡
  • 化学的な変色

を区別しましょう。

少量のチリより、レンズ面そのもののダメージを優先して確認します。

フード

純正PH-S49付きなら価値があります。

ただしフードの有無よりも光学・機械状態の方が重要です。

フードだけを理由に状態の悪い個体を選ばないようにしましょう。

フロントキャップとリアキャップ

純正である必要はありませんが、保管中の傷・ほこり防止のためキャップ付きが理想です。

リアキャップなしで長期間保管された個体は後玉やマウント接点を念入りに確認しましょう。

カビ臭

レンズを開けた瞬間に強いカビ臭がある場合は、ケースや鏡筒内部にカビが残っている可能性があります。

他のレンズと同じ防湿庫へすぐ入れず、状態を確認してから保管する方が安全です。



フィルムカメラで使うならどのボディが向く?

PENTAX SFX

Fシリーズが登場した時代を味わうならSFX系との組み合わせは象徴的です。

PENTAX公式史ではSFXを1987年発売として記録しています。

AF・自動露出を使いながら、1980年代末のPENTAXシステムをそのまま楽しめます。

PENTAX Zシリーズ

より高速化・多機能化したAFフィルム一眼レフです。

F 28mm F2.8のAFとA位置を利用できます。

PENTAX MZシリーズ

小型軽量なMZ-5やMZ-3などとは特に相性のよい組み合わせです。

28mm F2.8自体が180gなので、軽量なAFフィルム一眼レフシステムを作れます。

デジタルで使うメリット

古いフィルムレンズですが、PENTAXデジタル一眼レフとの相性は比較的良好です。

Fレンズは現在の公式互換情報でもKAFレンズとして扱われています。

AFが使える

単なるオールドレンズ遊びではなく、対応ボディならAFが使えます。

絞りも自動制御可能

A位置を利用すれば、対応ボディから絞りを設定できます。

APS-Cなら周辺を使わない

APS-Cではレンズ中央部分を中心に使用するため、35mm判で弱点となりやすい最周辺部を切り落とします。

一方、本来の28mm広角画角は失われ、約42mm相当になります。

SMC PENTAX-F 28mm F2.8が向いている人

このレンズは次のような人に向いています。

  • 35mmフィルムで28mm広角を使いたい人
  • 小型軽量な単焦点を探している人
  • PENTAX AFフィルム一眼レフを使っている人
  • Fシリーズを集めている人
  • ボディ駆動AFの機械感が好きな人
  • 絞りリング付きAFレンズが欲しい人
  • PENTAXデジタル一眼レフでも使いたい人
  • APS-Cで40mm前後の標準画角を使いたい人
  • 49mmフィルターを共用したい人
  • 旅行・街歩き用の軽い広角が欲しい人

特に、

「古い単焦点のコンパクトさは欲しい。でもAFも捨てたくない」

という人には魅力的です。

SMC PENTAX-F 28mm F2.8が向かない場合

一方、次のような人には別のレンズが向いている可能性があります。

  • 静かなAFが必要な人
  • レンズ内AFモーターを求める人
  • Quick-Shift Focusを使いたい人
  • 防塵防滴が必要な人
  • 円形絞りを重視する人
  • F2より明るい広角が欲しい人
  • APS-Cでも28mm相当の広角が欲しい人
  • 最新コーティングや最新光学設計を優先する人
  • 動画AFを重視する人

光学設計の新しさを求めるなら、後継FA 28mm F2.8 ALなども比較候補になります。

まとめ

SMC PENTAX-F 28mm F2.8は、35mm判用KAFマウントのオートフォーカス広角単焦点レンズです。

リコーイメージングの現在のマウント分類でも、Fシリーズは35mmフルサイズ対応のKAFレンズとして位置づけられています。KAFはKAマウントへAFカプラーを追加した規格です。

主な特徴は次のとおりです。

  • 28mm広角単焦点
  • 開放F2.8
  • 最小絞りF22
  • 7群7枚
  • SMCコーティング
  • 5枚絞り
  • KAFマウント
  • ボディ内モーター駆動AF
  • MF対応
  • 絞りリング搭載
  • A位置あり
  • 最短撮影距離0.30m
  • 最大撮影倍率約0.13倍
  • 49mmフィルター
  • 約64×37mm
  • 約180g
  • 35mmフィルム/フルサイズで28mm
  • APS-Cでは約42mm相当

中古購入では、レンズのカビや曇りだけを見るのでは不十分です。

このレンズでは特に、

  1. AFカプラー
  2. AF作動
  3. AF精度
  4. 絞り羽根
  5. A位置
  6. 電子接点
  7. フォーカス機構
  8. 片ボケ
  9. フィルター枠
  10. マウントのガタ

まで確認したいところです。

さらに「F 28mm F2.8」と「FA 28mm F2.8 AL」は名前が似ていますが、主要データベースでは前者が7群7枚、後者が非球面を含む5群5枚とされる別設計です。

購入時には銘板を必ず確認しましょう。

28mmの広角。

F2.8の明るさ。

180gの小型ボディ。

絞りリングを残しながら、ピントだけはカメラのモーターへ任せる。

そして約40年後のPENTAXデジタル一眼レフでも、対応ボディならAFで使える。

SMC PENTAX-F 28mm F2.8は、マニュアルレンズのコンパクトさと、AF時代の利便性が同居する初期KAF世代らしい広角単焦点です。

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