Pentax A3 DATE

ペンタックスのフィルム一眼レフです。AFに移行する直前のモデルかと思われます。

PENTAX A3 DATEとは?プログラムAEと自動巻き上げを搭載したMF一眼レフの特徴

PENTAX A3 DATEは、35mmフィルムを使用するマニュアルフォーカス一眼レフカメラです。

1980年代半ばに登場したPENTAX A3シリーズのデート機能付きモデルで、リコーイメージングが現在公開しているPENTAX HISTORYの公式アーカイブにも「PENTAX A3 DATE」として掲載されています。

A3シリーズ最大の特徴は、ピント合わせこそ手動でありながら、

  • プログラムAE
  • 絞り優先AE
  • DXコードによるフィルム感度自動設定
  • モーターによる自動フィルム巻き上げ
  • 約1.5コマ/秒の連続撮影
  • 電子制御シャッター
  • 専用フラッシュとのプログラムオートフラッシュ
  • 日付写し込み機能

といった電子化・自動化機能を積極的に採用していることです。

取扱説明書では、SMC PENTAX-Aレンズを装着した場合にプログラムAE、絞り優先AE、プログラムオートフラッシュを使用できると説明されています。従来型のK・M系レンズでは絞り優先AEを利用できます。

一方、シャッターは電池へ依存する電子制御式です。

完全機械式のK1000やMXなどとは性格が大きく異なり、単3電池2本がなければ本来の撮影機能を利用できません。

中古品では露出計やシャッターだけでなく、フィルム巻き上げモーター、電池室、DX接点、デート機能なども確認する必要があります。

この記事では、PENTAX A3 DATEの特徴、A3・A3000との関係、露出モード、対応レンズ、自動巻き上げ、DATE機能、中古購入時の注意点を詳しく解説します。

目次

PENTAX A3 DATEとは

PENTAX A3 DATEは、24×36mmの35mm判フィルムを使用する一眼レフです。

ピント合わせはマニュアルですが、それ以外の多くの操作が自動化されています。

基本構成はPENTAX A3と共通しており、DATEモデルでは撮影した写真へ日付情報を写し込む機能が加えられています。

ペンタックス系カメラの技術資料では、A3、A3 date S、A3000、A3000 dateという複数名称のバリエーションが確認されています。北米ではA3000という名称が使用されたため、中古市場では「A3 DATE」と「A3000 DATE」の両方が見つかります。

したがって、

PENTAX A3 DATEとA3000 DATEは、まったく別系統のカメラではありません。

販売地域や表記が異なるA3/A3000系として考えると分かりやすいでしょう。

PENTAX公式アーカイブにも残るA3 DATE

現在のリコーイメージング公式「PENTAX HISTORY」では、1980年代のKマウント機として、

  • PENTAX LX
  • PENTAX ME-F
  • PENTAX MG
  • PENTAX Super A
  • PENTAX 645
  • PENTAX A3 DATE
  • PENTAX P30
  • PENTAX P50 DATE
  • PENTAX SFX

などが掲載されています。

A3 DATEは現在では知名度の高いK1000やSuper Aほど語られる機会が多くありません。

しかし、ペンタックス一眼レフが、

手巻き・手動設定中心のカメラから、電子制御・自動巻き上げ・DXコード対応へ移っていく過程

を理解するうえでは非常に興味深いモデルです。

「オートフォーカスではない」点に注意

A3 DATEは、自動巻き上げやプログラムAEを搭載しています。

しかし、オートフォーカスではありません。

ピント合わせは撮影者がレンズのフォーカスリングを回して行います。

つまり、

  • ピント:手動
  • 露出:自動化可能
  • フィルム送り:自動
  • フィルム感度:DXなら自動
  • 日付記録:DATEモデルで対応

という構成です。

1980年代の「電子化されたMF一眼レフ」らしいスタイルといえます。

PENTAX KAマウントを採用

A3はPENTAX KAバヨネットマウントを採用しています。

取扱説明書の仕様にも「Pentax KA bayonet mount」と明記されています。

PENTAX-Aシリーズのレンズを使用すれば、絞りリングを「A」位置へセットすることでプログラムAEを利用できます。

SMC PENTAX-Aレンズ

A3 DATEとの組み合わせで最も機能を活用しやすいレンズです。

絞りリングをA位置へロックすると、カメラが絞り値とシャッター速度を自動的に決定するプログラムAEを利用できます。

代表的なレンズには、

  • SMC PENTAX-A 50mm F1.7
  • SMC PENTAX-A 50mm F1.4
  • SMC PENTAX-A 28mm F2.8
  • SMC PENTAX-A 35-70mm F4
  • SMC PENTAX-A 70-210mm F4

などがあります。

従来のK・Mレンズ

従来型レンズではA位置がないため、プログラムAEは利用できません。

しかし、絞り値をレンズ側で設定すれば、絞り優先AEとして使用できます。

取扱説明書でも、K・Mレンズ使用時は絞り優先AEと通常のオートフラッシュモードを使用できるとされています。

古いPENTAX-Mレンズを多数所有している人にとっても、比較的使いやすいボディです。

プログラムAEを搭載

PENTAX-Aレンズを装着し、絞りリングをAへ設定します。

さらにカメラ側のモードセレクターを「PROGRAM」へ合わせれば、プログラムAEになります。

この状態ではカメラが、

シャッター速度と絞り値を同時に自動設定

します。

取扱説明書でも、被写体の明るさに応じてシャッター速度と絞りを同時に変化させ、適正露出を得る方式と説明されています。

ピント合わせだけ行えばよいため、非常に簡単です。

プログラムAEの撮影手順

  1. PENTAX-Aレンズを装着する
  2. 絞りリングをAへロックする
  3. モードセレクターをPROGRAMへ合わせる
  4. ピントを合わせる
  5. シャッターボタンを半押しする
  6. ファインダーの速度表示を確認する
  7. シャッターを切る

撮影後はフィルムが自動的に次のコマへ送られます。

絞り優先AEにも対応

PENTAX A3 DATEでは絞り優先AEも利用できます。

レンズの絞りをA位置から外して、F2.8、F4、F5.6、F8など希望する値へ設定します。

カメラ側のモードセレクターはPROGRAM位置のまま使用します。

カメラが設定された絞り値に応じて、適切なシャッター速度を自動的に決定します。

背景をぼかしたい場合

F1.7、F2、F2.8など開放側を使用します。

人物撮影や静物撮影に向いています。

一般的なスナップ

F5.6~F8前後が使いやすいでしょう。

風景

F8~F16などへ絞れば、広い範囲へピントを合わせやすくなります。

プログラムAEより撮影者の意図を反映しやすいため、フィルム一眼レフの操作を楽しみたい場合には絞り優先AEが面白いでしょう。

完全マニュアル露出機ではない

ここはPENTAX A3 DATEで特に注意したいポイントです。

A3には一般的な意味での、

「シャッター速度を自由に選べる完全マニュアルモード」

がありません。

モードセレクターには、

  • B
  • 60
  • PROGRAM
  • LOCK
  • BATT.C

があります。

通常のシャッター速度はカメラが電子的に決定します。

1/60秒固定

「60」へ設定すれば、シャッター速度を1/60秒へ固定できます。

主にフラッシュ撮影などで使用するモードです。

レンズ側の絞りは任意に設定できます。

したがって限定的にはマニュアル露出的な使い方ができますが、

1/30秒、1/125秒、1/250秒、1/500秒などを撮影者が自由に指定することはできません。

Bモード

Bではシャッターボタンを押している間シャッターが開きます。

夜景、星空、光跡などの長時間露光に利用できます。

ただし電子制御式のため、Bでの長時間露光でも電池を消費します。取扱説明書では、4時間程度の連続B露光で新品アルカリ電池1組を使い切る可能性があると注意されています。

電子制御シャッター

A3はSeiko MFC E6縦走行フォーカルプレーンシャッターを採用しています。

仕様では、電子制御速度が約2秒から1/1000秒まで、さらに1/60秒固定とBを備えています。

最速1/1000秒

最高速度は1/1000秒です。

明るい屋外で絞りを開きたい場合や、人物・乗り物の動きを止めたい場合に役立ちます。

最長約2秒

自動露出では暗くなると約2秒までシャッター速度が低下します。

三脚を使用すれば夜景や薄暗い室内でもAUTO撮影できます。

電池がなければ通常撮影できない

A3 DATEは電子制御カメラです。

シャッターだけでなく、露出計やフィルム巻き上げモーターも電気で動きます。

そのため、完全機械式のPENTAX MXやK1000のように、

「電池がなくても露出計を無視すれば撮れる」

というカメラではありません。

基本的に電源が必要です。

電源は単3形電池2本

A3の大きなメリットが、現在でも簡単に入手できる単3形電池を使用することです。

取扱説明書では、1.5Vの単3アルカリ電池2本が指定されています。

特殊な水銀電池や高価な専用リチウム電池ではありません。

中古フィルムカメラとしては非常に扱いやすいポイントです。

バッテリーチェック

モードセレクターを「BATT.C」へ合わせると、グリップ部の赤いランプで電池状態を確認できます。

ランプが点灯すれば電池容量があります。

フィルム送りが目に見えて遅くなってきた場合も、電池消耗のサインです。

単3アルカリ電池を推奨

当時の取扱説明書では、

  • 同じブランド・同じ種類の2本を使う
  • 古い電池と新品を混ぜない
  • 長期間使用しない場合は取り外す

よう注意されています。

中古カメラでは特に、アルカリ電池の液漏れが重要なチェックポイントです。

自動フィルム巻き上げ

A3シリーズを特徴づける機能のひとつが、ボディ内蔵モーターです。

シャッターを切ると、フィルムは自動的に次のコマへ送られます。

仕様では、指をシャッターボタンから離せば1コマ撮影、押し続ければ連続撮影となり、約1.5コマ/秒で撮影できます。

つまりA3 DATEには、

巻き上げレバーそのものが必要ありません。

この点だけでも、K1000やMXといった従来型PENTAXとは操作感が大きく異なります。

フィルム装填も半自動化

A3はフィルム装填にも自動化が取り入れられています。

仕様では「Automatic film loading system」とされ、フィルムをセットすると自動的に1コマ目まで送る機構を備えます。

手巻きカメラのように、

「空シャッター→巻き上げ→空シャッター」

を何度も繰り返す必要がありません。

ただし、フィルム先端を正しく巻き取り側へセットする必要はあります。

フィルム終端ではモーターが停止する

最後のコマを撮影するとモーターが自動停止します。

ただし、フィルムの巻き戻しは自動ではありません。

取扱説明書では、

  1. 巻き戻しボタンを押す
  2. 巻き戻しクランクを起こす
  3. 手動でフィルムをパトローネへ戻す

という方法が案内されています。

つまりA3 DATEは、

フィルム送りは電動、巻き戻しは手動

という構成です。

ここも1980年代半ばらしい過渡期の設計といえます。

DXコードによるフィルム感度自動設定

A3はDXコード対応です。

DXコード付きフィルムを装填すれば、カメラが自動的にフィルム感度を読み取ります。

対応範囲はISO25~1600です。

現在販売されている多くの35mmフィルムにもDXコードがあります。

そのため、ISO100、200、400などを撮影者が毎回設定しなくても使用できます。

非DXフィルムでは手動設定

DXコードのないフィルムでは、上面のISOダイヤルから感度を設定します。

こちらもISO25~1600に対応しています。

自家詰めフィルムや古いパトローネを使用するときに必要です。

+1.5EVの露出補正ボタン

A3には露出補正用のボタンがあります。

仕様では**+1.5EV**の補正が可能です。

逆光の人物など、カメラ任せでは被写体が暗くなりやすい場面で使用します。

たとえば、

  • 窓を背景にした人物
  • 明るい空を背景にした人物
  • 強い逆光
  • 雪景色を背景にした人物

などです。

現在のカメラのように+0.3、+0.7、+1.0、-1.0など細かく変更する方式ではありません。

押せば+1.5EV。

かなり割り切った設計です。

中央重点平均測光

測光方式はTTL開放測光による中央重点平均測光です。

受光素子にはGPDを使用します。

仕様では、50mm F1.4・ISO100使用時の測光範囲をEV1~18としています。

画面中央を重視しながら全体の明るさを測るため、一般的な人物、風景、スナップに対応しやすい方式です。

ただし、多分割測光ではありません。

極端な逆光では露出補正ボタンを利用します。

ファインダー内にシャッター速度をLED表示

A3ではファインダー左側にシャッター速度を表示します。

表示される主な速度は、

  • 30
  • 60
  • 125
  • 250
  • 500
  • 1000

です。

プログラムAEでは「P」も表示されます。

カメラが自動的に露出を決めますが、

今どの程度のシャッター速度になるのか

を撮影前に確認できる設計です。

手ブレ警告

暗い場所では「30」のLEDがゆっくり点滅し、手ブレの危険を知らせます。

取扱説明書では、実際のシャッター速度が1/45秒より遅くなると警告する仕様が記載されています。

この場合は、

  • 絞りを開く
  • 高感度フィルムを使う
  • 三脚を使う
  • カメラを壁や柱へ固定する
  • フラッシュを使用する

といった対策が必要です。

測光範囲外の警告

被写体が明るすぎる、または暗すぎる場合は「1000」または「30」が高速点滅します。

「1000」が点滅すると電子音による警告も行われます。

絞り優先AEなら、

  • 明るすぎる → 絞り込む
  • 暗すぎる → 絞りを開く

ことで対応できる場合があります。

それでも警告が消えない場合は、NDフィルターやフラッシュなどが必要です。

スプリットイメージとマイクロプリズム

ピント合わせは完全マニュアルです。

ファインダー中央には、

  • スプリットイメージ
  • マイクロプリズム
  • マット面

を組み合わせたフォーカシングスクリーンがあります。

スプリットイメージ

人物の輪郭、建物の柱、窓枠などの直線を使います。

上下にずれた像がつながれば合焦です。

マイクロプリズム

被写体がちらついて見える間はピントが合っていません。

像が落ち着いて鮮明になれば合焦です。

マット面

望遠レンズ、接写、被写体の形状によって中央部分を使いにくい場合に利用します。

ファインダー倍率約0.82倍

仕様では、50mmレンズを無限遠へ合わせた場合のファインダー倍率は約0.82倍です。

視野率は約92%です。

実際にフィルムへ写る範囲は、ファインダーで見える範囲より若干広くなります。

プリント時のトリミングを前提とした一般向け一眼レフらしい仕様です。

約12秒のセルフタイマー

A3には電子制御式セルフタイマーがあります。

作動時間は約12秒です。

撮影開始後はLED点滅と電子音でカウントし、シャッターが切れる約2秒前から点滅と音が速くなります。途中でキャンセルすることも可能です。

集合写真や三脚撮影に利用できます。

プログラムオートフラッシュ

対応するPENTAX専用オートフラッシュを使用すると、フラッシュ撮影も自動化できます。

取扱説明書ではAF200T、AF280T、AF400Tなどの対応が案内されています。

フラッシュの充電が完了すると、

  • ファインダーにフラッシュマークを表示
  • シャッター速度を1/60秒へ自動設定
  • プログラムAEでは絞り値も自動設定

します。

ただし、現在のデジタル一眼レフのようなTTLフラッシュ調光とは異なります。

対応する専用フラッシュ側のオート機能と連動するシステムです。

フラッシュ同調速度は1/60秒

X同調速度は1/60秒です。

一般的な電子フラッシュを使用する場合は、モードセレクターを「60」へ設定して使用できます。

専用フラッシュなら、PROGRAM撮影時に自動的に1/60秒へ切り替わります。

DATEモデルの特徴

PENTAX公式アーカイブには「PENTAX A3 DATE」という名称で記録されており、通常のA3とは別に日付写し込み機能付き仕様が存在します。

海外ではA3000 DATE、日本向けなどではA3 DATE系の名称が見られます。

DATEモデルでは、背面側のデート機構を使って撮影フィルムへ日付情報を写し込めます。

旅行、家族写真、記録写真などでは、

「いつ撮った写真かがフィルム自体に残る」

ことが当時の大きなメリットでした。

現在はDATE機能の実用性に注意

1980年代のデート機構を現在使用するときには注意が必要です。

DATE機構自体が正常でも、

  • 液晶表示が薄い
  • ボタンが反応しない
  • 日付用電池が消耗している
  • 写し込み用ランプが劣化している
  • カレンダーの年設定範囲が現代まで対応していない

といった可能性があります。

したがって、中古販売で「DATE付き」と記載されていることと、

2020年代の現在の日付を正常に写し込めること

は別問題です。

DATE機能を実際に使いたい場合は、購入個体で設定できる年・月・日と、フィルムへの実写結果を確認しましょう。

A3・A3 DATE・A3000の違い

基本的な撮影機能は同じA3系です。

モデル主な違い
PENTAX A3基本モデル
PENTAX A3 DATE日付写し込み機能付き
PENTAX A3 date S市場・仕様によるDATE系表記
PENTAX A3000主に北米向け名称
PENTAX A3000 DATEA3000のデート機能付き

ペンタックス系技術資料では、これらの名称がA3/A3000系の製品バリエーションとしてまとめられています。

中古ではモデル名そのものよりも、

  • DATE機構の有無
  • ボディ状態
  • 電源
  • 巻き上げ
  • シャッター
  • 露出計

を優先しましょう。

PENTAX A3 DATEの基本スペック

項目内容
カメラ形式35mm TTL自動露出一眼レフ
使用フィルム35mmフィルム
画面サイズ24×36mm
ピント合わせマニュアルフォーカス
レンズマウントPENTAX KAマウント
プログラムAEPENTAX-Aレンズで対応
絞り優先AE対応
マニュアル速度1/60秒固定・B
AUTOシャッター約2秒~1/1000秒
シャッターSeiko MFC E6・電子制御縦走行
測光TTL中央重点平均測光
受光素子GPD
測光範囲EV1~18・ISO100・50mm F1.4
DX感度ISO25~1600
手動ISOISO25~1600
露出補正+1.5EVボタン
ファインダー倍率約0.82倍
視野率約92%
ピントスクリーンスプリット/マイクロプリズム/マット
フィルム装填自動送り
巻き上げ内蔵モーター
連続撮影約1.5コマ/秒
巻き戻し手動
セルフタイマー電子式約12秒
フラッシュ同調1/60秒
ホットシューあり
電源単3形1.5V電池×2
ボディ寸法約152.5×87.5×50.5mm
A3基本モデル重量約530g・電池なし
DATEモデル日付写し込み機能付き

基本撮影仕様はPENTAX A3の純正取扱説明書に基づきます。

PENTAX A3 DATEの基本的な使い方

単3電池を2本入れる

グリップ部分の電池蓋を開き、同じ種類の単3アルカリ電池を2本入れます。

+と-の向きを確認します。

バッテリーチェック

モードセレクターをBATT.Cへ合わせます。

赤いチェックランプが点灯することを確認します。

フィルムを入れる

裏蓋を開き、35mmフィルムを装填します。

DXフィルムならISO感度は自動認識されます。

PROGRAMへ設定する

PENTAX-Aレンズを使用する場合は、絞りリングをAへロックします。

カメラ側のモードセレクターをPROGRAMへ合わせます。

ピントを合わせる

ファインダー中央のスプリットイメージまたはマイクロプリズムを利用します。

ピントリングを手で回し、被写体を鮮明にします。

シャッターボタンを半押しする

露出計が作動し、ファインダー内にPとシャッター速度が表示されます。

シャッターを切る

シャッターボタンを最後まで押します。

撮影後は内蔵モーターが自動的に次のコマへ送ります。

中古購入時に確認したいポイント

まず単3電池2本で電源を確認する

A3 DATEでは電源確認が最優先です。

新品の単3アルカリ電池を2本用意し、

  • バッテリーチェック
  • 露出計
  • シャッター
  • 巻き上げモーター
  • セルフタイマー

を確認します。

電池がなければ機能チェックそのものがほとんどできません。

電池室の液漏れ

単3アルカリ電池を使用する古い電子カメラで非常に重要です。

確認したい症状は、

  • 白い粉
  • 緑色の腐食
  • 金属接点の黒ずみ
  • 電池端子の欠損
  • 電池蓋の破損
  • 液漏れが奥まで侵入した跡

です。

長期間電池を入れっぱなしにされた個体では、液漏れが基板や配線まで達している場合があります。

バッテリーチェック

BATT.C位置で赤いランプが安定して点灯するか確認します。

ランプが、

  • 点かない
  • カメラを傾けると消える
  • 電池蓋を押すと点く
  • 点滅する

場合は、接点不良や配線不良を疑います。

PROGRAMモード

PENTAX-Aレンズを装着し、絞りをAへ設定します。

PROGRAM位置でシャッターボタンを半押しし、

  • P表示
  • シャッター速度表示

が正常に出ることを確認します。

明るい場所と暗い場所で速度表示が変化する必要があります。

絞り優先AE

レンズをAから外し、

  • F2.8
  • F5.6
  • F11

などへ変更します。

同じ明るさの被写体へ向けたとき、絞り込むほどシャッター速度が低下することを確認します。

どの絞りでも速度表示が変わらない場合は注意が必要です。

1/60秒固定

モードセレクターを60へ合わせます。

シャッターが毎回安定して切れるか確認しましょう。

PROGRAMが不調でも60だけ切れる個体があります。

したがって、

1/60秒でシャッターが切れた=電子シャッター全体が正常

とは判断できません。

Bモード

Bへ設定し、シャッターボタンを押している間だけシャッターが開き、離すと閉じることを確認します。

途中で閉じる、離しても閉じない個体は注意が必要です。

1/1000秒側

AUTOで明るい方向へ向け、高速側が選択されるか確認します。

実際の1/1000秒精度は耳だけでは判断できません。

可能なら実写またはシャッターテスターを利用します。

低速シャッター

暗い場所へ向け、1秒前後までシャッター時間が長くなることを確認します。

  • 途中でミラーが止まる
  • シャッターが閉じない
  • モーターが動かない
  • 電源を入れ直さなければ復帰しない

個体は電子制御系の不調が考えられます。

ファインダーLED

30、60、125、250、500、1000などのLEDが正常に点灯するか確認します。

一部だけ点かない場合、表示回路の故障が考えられます。

露出そのものが正常でも表示不良は撮影時の判断を難しくします。

手ブレ警告

暗い場所で30表示がゆっくり点滅することを確認します。

非常に明るいまたは暗い状況では高速点滅や電子音による警告が正常かも確認しましょう。

露出計の精度

信頼できる露出計またはデジタルカメラと比較します。

ISO100など条件を揃え、

  • 晴天
  • 日陰
  • 室内

で大きなずれがないか確認します。

1980年代の電子カメラなので、露出計が反応することと精度が出ていることは別です。

+1.5EV補正ボタン

補正ボタンを押し、シャッター速度が変化するか確認します。

逆光時に使用する重要な機能です。

押したまま戻らない、何も変化しない場合は接点不良が考えられます。

DXコード

DXコード付きフィルムを装填し、自動感度設定が正常か確認します。

ボディ内部のDX接点に、

  • 腐食
  • 汚れ
  • 折れ
  • 沈み込み

がないか見ましょう。

DXが正常に読めないと露出がずれる可能性があります。

手動ISOダイヤル

非DXフィルム用にISO25~1600を設定できるか確認します。

ダイヤルが途中で固着していないことも重要です。

自動フィルム送り

A3 DATEでは非常に重要です。

実際に不要な35mmフィルムを装填し、

  • 撮影開始位置まで送る
  • 1回撮影すると1コマ進む
  • カウンターが進む
  • 連続撮影できる
  • フィルム終端でモーターが停止する

ことを確認できれば理想です。

モーター音

巻き上げ時に、

  • ガリガリ音
  • 引っ掛かる音
  • 回転しているのにフィルムが動かない
  • 数コマで停止する
  • 徐々に速度が落ちる

場合は注意が必要です。

新品電池で改善しない場合、ギアやモーターに問題がある可能性があります。

フィルム巻き戻し

巻き戻しは手動です。

底面ボタンを押し、クランクを回せることを確認します。

巻き戻しボタンが戻らないと、次のフィルムで正常に自動送りできない場合があります。

ミラー

レンズを外し、ミラーを確認します。

  • 傷
  • カビ
  • 腐食
  • コーティング劣化
  • シャッター後に戻らない

症状がないことを確認します。

ミラーを指で押してはいけません。

プリズムとファインダー

明るい壁へ向け、

  • 曇り
  • カビ
  • 黒い帯
  • プリズム腐食
  • スクリーンの傷
  • LEDの見えにくさ

を確認します。

写真には直接写らない汚れでも、MFカメラではピント合わせへ大きく影響します。

スプリットイメージ

50mm前後のレンズを装着し、遠くの建物へピントを合わせます。

スプリット像が正確につながることを確認します。

スクリーンやミラー位置がずれていると、ファインダーでは合っていてもフィルム面ではピンぼけになる可能性があります。

レンズマウント

KA接点を確認します。

  • 汚れ
  • 腐食
  • 接点の沈み込み
  • マウントの変形

があるとPENTAX-AレンズのA位置を正しく認識できない場合があります。

PENTAX-AレンズのA位置

プログラムAEを使用したい場合は、レンズ側のA位置も正常である必要があります。

Aロックボタンを押しながら絞りリングをAへ動かし、確実にロックすることを確認します。

A接点が不安定なレンズではプログラムAEが正常に動きません。

絞り羽根

付属レンズの絞り羽根も確認します。

  • 油がない
  • 素早く閉じる
  • 素早く開く
  • F22まで閉じる
  • 開口部がいびつでない

ことが重要です。

カメラ側が正しい露出を決めても、レンズの絞りが正常に動かなければ露出はずれます。

モルト

裏蓋周辺とミラー受けのモルトを確認します。

  • 粉状に崩れる
  • べたつく
  • 消失している

場合は交換が必要です。

A3系もすでに40年以上経過しているため、未交換個体では劣化している可能性があります。

DATE液晶

DATEモデルでは背面の表示を確認します。

  • 数字が表示される
  • 一部が欠けていない
  • 液晶が黒くにじんでいない
  • ボタン操作に反応する

ことを確認します。

カメラ本体が正常でもDATE機構だけ故障している個体があります。

DATE用電源

中古のDATEモデルでは、本体用単3電池とは別にデート機構側の電源が消耗している場合があります。

「カメラは動くが日付だけ表示されない」という状態も十分考えられます。

デート機構を重視するなら、本体とは別機能として確認しましょう。

現在の日付を設定できるか

非常に重要です。

古いDATE機構にはカレンダーの年数上限があります。

したがって、

液晶が点く=2026年を設定できる

とは限りません。

現在の日付を実際に設定できるか確認しましょう。

対応していない場合でも、DATE機能をOFFにして通常のA3として撮影できれば実用品としては問題ありません。

PENTAX A3 DATEが向いている人

PENTAX A3 DATEは、次のような人に向いています。

  • MF一眼レフを気軽に使いたい人
  • プログラムAEを使いたい人
  • 絞り優先AEを使いたい人
  • PENTAX-Aレンズを持っている人
  • PENTAX-Mレンズも活用したい人
  • フィルム巻き上げを自動化したい人
  • DX対応カメラを使いたい人
  • 単3電池で動くフィルムカメラを探している人
  • 1980年代の電子化過渡期の一眼レフが好きな人
  • 日付入り写真を楽しみたい人

特に、

「AFまではいらない。でも巻き上げや露出設定は楽をしたい」

という人には面白い存在です。

PENTAX A3 DATEが向かない場合

一方、次のような人には別のカメラが向いています。

  • シャッター速度を自由に選びたい人
  • 完全マニュアル撮影をしたい人
  • 電池なしで撮影したい人
  • 完全機械式カメラを求める人
  • オートフォーカスを使いたい人
  • 静かな巻き上げを求める人
  • 電子回路やモーター故障を避けたい人
  • 交換式フォーカシングスクリーンを使いたい人
  • ミラーアップを利用したい人

完全マニュアルならMXやK1000、より高度な自動露出を求めるならSuper Aなども比較対象になります。

まとめ

PENTAX A3 DATEは、35mmフィルムを使用するマニュアルフォーカス一眼レフです。

PENTAX公式アーカイブにもA3 DATEとして記録され、A3/A3000系のデート機能付きモデルとして展開されました。

主な特徴は次のとおりです。

  • 24×36mmの35mm判
  • PENTAX KAマウント
  • マニュアルフォーカス
  • PENTAX-AレンズでプログラムAE
  • 絞り優先AE
  • 約2秒~1/1000秒の電子制御シャッター
  • 1/60秒固定
  • B
  • TTL中央重点平均測光
  • DXコード対応
  • ISO25~1600
  • +1.5EV露出補正
  • ファインダー内LEDシャッター速度表示
  • スプリットイメージ+マイクロプリズム
  • 内蔵モーターによる自動巻き上げ
  • 約1.5コマ/秒の連続撮影
  • 自動フィルム装填
  • 手動巻き戻し
  • 約12秒セルフタイマー
  • プログラムオートフラッシュ
  • 電源は単3形電池2本
  • DATEモデルでは日付写し込み機能

中古購入時に最も重要なのは、

「シャッターが切れるか」だけで判断しないことです。

新品単3電池を入れ、

  1. PROGRAM
  2. 絞り優先AE
  3. 1/60秒
  4. B
  5. 露出計
  6. DX認識
  7. 自動フィルム送り
  8. 連続撮影
  9. フィルム巻き戻し
  10. DATE機能

まで確認しましょう。

特にA3 DATEでは、カメラ本体とデート機構は分けて考える必要があります。

本体は完全動作品でもDATEが死んでいる場合がありますし、DATE液晶が生きていても現在の西暦を設定できるとは限りません。

そして、このカメラ最大の特徴は「便利なのにAFではない」という点です。

ピントだけは自分で合わせる。

露出はカメラへ任せられる。

シャッターを押せば、モーターが次のフィルムを送る。

フィルム感度もDXなら自動。

PENTAX A3 DATEは、昔ながらのマニュアルフォーカス一眼レフへ、1980年代らしい電子化と自動化を一気に持ち込んだ“半自動世代”のPENTAXです。

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