Nikon FE

ニコンの中堅モデル:FEです。色はブラックとシルバーがありました。

Nikon FEとは?絞り優先AEと機械式M90を備えた名作フィルム一眼レフを徹底解説

Nikon FEは、35mmフィルムを使用するマニュアルフォーカス一眼レフカメラです。

ニコン公式のCamera Chronicleによると、発売は1978年6月。前年に登場したNikon FMとほぼ同じコンパクトなボディをベースに、電子制御シャッターと絞り優先AEを組み合わせたモデルとして登場しました。ニコン自身もFEを「FMのAE版」と位置づけています。

主な特徴は、

  • Nikon Fマウント
  • マニュアルフォーカス
  • 絞り優先AE
  • 完全マニュアル露出
  • TTL中央重点測光
  • AUTOでは電子制御シャッター
  • 8秒~1/1000秒
  • 電池不要で動くM90
  • 機械式B
  • ニードル式露出表示
  • AEロック
  • ±2EV露出補正
  • 多重露光
  • MD-12モータードライブ対応

などです。

FEは電子制御カメラですが、電池がなければ完全に沈黙するわけではありません。

通常の電子制御シャッターは使えなくなる一方、

M90=1/90秒とBは機械的に作動します。

このため、完全機械式FMと電子AE機の中間に位置するような独特の安心感があります。

この記事では、Nikon FEの特徴、絞り優先AE、ニードル式露出計、レンズ互換性、FE2・FMとの違い、基本的な使い方、中古購入時に確認したいポイントを詳しく解説します。

目次

Nikon FEとは

Nikon FEは、24×36mmの35mmフィルムを使用するレンズ交換式一眼レフです。

1977年に登場したNikon FMと基本的なサイズ感を共有しながら、シャッターを電子制御化し、絞り優先AEを搭載しました。

ニコン公式史では、FEの開発自体はFMやEL2の市販開始前からすでに進められていたと紹介されています。

内部にはフレキシブルプリント基板や当時として先進的だったチップ部品実装技術が導入され、ニコンはFEを後の電子制御一眼レフにつながる重要なモデルと位置づけています。

外観は非常にオーソドックスですが、中身は当時かなり先進的でした。

1978年に登場

Nikon FEの発売は1978年6月です。

これはニコンがレンズ連動方式をAI、Automatic Maximum Aperture Indexingへ移行してから約1年後でした。

そのためFEは、Ai Nikkorとの組み合わせを基本とする世代のカメラです。

一方、後述する可倒式メーター連動レバーによって、一部の旧型非Aiレンズも絞り込み測光で利用できます。

このあたりは、マウント互換性を長く維持してきたニコンらしい設計です。

Nikon FMの兄弟機

Nikon FMは1977年に登場した機械式シャッター中心のモデルです。

その兄弟機として翌年登場したFEでは、

FMの小型ボディ+電子シャッター+絞り優先AE

という構成になりました。

大まかに言えば、

  • FM:機械式・マニュアル露出重視
  • FE:電子制御・絞り優先AE対応

という違いです。

撮影者がすべて露出を決めたいならFM。

普段は絞りだけ決め、シャッター速度をカメラへ任せたいならFE。

非常に分かりやすい兄弟関係です。

絞り優先AEを搭載

FE最大の特徴が絞り優先AEです。

シャッターダイヤルを緑色の「AUTO」へ合わせ、レンズの絞り値を選びます。

するとカメラがTTL露出計の測定結果に基づき、適切なシャッター速度を自動的に選びます。

たとえば、

  • 人物 → F2やF2.8
  • スナップ → F4~F8
  • 風景 → F8~F16

など、撮影者は被写界深度を考えて絞りを決めればよくなります。

シャッター速度はカメラ任せです。

AUTOでもシャッター速度が見える

FEがおもしろいのは、AEだからといってカメラの判断を隠さないことです。

ファインダー左側にはシャッター速度目盛りと指針があります。

AUTO時には黒い針が、カメラが実際に選ぼうとしているシャッター速度を示します。

たとえばF8へ絞った結果、針が1/15秒を指したなら、

「これは手ブレしそうだ」

と撮影前に判断できます。

そこでF4へ開けば針が1/60秒へ上がる――といった操作ができます。

現在の電子表示よりも、明るさとシャッター速度の関係を直感的に理解しやすい表示です。

マニュアル露出にも完全対応

FEはAE専用機ではありません。

AUTOからシャッターダイヤルを外せば、マニュアル露出になります。

マニュアル時には、

  • 緑の針:撮影者が設定したシャッター速度
  • 黒の針:露出計が推奨するシャッター速度

を表示します。

2本の針が重なるようにシャッター速度または絞り値を調整すれば、露出計上の適正露出です。

いわゆる追針式・マッチニードル方式です。

8秒~1/1000秒

通常の電子制御シャッター速度は、

  • 8秒
  • 4秒
  • 2秒
  • 1秒
  • 1/2秒
  • 1/4秒
  • 1/8秒
  • 1/15秒
  • 1/30秒
  • 1/60秒
  • 1/125秒
  • 1/250秒
  • 1/500秒
  • 1/1000秒

です。

AUTOでは同範囲をカメラが自動制御します。マニュアルでも8秒~1/1000秒を直接選択できます。

最高1/1000秒

現在のカメラと比べれば高速ではありませんが、ISO100~400のフィルムを使う一般撮影では十分実用的です。

晴天時にF1.4など大口径レンズを開放で使いたい場合は、NDフィルターが必要になることもあります。

最長8秒

マニュアルでも8秒まで設定できます。

夜景や薄暗い室内などで、三脚を使った長時間露光ができます。

さらに長時間ならBを使用します。

M90は電池不要

FEを語るうえで非常に重要なのがM90です。

M90では、シャッター速度1/90秒を機械的に作動させます。

電池がなくても使用できます。

つまり旅行先で突然電池が切れても、

  • M90
  • B

だけなら撮影を続けられます。

露出計は使えませんが、サニー16や外部露出計があれば写真を撮ることはできます。

Bも完全機械式

Bではシャッターボタンを押している間シャッターが開きます。

Bも機械的に作動するため、長時間露光中にシャッター制御用の電池を消費しません。

星景や夜景など数分単位の露光でも使えます。

ケーブルレリーズと三脚を組み合わせると便利です。

電池切れでミラーが上がった場合

FEで電子シャッター速度を選んだ状態のまま、電池切れでシャッターを切ると、ミラーが上がった状態で止まることがあります。

この場合、取扱説明書ではシャッターダイヤルをM90へ切り替えることでミラーを復帰させる方法が案内されています。

中古店で、

「ミラーが上がったまま!故障だ!」

となっていても、単なる電池切れという可能性があります。

もちろんM90へ切り替えても戻らない場合は機械的な不具合を疑います。

TTL中央重点測光

FEはTTL中央重点測光を採用しています。

撮影レンズを通った光を測り、画面全体を測光しながら中央付近を重視します。

仕様では2個のSPD、Silicon Photo Diodeを使用しています。測光範囲はISO100・50mm F1.4使用時でEV1~18です。

ニコン公式史でも、FEの露出制御技術はEL系から受け継がれ、後のニコン電子制御一眼レフの基礎になったと説明されています。

ISO12~4000

フィルム感度設定範囲はASA/ISO12~4000です。

現在一般的な、

  • ISO100
  • ISO200
  • ISO400
  • ISO800

は問題なく設定できます。

DXコードによる自動認識はありません。

フィルム交換時は必ず自分で設定します。

±2EV露出補正

露出補正は±2EVまで対応します。

1/2段刻みで設定できます。

たとえば、

  • 逆光の人物 → +1EV
  • 雪景色 → +1EV前後
  • 黒い被写体 → -1EV
  • シルエット → -1~-2EV

などに利用できます。

中古カメラでは、前の所有者が補正したままになっていることがあります。

フィルムを入れる前に必ず0を確認しましょう。

AEロックを搭載

セルフタイマーレバーはAEメモリーロックとしても機能します。

AUTOで被写体へカメラを向け、露出を測った状態でレバーをレンズ方向へ押すと、そのシャッター速度を固定できます。

たとえば逆光の人物なら、

  1. 人物へ近づく
  2. 顔を中心に測光
  3. AEロック
  4. 元の構図へ戻す
  5. 撮影

という方法が使えます。

中央重点測光の弱点を撮影者自身で補うための重要な機能です。

約8~14秒のセルフタイマー

セルフタイマーは約8~14秒の範囲で設定できます。

途中でキャンセルすることも可能です。

AUTO撮影でセルフタイマーを使用する場合は、撮影者がファインダーから顔を離すことで接眼部から光が入って測光へ影響する可能性があります。

説明書では接眼部を手などで遮光するよう案内されています。

Nikon Fマウント

FEはNikon Fバヨネットマウントです。

基本的にはAi世代のNikkorレンズとの組み合わせが扱いやすくなります。

取扱説明書では50種類以上のNikkorを利用できるとされています。

Ai Nikkorとの組み合わせが基本

Aiレンズには絞りリング後部にメーター連動ガイドがあります。

レンズをFEへ取り付けるだけで、開放F値など必要な情報がボディへ機械的に伝わります。

通常は開放測光が可能です。

Ai-Sレンズも同様に使用できます。

FEではAiとAi-Sの違いを強く意識する必要はありません。

非Aiレンズも一部使用可能

FEのおもしろい特徴が、メーター連動レバーを上へ退避できることです。

非Ai Nikkorを装着する場合は、このレバーを起こして干渉を避けます。

その状態では開放測光ではなく絞り込み測光を利用します。

ただし、古いNikon Fマウントレンズすべてが安全に使えるわけではありません。

レンズ後部の形状によって干渉する製品もあるため、型番ごとの互換性確認が必要です。

一部の古い魚眼レンズは使用不可

取扱説明書では、

  • Fisheye-Nikkor 6mm F5.6
  • OP Fisheye-Nikkor 10mm F5.6

はFEで使用できないとされています。

FEにはミラーアップ固定機構がないためです。

Fマウントだから何でも付く、とは考えないようにしましょう。

AF Nikkorもレンズによっては使用可能

絞りリングを持つAF Nikkorで機械的な互換性があれば、FEでも使用できます。

ただしFEにはAFモーターもAFセンサーもありません。

ピントは完全に手動です。

AFレンズはMF専用Nikkorよりフォーカスリングが軽く、回転角も短いものがあるため、FEではMFレンズの方が操作しやすい場合があります。

Gタイプなど絞りリングなしレンズには不向き

FEはレンズ側の絞りリング操作を前提とします。

絞りリングを持たないGタイプなどは、通常の撮影で絞り値を自由に設定できません。

物理的に装着できることと、実用的に使えることは別です。

FE用レンズを選ぶなら、Ai・Ai-S世代のMF Nikkorが最も分かりやすい組み合わせです。

ファインダーのニードル表示が魅力

FEのファインダー表示は、現在の電子一眼レフとは大きく異なります。

LEDの数字ではなく、物理的な針がシャッター速度目盛りの横を上下します。

AUTOなら黒針を見るだけ。

マニュアルなら黒針と緑針を一致させます。

明るさが変わると針が滑らかに動くため、

光量が変わるとシャッター速度がどう動くのか

を視覚的に理解できます。

フィルムカメラ初心者が露出を学ぶ教材としても優れた表示方式です。

絞り値もファインダー内で確認

対応Nikkorレンズの絞り値はADR、Aperture Direct Readoutによってファインダー内へ表示されます。

レンズの絞りリングへ刻まれた小さな数字をプリズムで読み取る機械式の仕組みです。

ファインダーから目を離さず、

  • 絞り
  • シャッター速度
  • 露出状態

を確認できます。

被写界深度プレビュー

ボディ前面には絞り込みレバーがあります。

押すと、装着レンズが設定F値まで絞られます。

F2からF8へ絞った場合に、背景や前景へどこまでピントが合って見えるのかを撮影前に確認できます。

ただし絞るほどファインダーは暗くなります。

多重露光

FEには多重露光レバーがあります。

通常のフィルム送りを行わず、シャッターだけ再チャージできます。

同じコマへ、

  • 人物を複数回
  • 月と風景
  • 光跡
  • シルエット

などを重ねられます。

フィルムならではの表現です。

MD-12モータードライブ対応

オプションのMotor Drive MD-12を装着できます。

ニコン公式製品史でも、FEがMD-12へ対応していることが記録されています。

通常は手巻きですが、モータードライブを付ければフィルム送りを自動化できます。

多重露光時にもMD-12を利用する方法が取扱説明書で案内されています。

フラッシュ同調は1/125秒

電子フラッシュの最高同調速度は1/125秒です。

B、M90を含め、1/125秒以下で同期します。

専用SB-10をAUTO状態で使用した場合は、フラッシュ充電完了時にシャッター速度を1/90秒へ自動設定する連動もあります。

後継FE2では1/250秒同調へ高速化されます。

Nikon FEとFE2の違い

FE2はFEの後継として登場しました。

ニコン公式史では、FE2についてFEへ高速電子シャッターとTTLフラッシュ機能を追加する方向で開発されたモデルと説明されています。

主な違いは次のとおりです。

項目Nikon FENikon FE2
発売1978年1983年
AE絞り優先絞り優先
最高シャッター1/1000秒1/4000秒
機械速度M90M250
X同調1/125秒1/250秒
TTLフラッシュなしあり
非Aiレンズレバー退避で絞り込み測光可基本的に非対応
基本操作ニードル式ニードル式

FE2の方がシャッター性能とフラッシュ機能では明確に上です。

一方FEには、可倒式Ai連動レバーによって非Ai Nikkorを使いやすいというメリットがあります。

古いNikkorレンズを含めて楽しみたい人にはFEが魅力的です。

Nikon FEとFMの違い

項目Nikon FMNikon FE
露出マニュアル絞り優先AE+マニュアル
シャッター機械制御中心電子制御
電池切れシャッター撮影可能M90・Bのみ
露出表示LED式ニードル式
基本思想機械式AE対応電子式

ニコン自身も、FEを「FMと同じコンパクトボディを使用した絞り優先AE機」と説明しています。

完全機械式の安心感を優先するならFM。

AUTO撮影の便利さを重視するならFEです。

Nikon FEの基本スペック

項目内容
カメラ形式35mm一眼レフ
発売1978年6月
使用フィルム35mm
画面サイズ24×36mm
レンズマウントNikon F
ピントマニュアルフォーカス
露出モード絞り優先AE・マニュアル
測光TTL中央重点測光
受光素子SPD×2
測光範囲EV1~18・ISO100/50mm F1.4
ISO12~4000
露出補正±2EV
電子シャッター8秒~1/1000秒
機械シャッターM90
B機械式
フラッシュ同調1/125秒
AEロックあり
セルフタイマー約8~14秒
多重露光あり
被写界深度確認あり
モータードライブMD-12対応
フィルム巻き上げ手動・135度
電源1.55V酸化銀×2または3Vリチウム×1
寸法約142×89.5×57.5mm
重量約590g・ボディのみ

主要仕様はNikon FE取扱説明書およびニコン公式Camera Chronicleによります。

Nikon FEの基本的な使い方

電池を入れる

底面の電池室へ、

  • 1.55V酸化銀ボタン電池2個
  • または3Vリチウム電池1個

を装着します。

実用品なら電圧が安定した酸化銀電池を選びやすいでしょう。

バッテリーチェック

ボディのバッテリーチェックレバーを操作します。

ランプが点灯することを確認します。

フィルムを装填する

裏蓋ロックを操作しながら巻き戻しノブを引き上げて裏蓋を開きます。

フィルム先端を巻き取りスプールへ差し込み、パーフォレーションがスプロケットへ掛かっていることを確認します。

裏蓋を閉じ、空送りを行います。

ISO感度を設定する

フィルム感度ダイヤルを持ち上げながら回します。

ISO100なら100、ISO400なら400です。

Ai Nikkorを装着する

レンズとボディの指標を合わせ、バヨネットへ取り付けます。

Aiレンズなら開放測光が利用できます。

AUTOへ設定する

絞り優先AEを使う場合はシャッターダイヤルをAUTOへ合わせます。

絞りを決める

人物ならF2~F4、一般撮影ならF5.6~F8、風景ならF8~F16など、目的に応じて設定します。

ピントを合わせる

スプリットイメージやマイクロプリズムを使って手動でピントを合わせます。

黒い針を見る

AUTOなら黒い針が実際に使用されるシャッター速度を示します。

1/30秒以下なら手ブレに注意しましょう。

シャッターを切る

構図・ピント・速度を確認し、シャッターボタンを静かに押します。

撮影後は巻き上げレバーで次のコマへ進めます。

中古購入時に確認したいポイント

新品電池で確認する

FEでは最優先です。

電池なしでM90が切れたからといって、

「完動品」ではありません。

新品電池を入れ、

  • AUTO
  • 8秒~1/1000秒
  • 露出計
  • AEロック
  • バッテリーチェック

まで確認します。

M90だけ動く個体に注意

電子系が故障していてもM90は機械的に動きます。

そのため中古出品の、

「シャッター切れました」

だけでは不十分です。

何秒で確認したのかが重要です。

Bも電子系チェックにはならない

Bも機械式です。

M90とBだけ確認して「全速OK」とするのは誤りです。

AUTOの追従

絞りをF2.8などへ設定し、

  • 明るい窓
  • 室内
  • 暗い場所

へカメラを向けます。

黒い針が滑らかに上下することを確認します。

次に実際にシャッターを切り、指示された速度に近い時間で作動するか確認します。

AUTO低速

暗い場所でAUTOを使い、1秒・2秒・4秒など長い露光が正常に終了するか確認します。

  • シャッターが閉じない
  • ミラーが戻らない
  • 電源を切るまで復帰しない

個体は注意が必要です。

マニュアル全速

8秒~1/1000秒を一通り確認します。

低速側は耳で差を判断しやすくなります。

高速側はシャッターテスターまたは実写が理想です。

1/1000秒

均一な空や壁を撮影し、

  • 画面の一部だけ暗い
  • 帯状の露出ムラ
  • 左右で濃度差

がないか確認します。

高速側の幕走行不良を発見できます。

シャッター羽根

裏蓋を開いて確認します。

FEは金属製縦走行シャッターです。

  • 曲がり
  • 油
  • 深い傷
  • 異物

がないか見ます。

絶対に指で押してはいけません。

電池室

  • 液漏れ
  • 白い粉
  • 緑青
  • 接点の腐食
  • 電池蓋の固着

を確認します。

電子カメラなので、液漏れが内部配線まで進んでいる個体は慎重に判断しましょう。

バッテリーチェックランプ

新品電池でも点かない場合は、

  • 接点
  • スイッチ
  • 配線
  • 電子回路

の不調を疑います。

ニードル式露出計

ファインダー内の黒針が引っ掛からず滑らかに動くか確認します。

  • 途中で止まる
  • カメラを軽く動かすと急に落ちる
  • 常に上端
  • 常に下端

などは注意が必要です。

露出計精度

デジタルカメラまたは単体露出計と比較します。

ISO100など同じ条件にそろえ、

  • 晴天
  • 日陰
  • 室内

で確認します。

一定量だけずれる場合と、明るさによって誤差が変わる場合は意味が違います。

AUTO実写

針が正しく見えても、実際の電子シャッター制御が正確とは限りません。

可能なら1本試写し、

  • 晴天
  • 日陰
  • 室内
  • 逆光

を混ぜて確認します。

AEロック

AUTOで針を確認し、セルフタイマーレバーをレンズ方向へ押します。

被写体の明るさを変えてもシャッター速度が保持されることを確認します。

露出補正

-2から+2EVまで操作し、露出計表示が変化することを確認します。

使用後は0へ戻します。

ISOダイヤル

ISO12~4000まで動かし、

  • 固着なし
  • クリック正常
  • 設定値で露出計が変化

することを確認します。

Ai連動レバー

マウント周辺のメーター連動レバーが滑らかに動くか確認します。

Aiレンズを装着し、絞りリングを動かした際に正常連動する必要があります。

可倒機構

非Aiレンズを使う予定なら、連動レバーを解除して上へ持ち上げられるか確認します。

固着している個体では旧レンズ利用のメリットが失われます。

マウント

  • 大きな摩耗
  • 変形
  • ガタ
  • ねじ緩み

を確認します。

落下歴のある個体ではレンズ光軸へ影響する可能性があります。

ミラー

レンズを外して、

  • 腐食
  • 傷
  • 汚れ
  • 復帰速度

を確認します。

シャッター後に即座に戻る必要があります。

ミラーが上がったままの場合

まず電池を確認します。

電子速度で電池切れになるとミラーアップ状態になる場合があります。

M90へ切り替えて復帰すれば、必ずしも機械故障ではありません。

ミラー受けモルト

FE世代ではモルトの劣化にも注意します。

  • べたつく
  • 粉状になる
  • ミラーへ付着する
  • 極端に薄くなっている

場合は交換を検討します。

裏蓋モルト

裏蓋の溝や蝶番部分も確認します。

劣化すると光漏れの原因になります。

最終的にはフィルム試写で確認するのが確実です。

ファインダー

明るい壁へ向け、

  • 曇り
  • カビ
  • 大量のチリ
  • プリズム劣化
  • ニードルの見えにくさ
  • ADR窓の見え方

を確認します。

FEはMFカメラなので、ファインダー状態は重要です。

フォーカシングスクリーン

傷や強い汚れを確認します。

スクリーンは非常に傷つきやすいため、指や布で直接こすらないようにしましょう。

スプリットイメージ

50mm前後の大口径レンズを装着し、遠景と近距離でピントを確認します。

ファインダーで合っていても実写がずれる場合は、ミラーやスクリーン位置を疑います。

被写界深度プレビュー

レバーを押し、

  • 設定F値まで絞る
  • 離すと開放へ戻る

ことを確認します。

レンズ側の絞り

ボディが正常でもレンズの絞り羽根が粘っていれば露出は狂います。

付属Nikkorについて、

  • 油
  • 遅れ
  • 戻り不良

がないか確認します。

巻き上げレバー

FEではレバーを少し引き出すと露出計の電源が入ります。使用後にボディへ戻すと電源OFFとなります。

確認したいのは、

  • 滑らかな巻き上げ
  • 途中で引っ掛からない
  • シャッターがチャージされる
  • 露出計ON/OFFが連動する

ことです。

レバーを戻しても露出計が切れない場合

接点の不調が考えられます。

放置すると電池消耗につながります。

フィルムカウンター

裏蓋を開いた際にSへ戻るか確認します。

巻き上げるたびに正しく進む必要があります。

フィルム送り

不要なフィルムを通し、

  • 1コマずつ送る
  • 巻き戻しクランクが回る
  • コマ間隔が極端に乱れない

ことを確認します。

多重露光レバー

レバーを引きながら巻き上げ、フィルムを送らずシャッターだけチャージできるか確認します。

セルフタイマー

約8~14秒で正常作動するか確認します。

古い個体なので、動作未確認なら無理に最大までセットする必要はありません。

ホットシュー

  • 中央接点
  • 専用接点
  • 腐食
  • 変形

を確認します。

フラッシュを使う場合は1/125秒以下で同期するか実写確認すると確実です。

MD-12接点

モータードライブを使用する予定なら底面接点を確認します。

腐食や破損がないことが重要です。




Nikon FEが向いている人

Nikon FEは次のような人に向いています。

  • 初めてMFフィルム一眼レフを使う人
  • 絞り優先AEが欲しい人
  • マニュアル露出も使いたい人
  • Nikkorレンズを楽しみたい人
  • ニードル式露出計が好きな人
  • 機械式カメラの操作感も残したい人
  • 電池切れ時の非常用シャッターが欲しい人
  • Ai・Ai-S Nikkorを持っている人
  • 一部の非Ai Nikkorも活用したい人
  • コンパクトな1970年代Nikonを探している人

特に、

「普段はAEで楽に撮りたい。でも撮影者が露出を理解できるカメラがいい」

という人には非常に向いています。

Nikon FEが向かない場合

一方、次のような人には別モデルの方が向いている可能性があります。

  • 完全機械式シャッターを求める人
  • 電池なしで全速度を使いたい人
  • 1/2000秒以上が必要な人
  • TTLフラッシュ調光が欲しい人
  • 1/250秒以上の高速X同調が欲しい人
  • オートフォーカスが必要な人
  • プログラムAEやシャッター優先AEが欲しい人

完全機械式ならNikon FM系。

1/4000秒やTTLフラッシュが欲しいならFE2。

P・S・A・Mまで欲しいならNikon FAが候補になります。

まとめ

Nikon FEは1978年6月に発売された35mmマニュアルフォーカス一眼レフです。

ニコン公式史では、FMと同じコンパクトボディへ電子制御シャッターと絞り優先AEを組み込んだモデルとして紹介されています。

主な特徴は、

  • 24×36mmの35mm判
  • Nikon Fマウント
  • Ai Nikkor対応
  • 一部非Aiレンズにも対応
  • 絞り優先AE
  • 完全マニュアル露出
  • TTL中央重点測光
  • ニードル式露出表示
  • 8秒~1/1000秒
  • 電池不要のM90
  • 機械式B
  • ISO12~4000
  • ±2EV露出補正
  • AEロック
  • 多重露光
  • 被写界深度プレビュー
  • 1/125秒フラッシュ同調
  • MD-12対応
  • 約590g

です。

中古購入時には、

「M90でシャッターが切れた」だけでは絶対に完動判定してはいけません。

M90とBは機械式です。

新品電池を入れ、

  • AUTO
  • 電子制御全速度
  • 黒いメーター針
  • マニュアル追針
  • AEロック
  • 露出補正
  • Ai連動
  • フィルム送り

まで確認しましょう。

そして、このカメラ最大の魅力は「AUTOなのに撮影者を置き去りにしない」ことです。

絞りを決める。

ファインダーを見る。

黒い針が動いて、カメラが選ぶシャッター速度を見せてくれる。

気に入らなければ自分で絞りを変える。

さらに全部自分で決めたければAUTOを解除する。

電池が死んだらM90で撮る。

Nikon FEは、自動露出の便利さと機械式一眼レフの理解しやすさを、非常に自然な形で両立した名作フィルムカメラです。

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